大上さん、だだ漏れです。 第5巻

著:吉田丸悠 先生

「卒業したら県外で
ひとり暮らししたい。」

将来は農業関係の仕事に就きたくて
そのために農学部で勉強したい。県外に
出ないと適した学校がないため、柳沼くんは
そうお母様に話す。きっと認めてもらえる
だろうと思っていた柳沼くんだったけど、
予想に反して大反対をされてしまった。

体質のことを心配してのことだった。
気持ちはわからなくもない、でもこんな
調子で大事な息子の将来をぶち壊したら
親としてそれこそどうなんだろうな‥。

(他人の家庭環境に口を出すのも…。)

そう思って、柳沼くんの進路について
何もいうことが出来なかった大上さん。

そんな時、電車で2時間程の農大で
学園祭があるのを見つけ柳沼・松隈
・大上の3人で行ってみることにした。

行く前からすごい食いつきを見せていた
柳沼くん、実際行ってみると普段の彼では
見られないくらい楽しそうで輝いていた。

それでも遠い所はダメだからと、大学の
空気を感じられて楽しかった‥思い出の
一つとして終わらせてしまいそうになる。

そうか、と言いつつも松隈くんとしても
少し残念に感じてしまう所があったみたい。

「もっっったいないのう!」

ふいに柳沼くんに触れて漏れた本音。
口に出てしまった‥なんて顔をしつつ、
でも松隈くんはそのまま言葉を続ける。

「簡単に諦めんなや!
今日のお前輝いとったで!」

学園祭での経験、松隈くんからの言葉。
柳沼くんの中でも少しずつ気持ちが
変化していってたのかもしれない。

「彼の言う通り、諦めては
いけないのかもしれない。」

諦めず頑張りたいと思い始めた彼を、
大上さんは自分なりの精一杯の思いで
応援しようとした‥柳沼くんのミルク 笑
どうしてこの子が言うと全く違う意味に
聞こえてしまうんだろうか、この後すぐ

「牛乳的な意味で!!」

補足説明が付きました 笑
彼女に背中を押され、柳沼くんも
諦めない覚悟を決めたようだった。

「今までいろんな事を諦めても
『まあいいや』と思ってこれたのに、
大上さんと出会ってから僕は
ワガママになったみたいだ。」

今までこんなふうに味方になってくれる、
応援してくれる人はいなかったのかな?
きっとそういう存在がいるって物凄く
心強いものなんだろうと思う‥頑張れ!!

柳沼くんの将来を応援しつつも、
大上さん自身はまだ全然将来を
考えられずにいた‥そんな時、
きっかけをくれたのは根津さん。

「こういうの(官能小説)書かないの?」

「この人達も仕事で書いてるんでしょ?大上
さんが書いたの読んでみたいな、なーんて。」

そんなことを言われるまで、自分の
中で隠さなければいけない趣味だった
ろうし、仕事にするなんて思いも
しなかったんじゃないだろうか。

根津さんの一言から、大上さんは
夜更かしをして小説を書き始めた。
そしてそれを見たのは柳沼くん (事故)

風邪を引いて学校を休んでいた彼に
授業のノートを貸そうとして、誤って
小説を書いたノートを渡してしまった。

すぐに渡すノートを間違えたと気付くも、
柳沼くんはそれを集中して読み続け‥

びっくりするくらいの高評価をもらう。
もともと文才があるのかもしれないね。

根津さんと柳沼くんの言葉を受けて、
大上さんは小説家を目指すことにした。

安定も何もない大変な職業だと思うけど、
好きなことから目指したいって思える職が
見つかるのってすごく素敵なことだと思う。

「私小説の勉強できる学校を
探す!柳沼くんの近くで!」

きっとお互いに、そばにいれば頑張れる。
この2人なら本当に成し遂げそうな気がした。

ついうっかり‥だったと思うんだ。
結局授業のノートを貸したのかは
わからないけど、小説を書いた
ノートは誤ってそのまま柳沼宅へ。
それを勝手に見たのは母親だった。

「どうせ芽衣子ちゃんだろう?
有能な姉に任せなさい。」

そう言って、千重子さんがフォロー
してくれようとするんだけど‥

「一発当てて大学デビューの資金に
しようかと。筆跡も違うっしょ?『肉』
の書き方なんて完全に芽衣子ちゃんの。」

フォローは大失敗に終わる 笑
ぶつかったかな、弟にぶつかったの ??

実はこの事件の前にも、大上さんは
お母様に会ったことがあり、こんな
顔をされてしまうことがあったのだ。

柳沼くんの祖母に偶然外で会い
夕食に招待されたのがきっかけ。
最初はちょっと変わってるけど
穏やかそうな母親だったんだ。

進路の話を打ち明けた直後、その
場に座り込んでしまったお母様を
心配してかけよった際柳沼くんに
触れてしまって本音が漏れてしまう。

「もう少しで2度目の
キスできそうだったのに!」

タイミングが悪かっただけなのだ。
でもこんなことも2度も続いてしまい
大上さん本格的にやばいやつだわ‥

小説の犯人を知ったお母様は、大上宅
まで乗り込んできてしまった。息子の
ふりをして連絡して団地の入り口まで
降りてこさせる‥わあ、おっかな 笑

「こんなもの書くあなたが、
慎一郎を連れ出そうとしてるのね?」

そう言いながら涙を流し‥その後は
もうヒステリック状態でひたすら否定。

そんな母親を止めようと近づいた
柳沼くんに触れてしまったお母様。

「あなたに慎一郎が守れるの!?」

これが何よりの本音だったろうね。
大事な息子が心配で仕方ないんだろう。

まだ柳沼くんが小学校低学年の頃、
体質が影響し階段から落ちてしまう
ことがあったという。怪我は大した
ものではなかったらしいが、それを
きっかけにお母様の方が必要以上に
神経質になってしまったんだそうだ。

でも親ってそういうものかもしれない。
それくらい大事に思ってるんだよね。

お母様の言葉、大上さんはずっと
考えていたみたい。結果がこれ 笑

言葉を、想いを真剣に受け止めて
自分なりに立ち向かおうとする。
こういうとこ、ほんと大上さんの
いいとこ、すごいとこだと思う。

突然帰ってきた柳沼父‥と再会した
柳沼母‥なんだ、ラブラブか 笑

相変わらず大上さんへの当たりは
きついままだが、父親が傍にいる
うちはお母様少し落ち着きそう。

‥しばらくいてくれたらいいな 笑
そしてその間で嫁姑問題(仮)に解決
出来たらいいなと思うところです。

ある時、バラ園でのバイトをすることに
した柳沼くん、もちろん母親には内緒で。
父親の方の許可をもらってきたらしい。

でも結果的には母親もバイトのことを
知ることになり、バラ園まで行くことに。

「お母さんに嘘ついてこんなこと
始めて、いつからそんな子になったの!?
あなたを心配して言ってるのが
どうしてわからないの!?」

怒鳴りつける母親‥手を上げそうに
でもなったのかな?柳沼くんを守る
ように彼の前に立ちはだかる大上さん。

全ては息子のため‥そうだとしても、
カッとなって止まれなくなってしまう
ような人なのかもしれないね、お母様。

「ごめんなさい取り乱して。ああ、
地球の中心部まで埋めてちょうだい。」

‥ほんと、どこまで極端なのこの人 笑

でもこうして、ようやく落ち着いて話を
する。改めて県外の農大を目指すこと。
父親からも、助け舟を貰い、大上さんも
柳沼くんを守ると頭を下げて誓った。

最後に柳沼くんは、嘘をついてしまった
ことの謝罪とこれまでの感謝を述べた。

「…しょうがないわね、いいわ。
県外でもどこへでも行きなさい。」

負けた、と言わんばかりの表情だった。
きっと心配なのに変わりはないだろう。
それでも自分の息子を信じてみようと
思ったんだろう。大上さんのことは
どの程度許したのかわからないけど 笑

嫁姑問題(仮)も一応一件落着かな ?
でもきっと大変なのはこれからだね。

頑張れ、二人共頑張れ !!

クリスマスイブ、結局これまでは
いろいろ邪魔をされてちゃんとした
キスを出来ていないままの2人だった。
1回だけあったのも、事故だったし 笑

結局何の進展もないまま‥だったけど
クリスマスイブ、友人連中で集まった
クリパで間違って酒を飲んでしまった
柳沼くんは大上さんと2人買い出し
がてら体を冷やせと追い出された。

根津さんなりに2人に気を使っての
行動らしかったけど‥酒、危険よ 笑

水を買って、公園のベンチで休憩
する2人だったけど突然柳沼くんは
思い切り真顔でこんなことを言う。

「おっぱいを触らせてください。」

酔った勢いってすごいですね 笑笑
それも2回言ったよ、勢いよく www

これまで自分の体質のせいで大上さん
には恥ずかしいことをたくさん言わせて
しまった、だから自分も1番恥ずかしい
言葉を言わせてもらったと彼は言った。

無茶苦茶だなと思う、でもほんと
どこまでも真っ直ぐな人だよね。

大上さんからOKが出てしまったので、
服越しにちょんとつついたわけだが、
それだけで柳沼くんは顔を真っ赤に
して、自分にはまだ早かったと言う。

ウブだね、可愛らしいね 笑
2人のペースで、ゆっくりでいい。
そう思うんだけど‥今度は柳沼くん。
今はこれでいいなんて言いながら
大上さんの膝に膝枕‥これはもう、
酔ってないし動けもしない大上さん
が唯一人こっ恥ずかしいやつだわ。

でも、嬉しいよね。絶対嬉しい。
大上さんの本音が全部ダダ漏れ
しちゃってて、これはこれで柳沼
くんも絶対嬉しいし照れるよね 笑

ほんの少しだけ進展したかもです。
可愛らしい2人、今後もお幸せに。

~ひとこと~

大上さん、だだ漏れです。5巻、
今回から登場した柳沼家の家族。
そして進路‥これからいろいろ変化も
あり不安も多くあるところでしょうが、
2人で頑張っていけば大丈夫かなと
思えてしまう、そんな2人です。

私のレビューの書き方では、お母様は
邪魔者というか、ちょっとおかしい人
みたいに書いてしまっててすみません。

いきすぎた部分はあるなと感じましたが、
息子が幼い頃から母親として彼の将来の
幸せのためだけにたくさん尽くしてきた
とても素敵なお母様でもあるんですよ。

だからこそ過剰になってしまう部分も
きっとあったんだと思うけど‥やっと
認めてもらえたんだから、ちゃんと
幸せになってもらわないと困るよね。

将来、結婚とか言い出すレベルの将来
には大上さんとお母様の関係ももう少し
良好に変化していくことを願います 笑