大上さん、だだ漏れです。 第3巻

著:吉田丸悠 先生

付き合うことになった2人だけど‥
触れたら本音が漏れるという体質が
ある以上、何か変化はあるのか‥?

実際、ほんと何も変化がなかった 笑
そもそも2人ともが恋愛初心者で、
何をしたらいいかもわからない状態。
せめて誰かに話したい‥と思うも、
海に行ったみんなは既に知ってるし
他に話せるような友人もいない。

いろいろ模索して‥頑張る大上。
どこか人任せにしてしまった柳沼は
何か好きな物をあげると言った。

「ほしい物はない、けど……
手、つないでもいい?」

本音が漏れるのは覚悟の上、
周りに人がいないのを確認し
声も抑える努力をするからと、
大上は手を繋ぎたいと伝えた。

結果‥10秒足らずとかだったかも
しれないけど、大上は盛大に本音を
漏らしながらも柳沼と手を繋いだ。
いい加減漏れすぎる本音が恥ずかし
くて限界でしたと手を離すけど‥

柳沼にとっては随分大きな変化で、
進歩だったのかもしれないね。
2人なら‥きっとこれからだって
いろんな壁があるだろうけど少し
ずつ乗り越えていける気がしてる。

そして、普通の恋人同士とは違う
かもしれないけど、彼ららしく
恋人同士の関係を築けるだろう。

体育祭‥これまでは何かと理由を
作って休んでいたらしい柳沼だが、
今年はいろいろあって出ることに。

それも、競技は密着することが
必然とされる二人三脚だと‥!?
これまで休んでいたことを知らず
ペアに立候補したのは大上だった。

「やろうよ!私が
ついてるし!大丈夫!」

そんな彼女の言葉で、対策して
体育祭に出場することを覚悟。

薄手の服1枚挟んだどころで
彼の能力は発現していた。
でもある程度厚みがある素材
なら防ぐことが可能らしい。

というわけで、ダンボールを被ったり
服や軍手を何十にも重ねたりして‥

ラップ+長袖3枚レギンス3枚、更に
軍手にゴム手に頭にも手ぬぐいかな?
挑む体育祭当日だったけど、一緒に
走った相手はまさかの根津だった。

‥大上、体育祭前にケガをして
出場出来なくなってしまったのだ。
その大役を、根津に頼んだみたい。

仕方がないことだと分かってても
やはり好きな人が他の子に触れる
っていうのは嫉妬してしまうもの。

強固な防御フィールド越しとはいえ
これまで触れることを諦めていた
彼が色んな人に普通に触れられる。
この体育祭はそんな状況だった。

妬けるよね、好きなんだものね。
そのせいでどこか元気が無いのを
隠せずにいた大上は本音を伝える。

でも、そうすると少しだけ考える
素振りを見せた柳沼は‥大上の
ギプスに『大上さん命』と書く。

すごく安心しただろうとは思うが、
このおかげでギプスが外れるまで
長袖でそれを隠すことになって
随分暑さに苦しんだ大上だった 笑

街で偶然会った、柳沼の中学の
同級生だという、多胡(たこ)くん。

1人でいることの多かった柳沼によく
話しかけてくれた存在だという。

周りから見れば友達のような関係。
きっと多胡からしたら友達のつもり
だったんじゃないかと思ったけど、
優しさで接してくれてるだけかも
しれないと柳沼は友達関係を否定。

最初に偶然会った時は柳沼と大上が
一緒にいた時だったが、その後大上
と多胡2人で話をする機会があった。

「あいつには、ちょっと
した恨みがあってね。」

多胡は柳沼に恨みがあると話す。
そんな多胡と、趣味のなんと話で
盛り上がってしまう大上、そして
それを偶然見かけた柳沼は嫉妬し
突き放す態度をとってしまった。

そんなもやもやを抱えて、一応
お互いに謝罪の言葉を伝えるが‥

そんなタイミングでまた多胡。
希少な映画を見られる機会、
気になっていた恨みの理由。

瞬間的に頭の中はそっちで
いっぱいになってただろう。

「多胡くんの話もっと聞かせて!」

引き留めようと手を掴んだ柳沼。
大上から漏れた本音は、多胡を
選んでしまったような言葉だった。

瞬間的なものだったとしても、
確かにこのタイミングでこれは
柳沼としてはかなり嫌だろうな‥

大上が多胡に連れて行かれた後
どうしようもなく1人落ち込んで
いる所に通りかかった根津達。

事情をなんとなく把握すると‥

「バカーーーーーー!!」

冷静な表情で話を聞いていた
根津が突然大声で叫んだ 笑
そして勢いのあるお説教開始。

自分を主張するのも、わがままを
言うのも下手すぎる柳沼には、
きっとこれくらいはっきり言って
くれる相手が必要なんだろうな。

お説教と喝を入れてくれて
映画の話をしていた2人が
いそうな映画館を目指す。

根津のこういうとこ好きだな。
はっきりガツンと言っちゃうとこ。

柳沼の気遣いは、時に大きな誤解を
与えて相手を傷付けているな‥苦笑

大上の思う通り、迷惑をかけまい
として離れたってのが真実だろう。

でも何も知らない人からしたらね、
更に言えば怪獣趣味っていうこと
を恥ずかしいと思っている様子の
多胡にとっては悪い意味に感じて
しまっても仕方がなかっただろう。

ほんと‥柳沼はもっと自分の素直な
気持ちを口にしたほうがいいよな。

根津の喝のおかげもあって大上を
追いかけた柳沼だったが、その後
人混みに逃げ込まれてしまって‥

それでも諦めずに気持ちを伝えらる
術を彼なりに考えたんだろうな。

まさか選挙の演説乗っ取るとは… 笑
そして大上のことに付け加えて、
多胡にも話したいとしつこく言った。

結局、いろいろあったけど柳沼の努力
もあり彼らは和解することが出来た。
立ち去り際に多胡は柳沼とぶつかって

「アホな友達持つと苦労するわ。」

やっぱちゃんと友達だって
思われてたんじゃん 笑

柳沼はいろいろ遠慮しすぎることで
逆に周りを傷つけることが多そう。
もうちょっと、遠慮しないで素直な
気持ちを言えるようになるといいね!!

付き合い始めて1ヶ月、デートの最中
倒れてしまった大上を休ませるため
柳沼が入ったのはまさかのラブホ‥
普通のホテルだと勘違いしたらしい 笑

そこでそういう雰囲気になるも、
お互い初めてのことで、大上と
しては恐怖心も結構あったわけで‥

結局は拒絶してしまった大上。
でもちょっと事故って大上の
胸に柳沼の顔面が飛び込んで
しまって、その感触につい手を
伸ばしてしまった柳沼がいて 笑

この日大上は誕生日で、柳沼とも
ステップアップ出来たらいいと
密かに思っていたみたいだけど‥
まだ少し心の準備が必要そうね。

そんな大上に対して、ゆっくり
大人になろうと柳沼は言ってくれた。

その言葉に安心してか嬉しくてか、
可愛らしい笑顔を見せる大上を見て
また触れたくなって手を伸ばす柳沼。

‥その手は電信柱をパンチ 笑笑
頑張ってこらえたんだろうな~。

(大ケガする前になんとかした
ほうがいいかもしれません。)

そう思った大上だった 笑

~ひとこと~

3巻でした。ほんと大上可愛い!
柳沼もまっすぐで不器用で、
ど天然で見てて飽きないな 笑

いろいろと問題や不慣れなことが
多い関係ですが、それでもお互い
大好きで大事で‥そんな2人の仲が
少しずつ深まっていくのはほんと
微笑ましいなと感じています。

では最新4巻、また次の記事で!!