のぼさんとカノジョ? 第6巻

著:モリコロス 先生

両想いになって‥本当に
二人とも幸せそうだった。

カノジョはやってみたかったと
言ってハート型のホットケーキを
焼いてみたり、それを野保さんは
すごく幸せそうに写真撮ったり。

一緒に買い物してる気分になれる
かもと言って、買い物先から電話
してきた野保さんと会話をしたり。
この野保さんの試みに対しては、
カノジョの方がすごく嬉しそうな
反応を示しているようだった。

互いが互いに、幽霊と人間という
壁により出来ないことはあっても、
出来る限りのことを全力でやって
幸せを噛み締めているようだった。

二人とも‥本当に幸せそうだった。
でもその幸せ‥長く続かなかった。

ある日、朝起きても部屋に
カノジョの気配がしなかった。

それからのこと‥どれくらい日が
経ったかわからないけど一行に
存在は確認できないままで‥

いつも野保さんのノートを借りて
写させてもらってた宮本だけど、
野保さんの様子がおかしい上に
その頃からノートの文字もやたら
ぐちゃぐちゃで読めたもんじゃない。

そんなことを理由に問い詰めて、
ようやく野保さんの悩みを知った。
そんな切羽詰まっても相談すらして
こないことに怒り出す宮本だったけど

「……カノジョがボクの部屋に…
いっ…いないがもじれないなんて
…考えたぐなぐって……。」

今の現状すら、野保さんの中では
受け入れられてない状況だったんだ。

いなくなるようなことはしてない。
だったらカノジョがいなくなる
理由はない‥野保さんみたいな
お人好しが割食う理由もない。

そんなふうに言い出す宮本は、

「だからマジで成仏したのか
確かめるぞ!!そんでお前は
心置きなくノートを書け!!」

ちゃっかり自分の要求を捻じ込む
ことを忘れない宮本だったけど、
きっと必要なことだと思うんだ。

このまま、野保さん一人で悲しんで
いたってきっと何もわからないまま。
友人達が協力してくれるっていう。
一体何やらかすか不安ではあるけど
泣くのは出来ることしてみてからだ。

宮本、田山、近藤を連れて野保宅。
いろいろ試してみても、カノジョは
相変わらず出てきてはくれなかった。

「カノジョさん料理得意だし…なんか
作ってみたら!?オレらが作ってたら
危なっかしくて手伝ってくれるかも…。」

きっと野保さんも一人では既にやって
いたことかもしれないけど、みんなで
作ったら違うかもと試してみることに。

3人が食材の買い足しに向かってる間、

「闇鍋はヤダなぁ…。」

と有り物で普通の鍋の材料を切って
用意しようとした野保さんだけど、
泣きながらやってるものだから誤って
包丁を落としてしまって‥足に刺さる
寸前、その包丁がピタッと止まった。

「キミなの?」

第44話には、野保さんの告白から先の
彼女の気持ちがたくさん描かれてた。

突然の告白、びっくりして、でも
両想いだと分かってすごく嬉しくて‥

でもあの男の人がこんなタイミングで
出てきてここは居場所じゃないという。

それでも野保さんがいるこの場所で
野保さんと楽しく過ごしたかった。
実際‥とても幸せな時間を過ごした。

でも、幽霊と人間じゃ違うんだ。
カノジョには出来ないことが多い。
一緒に出かけることも出来ない。

大学を出てから寺に戻ることに
なったら‥この部屋を出ていく??

この先のことを考えたら、野保さんの
ためにもそばにいちゃいけないんじゃ‥

(ここは私の居場所じゃない、
のぼくんの為なんだ。成仏したい。
二度とのぼくんに反応しない。)

そう‥決めてずっと隠れていたんだ。
それなのに‥普段なら絶対こんな
ドジしない野保さんが危ない目に
あって‥だから、助けてしまった。

カノジョが隠れていて、また出て
きてくれたのはこんな理由だった。

出てきてしまった‥それでも野保さんの
ため早く成仏しなきゃと思うカノジョの
気持ちは、相変わらず変わらなかった。

「じょうぶつしようとおもって。」

やっと出てきてくれたカノジョに
理由を問う‥その答えは、やっと
カノジョと再会できた野保さんには
つらすぎるものだったんだろうな。

「わたしがユーレイだから。」

「いきててみらいがあるのぼくんの
じかんをわたしにつかってほしくない。」

「おねがいだからわたしに
とりつかれないで。」

カノジョの言葉に、思いに‥この先は
自分たちには何も出来まいと宮本達は
野保家から帰っていったんだけど‥

その後のカノジョと野保さんは
ずっと気まずいまま、カノジョの
思いに野保さんは応えられずいた。

その間も、カノジョの気持ちは
相変わらず揺らいではくれない。

「のぼくんのおとうさんに
じょうぶつさせてほしい。」

お願いがあるなんて言ってきて、
その内容はやっぱり彼にはつらい
ものでしかなくて‥たっくさん
泣いて悩んで‥答えを出した。

「成仏してもいいよ。」

翌日、父親がやってくることに。

野保父が来てくれたはいいが‥

カノジョの記憶が戻っていない
ことを話すと、このままでは成仏
させられないと言われてしまった。

このまま無理やり成仏させても、
記憶もなく未練もわからないまま
ではまたこの部屋に戻ってきて
しまう可能性があるんだという。

2人が両想いになってしまったという
こともわかり、なんとしてでも成仏は
させなければいけないと意気込む父。

ここで出てきたのが、カノジョと
なんらかの関わりがあるであろう
あの男性のことだった。前に部屋
の前まで来ていたことがある彼と、
会って話をする必要が出てきた。

あの男性とカノジョの記憶に浮かぶ
あの男性はおそらく同一人物だから。

一先ずは‥カノジョが成仏する日
は先延ばしということになった。

でも‥きっと大変なのはこれから。
野保さん、頑張るんだよ。
つらいかもしれないけど、
これはお互いのためなんだ。

何より‥カノジョは忘れている
記憶を思い出さなきゃいけない。

記憶が戻るまでは成仏できない。
それがわかってからはこれまでの
気まずさもなく前のように普通に
接してくれるようになったカノジョ。

あの男の人に会ったら、それで記憶が
戻ったら成仏しちゃうのかとぼんやり
考えながら家を出た所で、まさかの
タイミング‥その男性が部屋に向かう
階段を登ってきた所と鉢合わせに‥

焦りと、動揺で階段を踏み外した
野保さん‥その男性に、病院に
連れて行ってもらうことになった。

野保さんの怪我はそこまで大きな
ものではなく、軽い治療だけで
その日は家に帰れるようになった。

その時、その男性と少し話をする。
彼は今野保さんが住んでいる部屋の
前の住人だと言った。何かの願掛け
でたまにあの部屋の前に行くんだと。

もしかしたらカノジョと一緒に
住んでいたのかもと、誰かと
一緒に住んでいたかという形で
質問をするが‥否定されてしまう。

まだまだ謎は多いままだけど、
一応彼の名刺を貰って帰宅した。

彼が何者なのか‥まだわからないまま
だけど、カノジョの記憶の中に出てきた
ような怖い印象は今のあの男性からは
感じられず、随分穏やかで人の良さ
そうな雰囲気を感じるだけだった。

~ひとこと~

怪我をしたことでカノジョには心配を
させたけど、無事を確認して一先ず
落ち着いた‥でもそれからあの男性の
話をする‥名刺を見せることになった。

突然消えてしまうことを恐れつつも、
前に進む精一杯の努力をする2人。

どう‥なってしまうんだろうな。

2人の思いの暖かさを感じつつも、この先の
ことを考えると不安で不安で仕方なくなる。

また続きは次巻ですね。
良かったらお付き合い下さい。