著:石田拓実 先生

亜希は、自分を下げて話す。
それを、気分が悪いからやめて
ほしいとあかりさんは言った。
自分の価値=値札を随分高く
掲げていた過去の自分を恥じて
最初から低い値札を掲げている。
その方がきっとマシだろうと
思って今までそうしてきた。
でもあかりさんから言わせたら、
そんなのマシでもなんでもない。
「高いも安いも、買わないモノ
の値札には興味ないから。」
言ってることキツイなって最初思った。
でも最後まで聞いてみれば、そんな
下げること無いんだよ、大丈夫だよと
元気づけようとしているようだった。
あかりさん、きついけど基本的には
すごくいい人なんだよねって思った。
私も少しある。亜希みたいに
必要以上に自分を下げて・・・
もはやそれをネタにしているが←
そっか、そんな必要ないのか。
なんだか心が軽くなった気がした。
あかりさんの言葉で、亜希は考える。
本行の気持ち、何も知らないまま
勝手に見下されてたんじゃとか
いろいろ考えちゃっていたけど…
そう思ってたのは自分だけで
本行から見た自分にはそんな値札
付いてなかったのかもしれないと。
相手の気持ちなんて、特に本行
みたいに表情中々読めない人は
特に、話してみないとわからない。
変に落ち込むこともなかったのかも。
「(本行が今私を必要としてるのは確か
で…私でなきゃってのも多分確かで。)」
あかりさんのおかげで少しだけ前向き
になれた気がする亜希、どうするかね。

「じゃ、いいよ。しても。」
「私ももう少し、本行にさわって
ほしいような気はするから。」
期待をするからそわそわする。
でもそれをしなければ、わりと
すんなりその状況を受け入れ
られるんだって気付いた亜希。
添い寝して、素直にあったかいな、
気持ちいいなって思った亜希は、
今まで言えなかったのにすんなり
言葉を本行に伝えることが出来た。
その結果、途中まで…?
ゴムがないことに気付いて
直接入りかけてやめたのかな?
なんともお疲れ様なんだがw
それでもそんな状況を経て亜希は
本行の体温や今までの態度を
嬉しいって、そう感じたんだ。
やっぱり、そうなるよね。
いいな、嬉しいな、心地よいな。
それは好きって気持ちに繋がった。

あかりさんは本行の熱烈なファンで
もしかしたら恋のライバル…?なんて
思ってこんな質問を投げかけてみた
亜希だったけれど…これはガチですね。
考えても見なかった、でも考えたら
そういう思いだったと気付いてしまう
…みたいな…亜希さん、意図せずして
あかりさんをけしかけてしまったよ。

あかりさんは見た目可愛いし、
昔から結構告白されることも
あり彼氏がいたことも何度も。
でも自分から誰かを好きになった
ことはなかったから、つきあって
見てやっぱり違うなんて理由で
離れていく男ばかりだったらしい。
物語の中に出てくるような、
運命の人…そんなものへの憧れが
強かった分、そんなものはやっぱり
物語の中だけのものなんだななんて
少し残念に思ったりもしていた。
そんなある時、本行のデビュー作
を読んで、心にすっぽりハマった。
それがきっかけで、本行に会いたい
って思って・・・結果的に同じ所に
済むまでにこぎつけたようだった。
恋愛感情とか、そこまで考えて
いたのかもよくわからないけれど…
亜希にたきつけられてからの彼女は
明らかに挙動不審になりましたw
「さびしいんだけど、そーゆーの。」
よそよそしいあかりさんに対して
素直に出た言葉だったんだと思う。
本行のその一言であかりさんは口走る。
「智也……私と結婚しましょう!」
これ、絶対衝動的に出た言葉w
「ちょっと……考える。」
いやはや…いろいろ複雑だぞおい!!w

本行と最後に添い寝をしたあの日。
結果的に、少し入ってた、生で。
100%出来ないって保証はなかった。
そして生理が遅れているという…
不安になって検査薬を買った亜希。
覚悟ができなくてまだ使ってない
のだけれど…偶然長谷にバレました。
そして…
「もしほんとにできてたらさ、
俺の子として産めばいーよ。
俺と結婚してさ。」
軽いノリで言われたプロポーズ。
結局保留になっていたんですが、
いい加減返事を求められました。
亜希も断るつもりで居るんだろうが、
あまりにぶっ飛んだことばかり言う
ので余計に答えられなくなってる
気がしてならない…一先ず断ったら
部屋追い出されちゃうわけですし。
いやー、一先ず厄介なのにバレたわ。

ある時体調を崩した長谷に、亜希
は何の文句も言わずに優しく看病
しようと長谷の背中をさすった。
朦朧とする意識の中で、長谷は
改めて思いを告げたのだった。
長谷の、厄介な人って感じた部分。
母親に大きな原因があったらしい。
息子の話など聞かない、自分の
思う通りにいかないと気に食わない。
「~してあげるから。」
「~してあげたのに。」
「私の言う通りにしてればいい。」
何を言っても届かない言葉。
結果、最終的に母親の前では
ひたすら気分を害さないように
相槌を打つことを覚えたらしい。
そんな母親の影響で、彼女が
出来ても押し付けがましいことを
言われたりすると母親と重なって
無理だと感じるようになった。
そんな中で、一見普通かもしれない
亜希…ちょうどいいなんて言われてた
けどそれは誰でもいいんじゃなくて、
ある意味長谷の理想(無理と感じない)
にぴったりハマった女性だった
のかもしれないと今なら思う。
長谷が無理って感じる、女性に
よくある部分はわからなくもない。
私も少なからず…わりとある。
でも確かに亜希はないんだよ。
ある意味すごいことだと思う。
好きって気持ちなのか、まだ
よくわからないけれど、最初
の頃の軽い言葉とは全然違う。
彼がどういうつもりで言ったか
詳細はまだわからないけれど、
長谷が亜希に感じる心地よさは
おそらく亜希が本行に対して
感じたものと似たものだと思う。
本能的に、この人がいいって、
好きだなって感じてるんだと思う。
さて…四角関係か?←
あかり→本行←亜希←長谷
いやはやですな。
これからどうなるやら。
~ひとこと~
すごい複雑な感じで終わった。
ただ、3巻では弱ったおかげかも
しれないけど、長谷の本音が聞けた
ような気がして、ああ、ちゃんと
普通に人だったわ~と安心した。
本行に対しては、特に恐怖とか
感じたことはなかったんだけど、
長谷は読めなすぎて怖かったから。
過去があって、それが原因で今の
彼ができてると思うと納得した。
母親、笑顔が不気味だったしな←
これからこの四角関係がどうなるか。
何やら不安なよな楽しみなような…