著:石田拓実 先生

「(何かを期待してしまっていた
自分がすごく気持ちわるい。)」
本行との今の妙な関係をやめよう
と思って提案した亜希だったけど、
本行は思いの外食い下がってくる。
そんなこんなで、更に妙な発想
に至ってしまった亜希でした。
タイミング良く、か悪くか、
長谷が帰ってきたのでこの
話は中断されたんだけど…
いや~亜希が危うい方向にw
でも本行もいろいろ無責任な
発言や態度が多すぎるんだよね。
亜希振り回されっぱなしだわ…

本行とのことでただでさえ
テンパり気味だった亜希に対し、
更に混乱させる一言を突然
言ってきたのは長谷だった。
「寺田さんさ、俺と結婚しない?」
特にそういう好意もないであろう
態度で、理由もなんかズレててw
ちょうどいいってなんだぁあ!!!w
突然のことに戸惑う亜希だったけど、
話を聞けば聞くほど納得行かない。
仮に結婚しても本行とのことは続けて
くれてかまわないとか言ってくるし、
1年以内に結婚しないとせっかく
住み始めた部屋から追い出される
とか言ってくるし…いやいやいや…。
長谷は一見人が良さそうな顔してる
けど、実は1番厄介かもしれないw

「(あれが一番最初の”あたしすごく
ないのかも”だったのかもなー。)」
本行と付き合っていたあの頃。
自分はすごいんだっていう自信
があってどこからも上から目線。
そんな中で、いつも表情を変えず
大人しそうな本行が急に自分を
見下(お)ろした…怖いと思った。
初めての相手っていう話だった
けど、それは亜希の意思で本行を
けしかけたわけではなかったらしい。
「(“見下(くだ)された”かんじがした。
世界がひっくり返ったみたいだった。)」
それからは本行の見透かすような
目が怖くてひたすら無視し続けた。
「(…きっと本行は”本行を見下す
私”を見下してたのだと思った。)」
痛恥ずかしい過去なんて、まあ
恥ずかしい以外にもあれはない
みたいなのとかね、ありますよ。
大人になってから思い出すと
張り倒したくなりますよ←
その頃を知ってる人と再会して
今こんな妙な関係だなんて…
複雑以外の何物でもないだろう。
でも気持ち的には今の状況は
少しばかり嬉しいのかもしれない。
複雑なのに違いはないけどねw
いろんなことが上手くいかなくて、
自分のことをすごく低く評価する
所まで落ちてしまった今の亜希
にはすごく心地よく感じる好意。
自分だからと必要としてくれる
人がいるっていうのは嬉しいよ。

「早く4作目とりかかろうっ
て催促がどんどん強く……。」
本行の書く本は入荷待ち
になるほど売れ行き好調。
一見すごく調子がいいように
見えていたのに、話を聞いて
見たら全く調子よくなかったw

買うにも売り切れ状態で、
気になってあかりさんから
借りて読んでみた本行の本。
活字が苦手な亜希だったけど、
すごく読みやすくていっきに
3冊読んでしまえたようだ。
それで、あの頃の自分と本行
を思い出した。ところどころ、
重なって見える所があった。
あくまで作品、フィンクション。
そうわかっているんだけれど、
もしかして本行も自分に対して
…なんて、期待したくなる気持ち
は少なからず出てきちゃうよね。
そういえば、本行の気持ちって
面では今まで全く描かれてない。
そういうとこ、どうなんだろう。
自分の本行から向けられる
必要とされてるって感じが
心地よかったのもきっと1つの
きっかけだったんだろうと思う。
あと、本の続きも気になるし。
「……あと3回、なら……。」
いろんなことを言い訳にして、
1度は断ろうとした添い寝を、
あと3回だけという条件付きで
OKしてしまった亜希だった。
さてね、どうなるのかね…w
あと3回…ズルズル続くのか!?w

添い寝をOKしてしまったその日、
早速添い寝を頼まれた亜希。
前回に比べると、かなり戸惑いを
隠せない状況でございましたよ←
…やってないよ、まだね。
でも彼にしては進歩だったw
その前にも、やったら顔近づけ
られてガン見されたことがあって、
亜希はキスされるかと思ったなんて
本気でドギマギしていたんだけど…
「(ふいのマスクごしの軽い感触。
――これは…ずるいと思った。)」
最初から本行のしてくることを嫌だと
思っていたら今には至らないだろう。
少しずつ関わって、少しずつ知って。
気持ちの面はまだよくわからない
事だらけの本行だけど、それでも
関わってきて心地よく感じていて…
これは、亜希は本行を好きになって
しまうんじゃないだろうかと思うよ。
そしたらあかりさんが怖いわw

「(……昔のことも含めて、
私本行に実は結構。)
(本行に期待しちゃってたん
だなぁって……今気づいた。)」
亜希と付き合っていた頃の本行、
実は自分のこと好きだったんじゃ
…なんて淡い期待をしてみたものの、
完全に否定されてしまったのだった。
大人だものね、そんなうまい話は
なかったかぁ~って思ってしまう。
でも、現実で考えても大人になれば
なるほどずる賢さを覚えるだろうし、
結構好きでなくてもってのはほんと
多いのかもしれないな…寂しいけど。
いやぁ…複雑だよ!!亜希の心情!!
~ひとこと~
いやぁ…なんというかね。
心がもやもやしてきます。
結構主人公に感情移入しちゃう
タイプなので余計かもですが、
昔の自分を知っている本行。
昔は悪い子としたなとか、
ほんと自分イタいことしたとか
後悔は多くても、今の状況に
心地よさや期待をしたくなる。
大人は若い子に比べたらずる賢い
から、嘘をつくのも上手くなる。
だから、本行の言葉は嘘なら
いいのに…なんて少し思った。
この先どうなっていくんだろう。
恋になるのかならないのか。
本行の本当の気持が知りたいわ。