星野、目をつぶって。 第12巻

著:永椎晃平 先生

始業式の日‥朝早くから莉穂を呼び
話をしようとした星野だったけど、
来てくれることはなく学校に行って
からも莉穂と雪姫はひたすら無視。

さすがに辛くて怖くて‥始業式が
終わると人がいない場所に逃げて
隠れてしまった星野だった。

それを見つけて、昼飯だと行って
連れ出す小早川‥その先にいたのは
彼女を理解してくれてる多くの人。

「俺一人じゃない、お前の
ことを解ってる奴は…沢山
いる!前に進むんだよ。」

そこにいたのは、彼女の正体を
知っていいた人、ジャージ女と
して助けた人、正体を知らずとも
彼女を人として好いている人‥

きっとたくさんいたんだと思う。
莉穂たちのことはきっとまだ時間が
かかってしまうのかもしれないし、
立ち向かうのは怖いかも知れない。

それでも、星野はまず1人じゃない
ってことに気付くべきだったろう。
あああ‥泣いたら化粧が盛大に ww

‥これで少しは気が楽になった?
頑張ろうって思えたのかな。

これまで騙す形にはなってしまった
けど、自分が隠れてやってきたこと
それで救われた人が、それで自分を
好きになってくれた人がいるってこと
絶対に忘れちゃいけないことだね。

あの東京に行く前の一件から‥2人は
別れたことになってるのかも知れない。

でも‥恋人っていう関係以上に今の
2人の絆は強いものになってると思う。

ここを乗り越えたら‥きっとまた。
今は最大の壁を乗り越えるために
精一杯サポートしつつ戦う時だね。

どれだけ無視され続けても、絶対
諦めないで許してもらえるまで
謝り続ける‥と覚悟を決めた星野。
でもその結果は随分酷いもので‥

莉穂と雪姫、ではなくひたすら莉穂に
だけ謝罪を続ける星野に理由、無視
される理由を問うと、莉穂の考え方に
ついて過去の出来事を話してくれた。

自分のグループをすごく大事に思う
子だから、その価値を下げたり周りに
危害を加えられるのを極端に嫌う。

そして雪姫は、そんな莉穂に従って
来ることが多かったから多分そこ
まで怒ってるとかはないと思うと。

莉穂はすっぴんを見てグループの
価値が下がることを嫌がっているん
だろうと‥星野はそう言っていたけど
小早川は全く違うことを考えていた。

(榊が気に入らないのは俺のこと…だろう。)

多分‥それが全てかわからないけど
それも理由の一つになってるだろう。

最初っから、莉穂は小早川と星野が
一緒にいるのを随分と嫌がってた。

そんな状況で自分に出来ることは何か
考えた小早川は‥雪姫に頼み込んだ。

「榊莉穂と友達になりたい!!
間を…取り持ってくれ…!」

莉穂に認めてもらうことが何より
大切なことだと思ったんだろう。

でもそう簡単にうまくいくことはなく‥
協力はしてくれないものの、莉穂と雪姫
の関係については、雪が話してくれた。

中学に入って星野と仲良くなってから
莉穂は落ち着いてきたのに、また最近
小早川の存在で荒れてしまってるんだと。

莉穂は少々‥いやきっと随分面倒な
性格の持ち主なんだろうと思う。
きっと雪姫もこれまで苦労してきた。

それで‥これ以上引っ掻き回される
のは確かに迷惑でしか無いのかもね。

だから協力もしないし邪魔して
ほしくないという雪姫の気持ちも
少しだけわかる気はするけど‥

莉穂も星野も、このままでいい
なんてさすがに思えないよね。

何かしら行動に出て決着つけないと
きっとお互いにずっと苦しい気がする。

小早川は莉穂と仲良くなるために
どうしたらいいか、と数人の友人
たちをかき集めて意見を聞いてみた。

そこで出てきたのが『粧歩祭』と
言うイベントごとらしいが‥簡単
にいえば結構な距離を歩くらしい。

詳細はよくわからなかったけど、友情を
深めるにはもってこいなイベントごとだ
と言っていた。その前にはバレンタイン。

機会はある‥そこに向けていろいろと
心の準備を進めていく彼らだったが、
ある時‥ちょっとした騒ぎになった。

野球部のエースである高橋が、突然
退部届を出したということだった。

「フツーに受験に備えて…だよ。」

なんて話す高橋だったけど、大事な
大会を前にエースが抜けるなんて
他の部員、めぐみや藤本だって納得
出来るものではなかったろうと思う。

それに‥本当は藤本のためにという
理由でやめた可能性も考えられた。

「このまま…何も無しに抜ける
なんてあんまりでしょ。アンタには
…こうする義務があると思うよ。」

自分たちのことでも大変な今なのに、
星野は周りのみんなも放っとけない 笑

勝負は藤本と高橋、どちらかが打つか
打たれるかで‥勝ったのは高橋だった。

星野も小早川も、今回の件は何も
出来なかった‥でも最後に、小早川は
藤本に対してこんな言葉をかけていた。

「高橋の…友達として俺からも頼む。あいつ
にちゃんと…踏ん切りをつけあせてくれ。」

ここで藤本がどう動くかはわからない。
でもきっと‥何かしら行動してくれるはず。

例の持ち込みが終わってから‥
松方はしばらく学校にこない、
漫研にも顔を出さない日が続いた。

寂しそうにしていた加納だったけど、
漫画を書き終われば自分たちの関係も
終わり‥また元に戻るだけだと気持ち
に整理をつけようとしていたんだけど‥

ある時、偶然学校で顔を合わせた2人。
‥そういうことだったらしい。
言ってたものね、漫画家として
ちゃんと結果を出して学校を
やめて‥漫画の道一本で生きると。

いろいろあって、きっと強い絆が
生まれて‥もう学校ですら会うことが
なくなると思ったら‥随分寂しいな。

それでも、きっとこれは笑顔で応援
してやるべきところなんだろうな。

必死に謝って、出来ることを
出来る限りやってきた星野。

でも莉穂は一切反応を見せない。
バレンタインの日‥グループの子
みんなに友チョコを作った星野。

ものすごく勇気を出して渡しに行く
と、1人の男子がそれを受け取った。

「え…いや…チョコ
欲しくね…?え…?」

……… 素直か wwww

でもそれをきっかけとして、莉穂と
雪姫、石橋以外はみんなチョコを
もらいに星野の周りに集まった。
星野に対して『ブス』って言葉を
ぶつけたりもしてた石橋ですらも、
本当はチョコがほしそうに見えた 笑

莉穂に直接渡しに行くけど‥それを
思い切り振り払われてしまった星野。
それを見て、グループの子達は莉穂
に敵意を向けた言葉を言い始めた。

先にその場から帰っていってしまった
莉穂と雪姫を星野は追って、根気強く
チョコを受け取ってもらおうとした。

雪姫はもういいだろって思ったのか、
口を利いてくれた、私のは~って 笑

莉穂はそれでも相変わらずのだんまり。
さすがに星野‥ブチ切れたようだ 笑

怒ったと言うより悲しかったのかも。
莉穂がずっと怖い顔してて、だから
周りのみんなもすごく落ち着かない
様子で‥きっと雪姫も辛かったろう。

結局莉穂は星野を無視したまま
帰っていってしまったんだけど‥
莉穂、震えてた。すごくすごく
苦しそうな顔して震えてたんだよ。

莉穂すら、我慢して星野と関わる
のを我慢してるようにも見える。
一体何がそうさせているんだろう。

粧歩祭‥一緒に歩けるといいな。
少しでも、仲を改善できたらいい。

星野が莉穂達のところで頑張ってた
頃、こっちはこっちで一悶着あった。

西村が鍔生に渡そうと作った逆チョコ
が、鍔生のファンによって盗まれて
捨てられそうになっていたのだ。

小早川の協力、そして鍔生本人も
出てきて‥この事態は一応終わった。

ボロボロにはなってしまったものの、
心をこめて作ったんだろう‥本命と
して、西村はチョコを渡そうとした。

そのチョコは、アイドルである彼女が
受け取ることは出来なかった‥でも、
友人として、西村は鍔生から友チョコ
をもらうことが出来た‥きっとすごく
嬉しいことだったろうと思った。

鍔生、学校やめちゃうんだって。
その前に‥ちゃんと友達ができて、
アイドルとしてだけでなくちゃんと
鍔生木春を見てくれる人に出会えて
きっと彼女も幸せだったろうな。

~ひとこと~

次巻最終巻…ほんといろいろあった。
でもついに終わってしまうようです。

星野と莉穂はどうなってしまうのか。
莉穂の抱える思いとは何なのか‥
そして、星野と小早川のこの先は?

温かいエンディングが待っていたら
いいと、心から願ってしまいます。
それまでもう少し、頑張れ星野。

また星野と莉穂が笑い合ってる
のを見られる日が来ることを‥

それではまた、13巻で!!