著:永椎晃平 先生

完璧にメイクが落ちてしまった星野
‥が溺れたのを助けたことで加納も
すっかりメイクが落ちてしまった。
加納のおかげで溺れ死ぬことは回避
出来たものの、辿り着いたのは小島。
星野が溺れた原因になったクラゲに
囲まれてしまって島を出られない‥
星野 = ジャージ女ということに
対していろいろ言いたいことはある
だろうけど、それ以上に‥加納は
なぜか自分の素顔を知られたくない
ということのほうが強いようで‥
一体誰だよまなピー 笑
加納 愛那果、なんて読むのかと
思ってたんですけど「まなか」か。
どんなこだわりがあるのやら
わからないけど、加納にも星野
みたいに何か事情があるのかな‥?

「お前…いつまでそのメイク
続けるつもりなんだ…?」
その質問に対して加納が答えた
言葉は‥星野と少し似たもの。
でも、加納にとってはメイク
してる時だって安全な場所
ではなくなってしまってる。
それを変えてくのってきっと
すごく大変だと思うけど‥
きっと加納自身だって
変わりたいって思ってる。
‥でもそのために小早川は
何をしてやれるんだろうね。
今回の合宿、小早川は主に
松方と小早川の仲直りを
目的にやってきている様子。
まだ何も上手くいかないまま。

小早川の気遣いで加納は
自分なりに変化のきっかけを
作ろうと頑張ったんだろう。
積極的にいろんなことを
手伝ったりと、とにかく
働きまくっていて‥でも
態度が相変わらず高圧的 笑
反感を買うことも多い状況‥
本人もそれじゃいけないって
わかってるんだけど、これまで
そうやって生きてきた癖は
簡単には抜けてくれなかった。
影で文句なんかも言われて、
やっぱりムリなんだって諦め
かけてしまう加納だったけど‥
努力はちゃんと伝わってた。
少しずつ、変わっていける。
ずっと対抗してきた莉穂達に
変化を認めてもらえたってのは
すごく大きな成長だと思う。
松方とはまだまだ上手くはいって
ないけど、こうやって少しずつ
でも周囲とのわだかまりを薄めて
安心できる場所ができたらいい。

ある夜‥肝試しをすることになり
その2人チームにに松方と加納が
なってしまった‥若干喧嘩腰には
なりつつも、加納は仲直りをしよう
と彼女なりに話をしようとするが‥
「…一人になって寂しいのかも
しれないけど…尻尾振るのに
人を利用しないでくれるかな。」
そう言って反抗的な目つきで見て
くる松方を山に置き去りにして
1人去っていった加納だった。
でもその後松方が行方不明になる上
たぬきに加納の化粧道具を盗られた
なんて事件も発生し、加納がすっぴん
のまま化粧道具を探しに行った先には‥
泣きながら怯えた様子の松方がいた。
まなピーと名乗った加納の姿を
確認すると泣きながら抱きつく。
おばけなんていない、そう言って
怖がるどころが平気そうにして
いた彼女‥加納に対するこれ
までの態度は全て強がりだった
のかもしれない‥メイクをした
加納のように自分を守るための。
加納に対する松方の態度はまだ
何も変わらない相変わらずだけど、
加納の中で松方という子がどんな子
なのかようやく少しだけ分かって
きているような気がする。それに、
メイクを落とした加納に対しては
松方は好印象を持っているようだ。
きっと諦めずにもがき続ければ、
少しずつでも変化してくはずだ。

松方と加納、加納と周囲の人達‥
壊れてしまっている関係を修復し
加納の居場所を作ることを目的に
して合宿に臨んでいたんだろう。
曖昧だが、少しずつの変化はあった。
でも何も出来なかった‥と暗い顔を
見せた小早川に、加納は少し照れた
表情を見せながら頼みを伝えてくる。
「私の為ってんならそんなアホみたい
に気遣うより一つ…頼み聞けよ。また
もういちど、友達になってほしい。」
過去のことはいろいろあったろう。
でもまた、友達になれたんだ。
加納の方には、小早川への恋心も
生まれてしまっているようだけど‥
きっとこれも大事で大きな1歩だ。
頑張れ加納、彼女ならきっと前に
進んでける、変われるって思った。

合宿も終わり残りの夏休み‥
自分に楽しいいつもという時間を
くれた小早川に、その楽しいを
分けたい、お礼がしたいと言って
お祭りに一緒に行こうと誘った星野。
そこには弓削先生も一緒に来た。
楽しい時間を過ごす中で‥ほんと
随分と突然のことだったと思う。
先生が学校をやめる、この街を出て
行ってしまうなんていい出したのだ。
どこへ‥とか何をするために‥とか、
そういうことは何も教えてくれない。
ただ星野のことを小早川に託して、
自分はここを去っていくんだという。
そんな話に、メイクどうこうという
こと以上に苦しみ落ち込んだ星野。
「お姉ちゃんは…
私が邪魔だったの?」
星野の言葉に、涙に‥弓削先生は
「じゃあ、私と一緒に行こっか!」
そう言って、帰り道とは真逆の電車に
乗って、駅には小早川を置き去りに
したままどこかへ行ってしまった。

状況がつかめないまま1人帰宅
した小早川‥でも、会う約束を
していたらしい莉穂が心配して
騒いだことで小早川のもとにも
その後の星野の情報が入った。
連絡もつかない、祭りの日から
家にも帰っていないという話。
どうしていいか分からず、ただ
漠然とした不安でいっぱいに
なってしまっていたんだろう。
それを壊してくれたのは高橋だ。
様子がおかしい小早川になかば
強制的に事情を話させた後に
「んじゃあ、追いかけっか。」
いる場所がわかるわけではなかった。
でも乗った電車の向かう先ならそう
遠くはない場所にいるだろうと予想
することは出来たからそこへ向かい‥
見つけた。
何人もに大慌てさせたわりには、
そのまま大人しく帰るらしい。
行方不明になっていたあいだの時間は
もしかしたら弓削先生なりに自分と
星野が気持ちを整理するための時間
だったのかもしれないなって思った。
結局詳細はわからないままだし、
先生がどこかへ行ってしまうという
事実も変わらないままのようだった。
変わってく、寂しくても辛くても
変わっていってしまうものもある。
~ひとこと~
4巻でした‥個人的には加納のことで
いっぱいいっぱいだった巻だったのに
最後‥弓削先生に全部持ってかれた。
いろいろと謎が多いままに、寂しい
気持ちだけが残ることになって‥
これからどうなっていくんでしょう。
また5巻、引き続きレビュー
させていただきますね !!