春待つ僕ら 第14巻【完】

著:あなしん 先生

恋が実って幸せそうな竜二さんと
永久を羨ましがる瑠衣、2人とも
初恋が実ってるわけだからね‥

「俺らなんてもう忘れちゃった
よな初恋なんて、昔すぎてー。」

そう言って同意を求めた瑠衣だけど
恭介さんの初恋はまだ終わってない。

「覚えてるよ、俺は。迎えに
行くって言ったからな。」

結婚まで視野に入れての約束。
その相手は姉・沙羅の親友で3年前
大学で県外に出るまではまではよく
家に来ていたという翔子さんて人。

始めて会ったのは恭介さんがまだ
小6で翔子さんが高1の頃、随分と
派手な見た目をしていたらしい。

ある時はギャル、ある時はヤンキー、
ある時はロリータ‥最初は苦手だった。

でもいつだって明るくて些細なことでも
大げさなくらい喜んでくれる彼女に少し
ずつ惹かれ始めていたのかもしれない。

そんな時彼女の家庭の事情を知る。
お嬢様で親の言うことに逆らえない、
派手な格好はお見合い時に男性側が
嫌がってくれるから、男避けのため。

そんな不自由だらけの人生の中で
ずっと明るく振る舞えるのって
きっとすごいことなんじゃない?

そんな彼女が、涙で俯きながら将来
医者になりたいという恭介さんに願う。

「大人になったらあたしのこと
迎えに来てほしいな……なんて。」

泣いてるの隠してるつもりで、
冗談で済ませようとした弱音
だったのかもしれないけど‥

相手は恭介さんだったから、頷いた。

「いいよ。いい男に
なったら迎えに行くよ。」

病院の娘さんらしいし、恭介さんが
本当に医者になったら好きでもない
人とのお見合いから逃れられるし、
きっとこんな弱音をもらした時点で
彼女は恭介さんに惹かれてたんじゃ
ないかなって思う。希望論だけど 笑

そんな彼女との約束が、今もまだ
恭介さんの中に残り続けてる初恋。

3年ぶりに再会することに
なった恭介さんと翔子さん。

彼女の左手の薬指には指輪があって
あの約束は必要なくなったのかもと
焦ってしまう気持ちもあったんだろう。

‥意識させようとして、叩かれた。
恭介さんはフラレたんだと思ったけど、
竜二さんと話してて自分はまだちゃんと
気持ちすら伝えてないことに気づいた。

翔子さんの家の前まで行って電話を
かける。目の前にいたらまた余裕が
なくなってしまいそうだから電話で。

「もう遅いかもしれないけど、それ
なりに恋愛してわかったよ。俺は
翔ちゃんを幸せにしてあげたい。
全然いい男になれてないしまだ目標も
達成してないけど、好きなんだ。」

そう伝えると、そのまま待っててと
言われて電話を切られてしまう 笑
20分ほど経って‥ようやくやってきた
翔子さんは昔のような格好をしてた。

今は随分落ち着いてきれいなお姉さん
って感じになってたから逆に新鮮 笑

そうして、翔子さんは少しずつ自分の
ことを話してくれた。もうあの頃の
ような格好はしてないけど中身はあの
頃のまま全然変われてないんだって。

最初は弟みたいな感じだったのに、
どんどん大人になってく恭介さんに
惹かれてしまってたんだろうな。

3年間離れていた理由も、薬指の
指輪の理由も‥恭介さんが不安に
思うようなものではなかったみたい。

「…こんな私でも
恭ちゃんは幸せになれる?」

‥ばっちり両想いじゃないかあ 涙
叩かれたのも、ずっと恭介さんの
こと好きで男慣れしてないが故の
態度だったんだろうと今なら思う。

うううう、おめでとう2人とも。

さてこれで、今後瑠衣が寂しい
思いをすることが増えそうです 笑

4人で海に来ました。

4人とは、男バスの4人ではなく
永久・美月・竜二さんナナさん 笑

翌日にはナナさんは留学先に戻って
しまいまた会えなくなってしまう。
そんな状況で、いろいろな思惑が
ある集まりのようだけど‥一先ず
竜二さんは砂に埋まっていた 笑

「もっと深く繋がりたい
のはあたしだけなのかな。」

せっかく付き合えたのに最初の
キス以来恋人らしいことをして
くれることはなく、ナナさんから
くっついていっても照れて終わり。

そんな状況のまままた離れ離れに
なってしまうのがナナさんとしては
随分寂しいって感じてたんだろう。
今回の4人で海はそんな話を聞いた
美月が企てたことだったみたい。

でもそんなナナさんの気持ちなど
竜二さんが気づくわけでもなく‥
竜二さんは竜二さんでいろいろと
戦ってるみたいだったからね 笑

その結果ナナさんを怒らせてしまう。
拗ねてるって感じだったのかな‥
それで1人で離れていってしまった
ナナさんはナンパされて、彼氏いる
って言ってるのに離れてくれなくて‥

ちょっと泣きそうになってた所に
埋まってたはずの竜二さん登場!!
いろいろ照れちゃうくせにこういう
ことさらっとしてしまう‥ずるい 笑

ちなみに埋まっていた砂は力づくで
壊してナナさん助けに来たらしい。
力づく‥想像したら吹き出した 笑

この一件でナナさんもちょっと
安心なのか嬉しかったのか2人の
仲はいい感じになったように思う。

少しずつ、ゆっくりでも進展して
いけたらいいね‥2人のペースで。

2人きりにしてみたものの、結局進展
することはなかったと話すナナさん。

それでもナナさんは満足そうだった
けど、そんな様子を見ていた永久は
あえて竜二さんを煽る行動に出る。

美月とめっちゃくっついて
イチャイチャしてますアピール 笑

通用しないか‥とか言ってたけど、
思い切り通用したようで、竜二さん
は家へナナさんを連れてくことに。

いやーやってみるものですね 笑

にしても、イチャついてる2人の
後ろ姿が可愛すぎてなんか妬けた ←

急に家に呼んでもらえて、もう
ナナさんの方はすっきりした顔
してたけど竜二さんはまだ少し
ナナさんと距離を置いて話す。

もっと恋人らしいことをしたいと
思ったナナさんの気持ちとは裏腹に、
竜二さんはナナさんが頑張ってる
邪魔をしたくなくてそういうのを
ずっと我慢していたようだった。

「今日一緒にいたら多分抑えられ
ない。-それでなくてもあの日
俺突っ走ってああなったし。」

初めてキスした日のことも、焦り
すぎて申し訳ないと思ってるみたい。

‥結果オーライですね。
今イチャイチャして、離れたら
もしかしたらもっと寂しく感じて
しまうかもしれないけど、きっと
何もないままより安心して夢を
追えるんじゃないかとも思うし。

今回のことは2人とも言葉足らず
だったんだろうなって思った。
お互いのこと大好きなだけなのに。

もしかしたら今後もすれ違ったり
すること出てくるかもしれないけど、
次からはこうやってちゃんと話を
して理解し合ってければいいね。

日本を離れている亜哉のもとに、
バスケを教えてほしいと連れて
こられた9歳のヒカルという子。

まだ英語も喋れず、慣れない環境で
参りきっているみたい。昔‥亜哉も
そんなふうな時期があったみたい。

「…父にはあなたにバスケを教わって今日
一日とっても楽しかったと伝えます。
だからあなたも話を合わせてください。
…別にバスケに興味があるわけじゃない
んです。あまりに閉じこもってるから
誰かと交流させたかっただけだろうし。」

最初はろくに口を利かなかった
ヒカルだけど、実は喋りだすと
すっごいペラペラ喋って驚いた 笑

そんなヒカルに、そんなに
わかってるならお望み通り交流
して安心させてあげれば?と
聞きたくないと言ってるのに
亜哉は自分のことを始めた 笑

好きな子(美月)とバスケの話。
その中には今のヒカルのように
知らない地で奮闘した話もあり、
最初は興味を示さなかったヒカル
だけど途中から夢中で話を聞いた。

美月との話、最終的にフラれて
しまった話を聞くと‥聞いてた
ヒカルの方が泣いてしまった。

きっとすごく優しい子なんだな。
亜哉という友達が出来て、彼と
話したことをきっかけとして
ヒカルも周りに馴染もうと少し
ずつ努力し始めたように思う。

きっかけって大事だよね、
そんなきっかけと勇気を
与えてくれる存在は大きい。

ところで‥ヒカルは女の子だと
いうことが後に判明しました。
男の子だと思ってたごめん 笑

こちらは描き下ろしおまけ漫画
で描かれた瑠衣と莉乃のお話‥

実は14巻の中で街でナンパされて
困っている莉乃を瑠衣が助けたとか
2人の話は出てきてて、フラグか?
とか言ってることもあったんだけど
結局ここまでなんの進展もなく‥

現在はインハイ予選、鳳城が清凌に
負けてしまったそんな試合の後だ。
応援に来た亜哉を見た途端逃げて
しまったという莉乃が泣いている
ように見えて瑠衣は励ましに行く。

莉乃は去年亜哉にフラれているから、
それを引きずって泣いてると思って
励ましに行ったけど、涙と逃走の
理由はそれとは関係なかった 笑

涙の理由は試合に負けたこと、
逃走の理由はバスケの鬼である亜哉に
言い訳する正当な理由を考えるため。

瑠衣が思ってるのとは全然違った。
亜哉は確かにバスケの鬼だけど、
莉乃もバスケに対してすごく真剣に
思ってるからこその涙だったんだ。

瑠衣の伝えた言葉は、莉乃には
救いになったように思えた。
それとは別に、ちゃっかりまだ
亜哉を好きなのか確認してる。

進展もなく、この先が描かれる
こともないのかもしれないけど
もしかしたらこの2人がくっつく
未来もあるのかもしれないね 笑

~ひとこと~

はい~ということで完結です。
14巻で1番大きかったお話は
恭介さんと翔子さんの話かな‥

でもそれ以外も良かったなあと
思えるお話がたくさん詰まってて
素敵な最終巻だったと思います。

青春ですね、甘酸っぱいです。
甘酸っぱくも切ない物語、少しでも
それをお伝えできていたら幸いです。