著:宇仁田ゆみ 先生

わー懐かしの正子さん。
彼はやはり彼氏らしい。
そしてチーフアシスタント。
あの子の通帳って…正子さん
…もしかしてりんのために
お金貯めてるのかな??

「歳くってからはお前が面倒
みなくていいようにするからさー。」
ぎっくり腰で動けなくなった大吉を
見ていたりん。大吉は、自分がこの先
動けなくなった時にりんの選択範囲を
狭める原因にはなりたくないと考える。
だがりんは、逆に大吉の面倒を他の
誰かが見ることが嫌だと思っていた。
大吉のこの気持ちは親心だ…でも、
りんのこの気持ちは…なんだろう。

(じゃあわたしのお母さん
から見たわたしは…?)
大吉がぎっくり腰になった時、
二谷さんにもお世話になったので
お礼を持って家を訪れたりん。
そこで聞いた彼女の話から、
母親…というものについて
随分考えるようになって
しまったりん…自分の母親は
自分のことをどう思ってた?
気になりだしたら…きっと
もう止まらないだろうな。

りんの疑問は、母親を調べ
ようという所に辿り着いた。
市役所へ行き、戸籍を貰う
という方法で…取り寄せという
形にした結果、自分が見るより
先に大吉にそれがバレてしまう。
怒られるかと思っていた。
でも大吉は、少し寂しそう
な表情を見せただけだった。
「りんには知る権利がある。
俺が怒るこっちゃねえよ。」
大吉は優しい…きっとりんが
昔みたいに傷付いたりする
ことを誰より恐れている。
母親は家政婦だった正子さん…
だなんて情報は特に与えないまま
りんと正子さんが会うことになる。

りんって大吉大好きだよな。
母親のことは知りたいけど、
それでも大吉のそばにいる今
の生活を続けたい…大吉の言う
『もし』なんて家庭の話に、
随分つらそうな表情を見せた
ように思えた。…不思議だな。
私には親は父と母だけなので
りんのような境遇の気持ちは
わからない…わからないけど…
りんは一体どんな思いでこんな
質問をしたというんだろうね。

りんと正子さんが会う当日。
正子さんと会うのはりんだけ
という約束で部屋に招かれた。
そこで正子さんは…今まで
の彼女の行動からは想像
出来なかった行動をとる…。
それはりんへの謝罪。
いつからか…ずっと後悔と
申し訳無さを抱いてたのか??
りんにはもう、幼いあの頃
忘れたがっていた家政婦の
正子さんの記憶は薄れてほぼ
無くなってしまっていた。
でも、大吉と正子さんの
ようにりんと正子さんが
ぶつかることはなかった。
多分、彼が間にいたという
ことも多少あったろうが…
親子…だからなんだろうか?
…りんだから、かもしれない。
正子さんのお腹には、彼氏との
赤ちゃんがいた。来月生まれるん
だとか。赤ちゃんの存在を知って…
「わたしっ…”お姉さん”と
思っていいんですか?」
りんがどんな反応を示すだろうと
不安がっていた正子さんと彼だが、
思いもよらない明るい反応があった。
…不思議だけど、りんは正子さんに
会えて良かったんだろうと思った。
この先のことはわからないけど、
もしかしたら、良好な関係に
なっていけたりするんだろうか。

(「お母さん」にはあきらめきれない
仕事があった。じゃあダイキチには
なかったの?どうしてダイキチはわたし
のこと引き取ってくれたんだろう…。)
「お母さん」と別れ1人になると、
りんはそんなことを考えていた。
りんの気持ち…これ…なんだろ。
まるで恋してるみたいに見える。
…のは違うのかな?違うのかも
しれないけど…家族のそれとは
随分違ったものに思えてしまう。
~ひとこと~
7巻でした。さて…いろいろ
ありましたが、りんの気持ち
が何やら読めないこの頃。
彼女の抱える思いは一体…
めっちゃ続き気になります。
では、また8巻で!!