著:宇仁田ゆみ 先生
徳也…先輩って誰よ。
徳兄…紅璃先輩の兄かな?
徳兄と呼ばれるこの先輩と、
紅璃先輩とコウキの間に
一体何があったんだろう。
ただ、コウキはりんに危害が
加わることを恐れるが故に、
彼女とつき合うということを
拒否することが出来なかった?
結局はりんが大事だから…
って考えると、複雑だな。

コウキが本格的に荒れた
きっかけや先輩との繋がり
はよくわからないけれど、
その中でコウキは無意識
的にりんを巻き込んだ。
自分の好きな女として。
その結果、大量の迷惑MAIL
や電話がかかってくる。
それを避けようとすれば、
結果友達からの連絡に
気付けずにいたなんて
こともあったようで…
(ていうか携帯(これ)…要る…?)
そんな思考に陥るまでに
りんは疲れてしまっていた。
川に携帯電話を捨ててしまい
そうになった時、偶然にも
そこに現れたのは大吉だった。
いつも通りに親ばかで大げさな
心配をしてくる彼を見ていたら、
そんな衝動は落ち着いたらしい。
大事な人だけ…きっとそれでいい。
人生なんていいことも悪いことも
たくさん経験していくんだろう。
自分に否がなかろうと、勝手に
巻き込まれてしまう時だってある。
つらくてめんどくさくて、そんな
時に絶対に安心できる場所がある
っていうのは、きっと何よりの
救いになるんだろうなと思う。
りんにとって大吉はきっとそう
いう存在。保護者が子供にとって
そうなれるのは、誇りだと思った。

話は現在に戻り高校生のりんと
コウキ。コウキの思いも言葉も
本当にまっすぐなものだった。
(わたし…行きたいのかな…
コウキのほう…そっち側は
たのしい…?やなこと全部忘れて
そっちに行くのが一番たのしい?)
きっとりんはまだ怯えている。
だから、こうやって少しずつ
でも安心させてあげて、本当に
大丈夫だって思わせてあげて。
気の長くなる話でも…それに
とことん付き合ってやるくらい
じゃないと、りんは本当に安心
することは出来ないと思うから。
いつかは…コウキのいるところが
りんの安心できる場所になれば
いいなって、心からそう思った。

ある日、コウキが大吉に泣き
ついてきた。紅璃が妊娠した
と言ってきたというのだった。
全額負担するべきと話す大吉。
その件を、りんに隠しておく
ことも出来たが、コウキは
りんにも伝えることを決めた。
すると…
「ホントにできたのかって話!!」
「いーからコウキ、心
当たりの日を教えて!」
りんの計算では、妊娠などして
いない可能性が高いと言った。
それでも、罪悪感を抱くことは
ないが男としてお金を払うべき。
大吉は、そういうものだと言った。
そうなのか、男って大変だな←
でもこういう考え方というか、
大吉って男性としてすごくしっかり
した人なんだろうなって感じるよ。
なんで今まであんまモテなかったん?w
それはおいといて、男にはムリ
だという言い方をされたりんは…
「じゃあ女ならいいでしょ?」
りん自ら話をつけに行こうとする。
りんの「好き」はついに過去形に
され、キスで終わりを告げたように
すら聞こえたけど…この時のコウキに
とってはキスより何より、りんが
好きと言ってくれたことのほうが
一番響いたらしかった…本当にさ、
こういうとこ昔から全然変わって
なくて、ほんと純粋に育ったなと
思うわけですよ…グレてたけどね。
ちゃんと巻き返していい子に育った。
りん、大丈夫かな。多分気持ちの
面では何も大丈夫じゃないだろう。
コウキもりんも、負けんなよ。

結論、金が必要で妊娠したと
コウキに嘘をついたらしい。
でも彼女の思考は案外
まともなことを考えていて…
「わたしずっと紅璃先輩のこと
全否定してきたんですけど…今
ちょっとだけ変わりました。」
彼女の家もいろいろ苦労が多く、
彼女なりに将来のためにと
やって来たことなんだという。
やり方はどうかと思うけれどもw
それでも、彼女なりの信念の元
やってきたと分かったら、りんは
彼女の見方を少し変えたようだ。
コウキとはつき合ってないし、
今後もそういうことはない。
そして最後にこう言い残した。
「でもだいじな人です。何か
あったらわたしが守ります。」
りんは、本当にぶれないな。
これはりんの持つ強さ。大切な
ものがあるから、いつまでも
まっすぐでいられるんだよね。

数年前保留にした話を掘り返す。
二谷さん、大吉にベタ惚れじゃ
ないの。それでもコウキとりんが
だめになったから、彼らも諦める
しかない…という状況になった。
ああ…切ないな。すごく切ない。
最後に、二谷さんは他の人から
正式にお付き合いをと言われて
いるという話をしてきた。それを
受けようと思う…とあくまで報告。
ここで相談なんてしたら甘えだ。
こういう所は、やっぱ二谷さんの
方が大人なんだなって感じたとこ。
大吉はやっぱり大吉なんだなぁ。
(そうしないとふたり
とも前に進めない…)
二谷さんは前に進むためにこの
決心をして、報告をしたんだね。
…そっかぁ…寂しいけど…そうか。
恋ってほんとむずかしいよね。
~ひとこと~
わ~6巻、なんだかいろいろ
切ない思い出終わりました。
そしてりん…戦ったなぁ…。
コウキはこれから先、もう
紅璃先輩と付き合ってく
ことはないんじゃないかな。
そして今後りんが嫌がらせを
うけることもさすがにない。
と思うけど…彼らの恋心は
本当に終わってしまったの?
でも…わからなくもないんだ。
心から愛する人がいたって、
それだけじゃどうにも出来ない
思いや関係だってあるからね。
それぞれがそれぞれにでいい。
幸せを感じられるような関係を
作っていけたらいいなと思った。
それはまた、いつかは…の話。