著:宇仁田ゆみ 先生

りんと記念樹の話をした。
大吉は生まれた時に一緒に
キンモクセイを植えたらしい。
カズミの時にはギンモクセイ。
これは、大吉の母親の代にも
宋一じいさんがやってたことで、
じいさんの家にはギンモクセイ
(母親の木)が大きく育っていた。
小学校に入学するりん、
記念にびわの種を植えた。
そして正子との会話でりんの
記念樹のキンモクセイもある
ということを知って、じいさんの
家までそれを取りに行った大吉。
りんを預けていた実家に戻ると
母親がじいさんがやっていたこと
を真似てやったと話してくれた。
同じ流れの中にいた…そうか。
なんだかすごく不思議だけど、
こういう繋がりってすごく
嬉しいって感じることだね。

りんの小学校までの距離は、
大吉が昔通っていたそれに
比べたら近い…それにりんは
しっかりした子だ…そうは思う
ものの、心配で仕方ない大吉。
一応コウキと一緒に通うのだけど、
やはりすごく不安に違いなかった。
そんな登校前、ランドセルに付けた
危ない時に吹く笛…防犯用のやつね、
それを本当に危ない時、怪しい人
に会っちゃった時に使うんだぞと
コウキに教え込んだりんと大吉…。
そんな話の後だったからだろう。
近所のおじいさんが挨拶がてら
話しかけてきただけだったんだ。
でもコウキはそれをその危ない時
だと本気で勘違いして笛を吹く。
笛を吹いて、建物に逃げ込めと
言われたため、りんを連れて
大吉の家に駆け込んできたのだ。
今回はただの勘違いだった。
でも、間違えてしまったコウキ
の頭を大吉は撫で礼を言った。
コウキは、本気で焦ったかも
しれないけど、いい予行演習
になったかもしれないねw
大吉にとっても、きっと
心強い存在に感じたろう。

ひょんなことから新人教育の
一端を担うことになった大吉。
そこにいた新人の1人がこの女性
織田さんだったのだけれど…彼女は
教育講習…みたいな時間の最中も
熱心に話を聞いている様に見えた。
彼女はいつからは大した用もなく
大吉の元を訪れるようになる。
あ~大吉モテ期かなんて思うも…
そんな彼女の本性を知ることになる。
ずっとそれなりにあしらって仕事を
させようとしていた大吉だったけど、
今回ばかりは随分としつこかった。
仕事も出来て真面目で教育も
上手い…確かに大吉は優良物件w
でも、この女何怖い嫌だwww
子持ちってなるとそりゃあまあ、
変化があるのは分かるけどこの女
あからさますぎてびっくりだよ。
家庭がある…という話をした
途端焦りだした彼女は…
「やっぱいいです。」
そう言って立ち去ったのだった。
この後、彼女は会社も辞めたとか。
他の男にも媚を売っていろいろと
貢がせたりしていたらしいし、
そういう女だったらしいけど…
大吉、あまりにも可哀想ですw
きっと大吉の本当の良さを知って
声をかけてくるような人がいれば、
りんの存在なんてさほど大きな
問題にもならない…といいけど←
…嫌な女だったな織田さんww
…それとも若い子ってそれが
普通だったりするんだろうかw

さて、ボーナスの日です。
りんもいるしそこそこの額は
ほしいと考える大吉だったけど
異動して働く時間も前より随分
減ってしまっている現状…だいぶ
減ってしまってる覚悟はしていた。
(わあ!!ホントびっくりする
ぐらい減ってる~~~~!!)
そんなことを思いながら、大吉の
脳裏に浮かんだのは正子だった。
きっと自分よりももっと大変だ。
そう、思ってしまったんだろうな。
(だからってゆるせる
ワケじゃねーぞクソ。)
女手一つ…収入も生活も不安定な
漫画家で、仕事を中心に生活が
回っているような人が子育てを
するなんて…想像はつかないけど
随分と難しいものだろうと思う。
許せるわけではない、わけでは
ないけど…もう少し、正子という
人の気持ちを知ってみたいと、
ほんの少しだけ思ってしまった。

仕事で小学校の下校時刻を過ぎても
すぐ家に帰れない大吉とコウキママ。
そのため、小学校が終わるとりんと
コウキは学童保育所に行ってるらしい。
そこの迎えもコウキママは随分と
遅くなってしまうことも多いらしい。
そんな話の流れから…どうしてか
りん宅でコウキ親子と共にカレー
を食べようという話になった。
材料を買ってりん宅へやって
来た2人。コウキママ=二谷さん
て苗字だと急に明らかになった
のだけれど、二谷さんとりんが
台所、大吉とコウキがゲーム。
なんだろうね、どこの家庭にも
ありそうな温かい光景はさ。
知らない人が見たらほんと、
仲のいい家族に見えたろう。
母親と娘、父親と息子…そんな
繋がりに近いものが、彼らの
中には出来上がってる気がした。

コウキにとって、りんは強い。
そして、コウキだって決して
悪い子ではないんだ。ちゃんと
まっすぐ言葉を伝えればわかる。
だから、りんのように真っ直ぐに
言葉を、想いを伝えればちゃんと
コウキだって反省するし頷くんだ。
コウキの担任はコウキが悪いことも
そうじゃないことも、コウキを既に
問題児として扱っている節があって
先生の言うことを聞かない悪い子
みたいな扱いをする…それじゃあ
言うことなんて聞かないだろう。
何が悪くてどうしなきゃいけないか。
そういうことをちゃんと伝えれば、
コウキはちゃんといい子だと思う。
すごく素直な子だと思うんだよね。
保育園から一緒で、仲も良くて、
この2人はいつからか姉と弟、
時に兄と妹のような空気を持つ。
まあ、主にりんがお姉ちゃん
だって感じだけれども、りんが
危ないってなったらコウキは
きっと必死に守ろうとするよ。

大吉とりんは宋一じいさんの
墓参りにやってきた…そこには
インク瓶に入ったりんどうの花。
そこに置かれたペン…漫画家
さんとかが使ってる感じのかな?
墓石の横に隠れるようにおいて
あったそれを見て、正子さんが
来ていたんだと気付いた大吉は、
正子を探しある提案をした。
「こっそりりんの姿
のぞいてみませんか?」
そう言われた時の彼女の表情は、
以前写真を見せた時の反応とは
まるで違う…きっとすごく母親
らしいものだったんだと思う。
りんを見る彼女の目は、とても
大切なものを、愛おしいものを
見ている…そんな目に思えた。
正子さんの隣りにいる男は…
彼氏なんだろうか、漫画家の
アシスタントもしているように
思えるけど…アシで彼氏…かな?
この彼氏くん(仮)はこれまでも
ちょいちょい描かれていて、
いろいろと子供っぽかったり
暴走する正子を傍で支えてる、
随分まともな人に思えている。
そして仕事に躍起になる正子。
「もっと仕事しなきゃ…きのうの
ご飯も思い出せなくなるぐらい
やんなきゃ…そうしないと…
いろいろ忘れないと…あたし……。」
彼女は一体何を思っているのか。
いつも不安定で、仕事に躍起に
なっては限界を超えて体調すら
崩しているようにすら思える…
まだまだ、この正子さんという
女性に関しては謎だらけだ。
~ひとこと~
3巻でした。大吉とりんの生活は、
なんだかんだ上手く行ってると
思う。二谷さんやコウキの存在も
勿論あってのことだとは思うけど、
仕事も頑張ってるし、金銭的な
問題とかはわからないけど…大変
ながらも頑張って順調な生活を
送ってる。そんな中にたまーに
出て来る正子さんの生活が問題。
…今後彼女の心はわかるのかな?
りんを苦しめるようなことに
だけはならないでほしいと願う。
そしてもし出来ることなら、
ずっと何かにおわれるような
苦しい表情をしている彼女が
心から笑える日がくればいい。
少しだけそんなふうに思った。