パパと親父のウチご飯 第11巻

著:豊田悠 先生

幼稚園でパパの誕生日のお祝いを
したという話を聞いた清一郎は、
自分の父親・晴海の誕生日祝いを
したいと思った。そして晴海の
誕生日は来週、すぐ先のだった。

「パパのおたんじょうび、
ぼくケーキつくりたい!」

その一言で、お祝い計画が始動!!
ゆかりさんと茜に手伝ってもらって
愛梨と清一郎はケーキを作ることに。
千石は家で他の料理を作る担当だ。

完成したのは、可愛くデコった
ロールケーキ、ラッピングして
料理教室から家まで帰る途中..

猫に気を取られて一瞬よそ見した
瞬間にケーキを落としてしまう
というハプニングもあったけど、
形が崩れてしまったロールケーキは
また壇姉妹の助けで無事可愛らしい
デコレーションケーキとして完成。

晴海も彼らのサプライズをとても
嬉しそうに受け取り大成功だった。

自己主張や、意見を伝えるのが
あまり得意ではない清一郎だけど
誰かのために一生懸命頑張れる、
清一郎はそんな素敵な子だよね。

愛梨も清一郎もどんなふうに成長
していくんだろう..楽しみだね。

ある日あかねが学校から帰ってくると

「いけません、千石さんそんなの…」

「いやでもこのままじゃ俺の
気持ちが収まらねえっ…。」

千石とゆかりさんがなんか誤解される
ような光景をつくりだしていた 笑
先日のケーキ作り等のお礼として、
お金でももってきたのかもしれない。
茜はほんの少し誤解しそうになって
随分びっくりしている様子だった 笑

でも受け取ってもらえず、それでも
お礼をと言う千石にゆかりさんは、

「そうだ、でしたら夏祭りの
設営を手伝ってくれませんか?」

..ということで、夏祭りでお店を
出すお手伝いをすることになった。

茜も自ら手伝うと言っていて、友達に
浴衣着ないの??と写真を見せられて..
茜は千石の顔を思い浮かべていた。
その後思い出したのは幼い頃の父。
きっとトラウマになってる方でなく
その前の本当のお父さんの方かな?

似合うって言ってもらいたいのね。
ちょいちょいあった、茜が千石に
対して落ち着かない様子だったこと。

これは恋なのか、はたまた優しい父親
への憧れのようなものなのかは謎だが
気になってるみたいね、千石のこと。

夏祭り当日..結局茜は浴衣を
買って持ってきたようだった。

休憩時間、着替えようとしていた所
千石が愛梨がいなくなったと騒いで
いるのを聞きつけ..結局すぐに愛梨は
見つかったけれど浴衣は着れず終い。

泣きじゃくる愛梨と、愛梨を見つけ
ほっとする千石を見ながら茜は昔の
自分を思い出しているようだった。

恋なのか恋じゃないのかはまだ
よくわからないけど、茜に変わる
きっかけをくれた存在ではあった。

今はただ、変化によって出来た友人や
関係を、大事にしていけたらいいよね。

この春風って子も、その変化の
中でできた大切な友人だろうし。
そういうの大事にしていきたいね。

夏休み..いろんな所へ連れて行くも
子供は飽きが早いようで、1度行った
場所にはどうにも乗り気じゃない2人。

どこのお子さんもそんな感じの
ことはよくあるようで、大変そう。

「大人になるとつい慣れたほうを
選んでしまいますけど、僕たちも
新しいことにどんどん挑戦
していかないと。」

まだまだ子供達は知らないことが
たくさん、知らないことの方が
多いのだからと挑戦することに。

そしてやってきたのは科学博物館。
そこを見て恐竜に興味を持った
のは清一郎..子供が何かに興味を
持つ、きっかけは無限にあるだろう。

大人になると中々挑戦しなくなるけど、
こうやって子供にいろんなきっかけを
与えるのは大人の役目なんだと思った。

そうしていく中で、親子揃って一緒に
成長していく部分もあるんだろうね。

千石の店で働く竜也の元気がないと
晩ご飯がてら家に招待した千石。

「俺高校時代バスケやってて
そんときの仲間が怪我したんで
哲さんに見てもらったんスけど、

何かそいつ怪我しててもすげー
前向きで、昔は一緒にプレーしてた
のに俺怪我してバスケやめてから
フラフラして仕事も続かなくて、

バスケは今も好きだけどもう
出来なくて、今の仕事は楽しい
けど正直これから先何やりたい
とかないしこのままでいいの
かな~みたいな。」

竜也の話を聞いてくれたのは晴海だった。
そうして、晴海が話してくれたのは
自分が漫画編集者をやっている理由。

それで全てが解決するわけではない、
それでもそういう考え方、目指し方も
あるんだっていう選択肢として晴海
の言葉は竜也の背中を押したようだ。

バスケはもう出来なくとも、バスケを
頑張る選手を整体師としてサポートして
いくって道も、あるのかもしれないね。

道は決して簡単ではないと思うけど、
真剣に頑張るなら背中を押して出来る
限りのサポートをしてくれる人が、
今彼の周りにはいる、それってすごく
ありがたいことだよね、頑張れ竜也 !!

いまいち英会話に対するモチベが
低くなってきてしまった様子の愛梨。
スクール行く時間の直前に駄々をこねる
愛梨をなんとか塾に連れて行くと..

その日はホームステイで日本に来て
いるというリリーの甥っ子である
レヴィがやってきていて、夏休みの
間限定で授業にも参加するらしい。

挨拶してくれるもなぜか逃げるように
千石の後ろに隠れてしまう愛梨だった。

人見知りか..と思ったんだけど
これもしかして一目惚れかな?
照れちゃって話せないのかも..

と勝手に想像する私でございます 笑

今日はスクールでパーティが行われる。
最初は挨拶もできない様子だった愛梨も
少しずつ、レヴィと会話を頑張っていた。

緊張している様子も残りつつ、少しずつ
だけど、でも確実に仲良くなれていた。

次の約束、みたいなことをしようとして
それは叶わないことだと知らされる。

数日後には帰ってしまいレヴィ、でも
愛梨はまた会えるよって証のように
ミサンガかな? レヴィがつけてくれた。

いつかまた会えるその日まで、愛梨は
もっと料理出来るようにならなきゃね。
レヴィに料理作ってあげられるように。

これは愛梨の初恋だったのかもしれない。
レヴィにとってはどうなのかわかんない
けど、きっと近いものはあったかも。

こんな光景を、このパーティに参加
している千石がどんな目で見てるのか
..絶対すごい顔して睨んでそうだなと
思ったけど残念ながらその描写はない。

いつかまた、再会出来るといいね。

レヴィにまた会うためなのか、
愛梨の英会話に対するやる気
は無事また復活したようだ。

~ひとこと~

今回は、なんだかちょっぴり
切ない感じで終わりましたね。

愛梨の初恋..かぁ、千石はまた
将来を不安に思い始めるかも。

子供の成長なんてあっという間。
気がついたら親離れなんてことに
なっていそうだけど、もう少しの
間、親父のそばにいてあげてね 笑

いろんな料理を作って、美味しそう
と感じることも多いこの物語ですが
やっぱりそれ以上に家族愛、兄弟愛
友情、そしてそれを通して変化し
成長していくのを見られるのは、
個人的にはすごく好きな部分です。

そして私も成長しなきゃなと
結構ぐさぐさと刺さります 笑
これからも温かく優しい彼らの物語を
見守っていけたらいいなと思います。