著:豊田悠 先生

愛梨が肉まんを食べたがったのに、
時期外れで店に売っていなかった。
清一郎の提案で、千石は自分で
肉まんを作ってみることにした。
でも結果は思うように出来ない。
完璧に機嫌を損ねてしまった愛梨
を見て、千石はリベンジするために
皆が寝静まった後に猛練習をする。
「まずいもん食わせたままだと屈辱
っつうか、親父としての沽券に関わる
っつうか…何かかっこわりーじゃん。」
千石は、そんなふうに話したけれど、
晴海は千石の努力の方を肯定した。
「…千石くんが子供たちにとっていつも
かっこいい父親でありたい気持ちは
わかりますけど、いつも完璧な父親
より時に失敗してもまた挑戦する父親
のほうがかっこいいんじゃないですか?」
そして、せっかくだからみんなで
作ったほうが…と提案してくれたのも
晴海だった。ゆかりさんにも相談に
乗ってもらい、ついにリベンジの日。
「(作るのを)協力してくれるか?」
千石が子供達にかけたその言葉で、2人
はとても誇らしい表情を見せてくれた。
こうやって、一緒にやるのは親子ともに
成長していくきっかけかもしれない。
美味しい食べ物、それをみんなで作って
みんなで食べる…温かくて幸せな家庭だ。

友人の結婚式に行ったゆかり。
そこで友人に言われた言葉。
「普通この年なんだから彼氏とか
結婚のこととか絶対考えるでしょ。」
彼氏もいない、興味も示していない
様子のゆかりに友人たちは口々に言う。
それでもゆかりは母親や娘達に乱暴を
する恐ろしい父親の記憶が残っている。
(…悔しい…私まだ男の人が怖いんだわ…。)
そんなある日、知らぬ間に包丁を使える
ようになっていた晴海の話を聞くことに。
「どうして恐怖を克服
しようと思ったんですか?」
そう問いかけると、晴海は清一郎の
ために逃げないと決めたからと話す。
「傷ついても、たとえ傷つけても、
傍にいてくれる人がいることに気付いた
から怖くなくなったのかもしれません。」
晴海の言葉や思いを知って、ずっと
男性への恐怖心から逃げていた自分と
向き合うきっかけになったように思えた。
この人のために変わりたいと思える
存在に…ゆかりさんも会えたらしいね。

晴海が担当する漫画家さん達の話。
以前紹介できていただろうか??
栗山さんは晴海のススメで料理漫画を
書くようになった人。出雲さんはこの
栗山さんをアシとして雇っていた人…
って程度の説明でいいだろうか(笑)
2人は仲が良くて、メンタル的に
不安定なことも多い彼女を栗山さんが
料理で支えている面もよくあった光景。
そんな2人が、お互いの仕事の不調で
ケンカをしてしまったという話だ。
でもお互い、相手を嫌いで喧嘩した
わけではなかったろう…後悔もした。
栗山さんの料理漫画のもとになった
のは、元々彼がよく料理をしていた
ということだ…アシで出雲さんの所へ
通っていた時いつも作っていた食事。
それを美味しそうに食べてくれる彼女。
千石と晴海がお互い成長し合える関係
になりつつあるように、この2人もお互い
支え合うことで成長していける仲なん
じゃないかな~と、思えるお話でした。

愛梨はお姫様になるのが夢だった。
でもそれを、園の純くんという子に
否定されバカにされてしまったのだ。
自分はお姫様にはなれないんだと
ひどく落ち込んだ愛梨だったけど…
「お姫様な、馬鹿にする奴がいたって関係
ねーよ。お前がなりてーなら頑張れ。」
庶民だからなれない…そう言われた愛梨。
でも決して簡単ではなくとも100%無理
という話でもない。外国に行って王子様と
結婚すれば、愛梨はお姫様になれるものね。
現実離れした夢ではあると思う。
それでも、本気でなりたいのだと
憧れている夢を否定せずに、手段を
教える、あとはお前の頑張り次第。
そんなふうに言ってくれる親はきっと
そう多くはないんじゃないだろうか?
親が応援してくれる存在であるのは
子供にとって大きな支えになるだろう。
無難な所、将来安定する所‥そういう
道に進ませようとするのはきっと間違い
なわけではないと思うけど、子供の夢を
応援できる親ってやっぱすごいと思う。
私もいつか子を持つようになったら、
千石や晴海のような親になりたい。

愛梨のことも傷つけた純くん。
今度はみつきちゃんや清一郎に
喧嘩をふっかけてきたのだが…
前の日もみつきちゃんはいじわるを
されていて、それを止めようとした
清一郎はとても不機嫌になっていた。
「…いじわるするこでも
なかよくしなきゃダメ?」
そう尋ねる清一郎に、千石は無理する
必要はないと話した。それでも、清一郎が
仲良くしたいというなら話は別だが…と。
「嫌なもんは嫌って言え。」
前に比べて清一郎が強気な態度にも
出られるようになったのはきっと、
千石の存在があったからだろうな。
元からの優しい性格に、正義感が
芽生えて…将来有望だわ清一郎(笑)
さて、話は純くんに戻りますが…
好きな子をいじめたがる子いるねw
でもほんと、気を引きたいのなら
もっと他の方法考えるべきだわね。

「…ぼく、ピーマン
食べれるようになりたい。」
純くんとの一件の後、清一郎は突然
そんなことをいい出したのだった。
ピーマンが苦手なことで、それを許して
いる親を否定する言葉をかけられた。
清一郎が克服することを決意したのは
大好きなパパを否定されたことだった?
ほんと…清一郎いい子すぎて泣ける。
男の子って、こうやって守りたいものを
守るために少しずつ強くなるのかもね!!

「…っに、がくない…。」
無事ピーマンを克服!!
きっとまだ、料理によっては苦手
意識が強くて食べられない時も出て
くるのかもしれないけれど、こう
やって少しずつ成長していけたらいい。
「好き嫌いとか誰にでもあるだろうし、
別に無理して食わさなくてもいいか
って最近思ってたんだけどでも、
あいつらが食いたいって言うなら絶対
うまいもん食わしてやりてえじゃん。」
こんなふうにいろいろ考えてくれる千石や
晴海の…父親の力を借りながら、清一郎も
愛梨も少しずつ大きく成長していけばいい!!
そしてそんな子供達の成長を見て、きっと
親だって人として成長していくんだろう。
~ひとこと~
7巻でした~!!
お久しぶりでしたね☆
一先ず、今回も美味しそうなレシピと
とても素敵なストーリーでお腹がすき
ましたがめっちゃ癒やされた巻でした。
次巻では、千石と晴海がルームシェアを
初めた理由…は軽く明かされていたけれど
細かなきっかけ等が明らかになるかも??
まだ次巻は大分先になるかもしれませんが、
またお付き合いいただけたら嬉しいです。