パパと親父のウチご飯 第5巻

著:豊田悠 先生

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元嫁・涼子からの留守電を聞いて
自分が、自分達が責任を持って
この子達と幸せな家族を作るんだ
と決意はするものの、子供のため
には本当はどうするべきなのかと
悩み続けていた晴海…そんな時、
清一郎と愛梨の描いた絵を見に
展示されている博物館に来ると、
そこには涼子とその彼氏がいた。

その彼は保岡といって、社長を
している一らしい。正直言って、
彼からは悪い印象しかなかった。

涼子さんは…まあ浮気したのは
彼女だし問題はあったけどもそれ
には晴海にだって原因はった。
母親としてはきっと素敵な人
なんだろうなって印象は受けた。

でも、この保岡って人の方は
どうにも…仮に清一郎を手放し
彼らのもとで育てることに
なったとしても清一郎を幸せに
出来るとは到底思えなかった。

お金で物事を解決しそうと
いうか…何より愛情を注いで
育てようとしうタイプには
どうしても見えなかったから。

…見た目は怖いけどとても優しい
表情をする千石より、優しそうな
雰囲気で近づいて恐ろしい表情を
する保岡のがよっぽど危ないわ。

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ある時、突然の涼子からの電話。

「今、清一郎と一緒にいるの。」

清一郎を見たくて、幼稚園を覗きに
行ったら、清一郎が自分の所に行く
と言ってきた…と連絡が来たのだ。

その日清一郎は母親の元に泊まる。
そして、それを訪ねた晴海に対し
今はいい(会わない)と追い返した
のはまさかの清一郎の方だった。

この時点では清一郎の行動の真意は
わからない状態だったけど、ただ、
涼子とも一緒に料理をしたいのかな
って感じだけは伝わってきていた。

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その後も、清一郎は帰ってこない。
ある時、博物館に展示してあった
絵のテーマを知った晴海はある
可能性を考えて涼子の元を訪ねた。

『ぼくの、わたしたちの夢』

愛梨はお姫様だったw
そして清一郎は、前に愛梨と
晴海、千石と一緒に行った
陶芸教室の絵…描かれた人の
中に、誰なのかハッキリと
わからない存在が1人いた。

それは、涼子なんじゃないかと。

そこで清一郎には会わせて
貰えなかったけど、涼子とは
改めて話をすることが出来た。

そこでわかったことはただ、
清一郎が心配だったということ。

近所からの評判はきっとまだ
相変わらず悪いものも多い。
彼ら親子を本当の意味で知って
理解してくれてる人の方がまだ
少ないんだろうと思う。その、
見た目やイメージでの悪い噂を
聞いて、あとは以前の千石が以前
家に帰ってこれなかった日の話を
清一郎から聞いて、いろいろと
不安になってしまったらしい。

それを保岡に相談したんだそうで、
まあ…そんだけ聞けばああいう態度
にもなってしまうもんなんだろうか。
とはいえ、極端に感じたけど。

そんな心配を取り除いて安心して
貰うためにと、晴海は涼子を家での
食事に招いた。清一郎と一緒にと。

予定より少し早めに来た2人。
まだ出来上がっていないご飯。

「ぼくてつだう!ママもてつだって!」

ご飯がまだ出来ていないことに
清一郎は目を輝かせてそう言った。

みんなで作ったご飯をみんなで
食べる。そこで清一郎が言い出す。

「じゃあこれでケンカおわり?」

「みんなでごはんつくったから、
これでなかなおりだよね。」

自分と愛梨は、一緒にプリンを
作ったことで仲直りできたから。

清一郎はパパもママも大好きだから
早く2人に仲直りしてみんなで一緒に
いられるようになりたかったんだね。

でも、もうそんなふうにはなれない。
2人の離婚原因は涼子の浮気で、それを
晴海は許すことができなかったから。

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清一郎は、このまま晴海達の元で育てて
いくことで話が決まった。今まで通り、
清一郎が会いたがる限り涼子と清一郎を
会わせるということも、改めて決めた。

しばらくの間、清一郎はとても寂しい
思いをひきずっていくのかもしれない。

それでもこれから、家族みんなで過ごす
楽しい時間、幸せな時間の中で少しずつ
成長して、大人になって自分で乗り越えて
行けるように願って頑張るしかないね。

今、こういう形で家族になったのが
千石と愛梨とで良かったなって思う。
なんだかんだ行ってお互い信頼してて
お互い支え合って生きていけてるから。

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ここ最近は、海外での仕事が
忙しい真希ともメールくらいは
連絡がつくようになっていた。

そんな真希から連絡が来る。

「帰国日の事で話があるの、
終末に電話できない?」

この連絡をきっかけにして、
千石は本来の約束を思い出す。

仕事で海外に行く必要がある
から、その間愛梨を預かると
いう話だった。真希が帰国
したら愛梨は…自分の元から
離れていってしまうんだと。

「(俺に出来ることは、
今ここにいる間愛梨を
笑顔にすることだけだ。)」

とても寂しく感じているのは
事実、でもそういう約束だと
自分を割り切らせようとした。

それまでの間に少しでも愛梨の
ために出来ることをしようと。

苦手だと思った、それでも自分と
真希の子。自分の子だからと愛梨
を預かることを了承した千石だった。

今は、もう愛娘って感じだよね。
可愛くて大切で仕方ないんだろう。

すごく寂しいけど、覚悟しないと
って…思っていたんだけども…

「ほんっとうにごめん!!春休み
には一度帰れるはずだったんだ
けど、スタッフが急に入院して
帰れなくなっちゃって…!!」

わーおww

千石からしたら、もしかしたら
少し安心してしまったかもな。
いつかは、また考えなければ
いけないことだと思う。それ
でもまだ、愛梨と共にいられる
時間を過ごしていけそうだね。

愛梨はまたしばらくママお預けか。
それにしても、もしかして千石と
真希って今みたいに真希が仕事に
熱心にあちこち飛び回るからって
遠距離を理由に別れたとかそういう
理由だったりするのかなって思った。

もしそうだとしたら、いつかより
戻して結婚、本当の親子にって
ことも可能なのかもしれないと
思ってしまった。そうなったら
今度は晴海と清一郎とは一緒に
いられなくなるなとも思うけど。

…どんな展開になるんだろうか。

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愛梨がママに会えないとすねて
しまったこともきっかけになり、
4人で晴海の実家にやってきた。

父親とも改めて話す覚悟をして
やってきたのかもしれない。

その先で、牧場に遊びに来た4人。

まだママとパパは仲直り出来ない
ってことに傷つき引きずったまま
の清一郎はつい愛梨にやつあたり。

そしてそれを反省して落ち込む。
自分の感情をどうしたらいいのか
分からなくて困ってるんだろうな。

寂しい、でもどうにも出来ない。
それに気付いた晴海は、少しずつ
でもそれを軽くしていける方法を
必死に探している最中かもしれない。

以前愛梨が、清一郎には内緒と言って、
晴海に話してくれたことがあった。

愛梨と千石を見て、羨まし
がってるようだったって。

出来ることから…きっと今の状況で
仕事を辞めるようなことは出来ない。
早く切り上げて帰れるような仕事
でもないんだと思う。それでも、
今清一郎のために何が出来るか、
晴海は見つけられたら良いね。

そして、2人で一緒に成長して
いければいい、そう思った。

~ひとこと~

一応5巻はいい感じで終わりました。
4巻の栗山さんの話の頃から、包丁
を持てないことを克服するためにと
子供用の安全包丁を買っていた晴海。

5巻で涼子が家に来た時にご飯を
作る際、一生懸命それを使っていた。
まだきっと怖いだろうけど、そう
やって少しずつ大丈夫になってく。

そして家族とのこともきっと。
6巻は少し先になりそうです。
まだまだこれから問題はたくさん
出てきそうだけど、みんなで乗り
越えていけたらいいって思います。