著:安藤ゆき 先生

「うち家族らしい家族じゃない
って言ったでしょ。だから家族
がほしいなって。両親にはもう
家族らしさなんて望んでないから
新しい、あたしの家族がほしい。」
進路の話なんかを始めるクラスメイト。
そんな会話の中で、猪原さんは何か
将来の夢とは違う願いがあると話して
いたのだった…その内容がこれだった。
願いか…彼女にとっては、ほんとに
何より強い願いなのかもしれないね。

町田くんの新しく出来た友達は、
同じ学校の隣のクラスの女子生徒、
ひかりの父親だった‥名は健一さん。
「大事にしたい、守りたい。
父親が娘に思うことなんて
それだけなんだけどな……。」
彼らの間にある問題に、また少々
でしゃばることで解決へのきっかけ
を作ることになった町田くん。
結果オーライだったけれど、そんな
彼ら父娘と関わったことで町田くんの
願いというものも浮かぶようになる。
一人でも多くの人…その中でも
きっと猪原さんの笑顔ってのが
結構大きな願いな気がしている。

ここ最近は、気がつくと町田くんの
視線は猪原さんのきれいな手に向く。
無意識のようだったけれど、触れて
みたいという思いは自覚してるらしい。
あのきれいな手に…ということだけど。
恋してるようなきがするんだけど、
町田くんはその自覚はないままかな?
まあ恋でなくとも、自分の彼自身が
誰かのためではなくこうしたいと
思えることが出てきたんだもの。
きっとこれから町田くんは今までは
知らなかったいろんな感情を少しずつ
知っていけるんじゃないかなと思った。
そしていつかは恋も…知れるかな?

ひなたくんとニコ、ひなたくんの
いとこの大学生、歩くん…そして
そこに町田くんと猪原さんが加わり
キャンプに行くことになった…そこ
であったお話を紹介しましょう。
歩くん、あまり良く喋る人では
ないようなんだけど、気が効いて
とても優しい人だという印象の彼。
そんな彼の兄、貴大くんは幼馴染の
彼女と結婚が決まってるのだという。
歩くんは‥その兄の彼女のことを
ずっと好きでいるのかもしれないね。
「すごくきれいな人なんだ。ただ、
幸せであってくれればそれでいい。」
そんなふうに兄の彼女のことを話す歩くん。
触れてはいけない存在…それに比べて、
町田くんが触れてはいけないと思った
猪原さんの手は…きっと触れていい。
今はまだその勇気がないだけ。
踏み出してみるのが怖いだけかも
しれない。…歩くんの思いや言葉で、
町田くんは何か行動に出るんだろうか。

町田くんが通う学校に教育実習で
大学生の美輪先生がやってきた。
何をするにも失敗ばかりだけど、
手先は随分と器用でピアノを弾く
彼女の手はとてもキレイだった。
そんな彼女の手に触れたのだけど、
何か違うって思ったのかもしれない。
理由にまでは気付いてないかもしれない。
それでも、猪原さんがいいんだって、
猪原さんに対して他とは何か違う
感情があるってことには気付いた?
いろんな人と会って、いろんな経験を
して、町田くんは少しずつ新しい何か
を知っていってる…ゆっくりでいい。
頑張れ、そうやって、知っていこう。

「学生の頃からの友達でね。ずっと
ただの友達だったんだけどある時
突然恋に落ちちゃって、ドキドキ
しだして止まらなくなってね。」
ある時、ちょっとした買い出しで
30分で戻るからと家を出た町田くん。
その家に残されたのは猪原さんだった。
実際に家を出てから帰るまでに
かかった時間はまさかの2時間。
携帯は家に置いてきてしまって、
2時間の間は…簡単に言えば人助けを
していた時間だった。相手は母親の
ママ友さんの1人だったのだけど、
子育てに随分疲れている様子だった。
その人のなくしものを探したり、
話を聞いていたりで2時間も経過…。
随分と心配をかけてしまったらしい。
猪原さんは町田くんに抱きいてきた。
するととたんにドキドキが…??
上の言葉は、2時間の間に話を
していたママさんが、旦那さんとの
ことを少し話してくれた時の言葉。
町田くん…恋を自覚するのも遠くない?
~ひとこと~
6巻でも、相変わらず町田くんはとても
素晴らしい人だなと感じていました。
そんな中で、変化していく彼の思い。
猪原さんへの思い…『恋』への認識。
もう少しかかるのか、わからないけど
一先ず、心配かけすぎちゃった猪原さん
をちゃんと安心させてあげて下さいね♡w
町田くんが恋を自覚してテンパったり
するというならそれも見てみたいけど←
…また次巻が待ち遠しいですね~!!