著:安藤ゆき 先生

町田くんがものもらいになった。
眼科にいて眼帯をつけるように
なった町田くんでしたが・・・
眼帯のせいなのか片目のせい
なのか、遠近感がつかめず
ことごとく色々失敗ばかり。
物を拾おうとして女性の
手を握ってしまったり、
手を借りようとして衝突
してしまったり…この後で
栄さんにも衝突しましたw
それにしても、猪原さんきっと
嬉しいのとびっくりで腰抜かした
のだろうか…可愛いよねこの子w

「片眼を閉じると、世界は
少しその見せ方を変えた。」
眼帯をしていることで明らかに
調子が出ない町田くんに対して、
家族や友人、様々な人達が彼の
力になろうと優しくしてくれた。
いつも人を愛し、人を思って
いろんなことをした町田くんに
お返しをするようにたくさんの
愛情が返ってきたように感じた。
見返りなんて求めていない、
心からの愛情で示した行動は
自分が困った時に返ってくる
ものかもしれないと思えて、
なんだか心が温かくなった。

彼は桐谷育くん。町田家次男の
ミツオの同級生の男の子だそうだ。
彼の姉(17歳)が町田に恋をしたので
事前調査をしに町田家にやってきた。
すぐ人をバカにした発言をして、
クラスの子からは性格が悪いと
言われ、自分でも自覚していた。
でもそんな話を聞いても、ミツオは
全く気にしていない様子だった。
これは、さすが町田弟という所か。
実際町田を見た時、偶然成績が
悪いことを知ってしまうと…
「バカの遺伝子…。」
町田とミツオに対する言葉だった。
そんな育に対して、怒るでもなく
優しく諭すように話した町田くん。
ほんと…キミは大人だよ町田くん。
彼の言葉で、育は何かに気付けるか…?

町田と偶然公園で会って、育は
ミツオを褒める言葉を並べた。
「あいつは、いいやつだ。
噂話に惑わされないし、素直で
相手を肯定する気持ちを持って
いる。バカだけど、すごいやつだ。」
そして、もう遊びに行かないと話した
理由、自分の性格が悪いから人と
仲良くできないなんていう内容だった。
育の話を聞いて、バカと言ってしまう
本当の理由に気付いた町田は、きっと
本人すら気付けていなかった育の本当
の思いを代わりに口にしてくれた。
町田家、今まで町田とニコ、ミツオの
3人の兄弟の話が出たけど、3人共
すごくいい子たちだなって思った。
母親も叔母も最高の子育てしたわw
そして育もとても優しい子だった。

サラリーマンの吉高さんという人。
彼は世の中の風当たりの強さに
心底うんざりしているような彼。
付き合っている彼女は冷めた目で
自分を見てくる。会社では女性に
モテる吉高さんを寝たんだ男性からの
嫌がらせのような罵声を浴びせられる。
他にも不幸に感じることが多数・・・
女兄弟の間で育ったことで、女性と
一緒にいた方が楽だと感じて会社
でも女性と一緒にいることが多い
彼だったけど、それはそれで女性
特有の嫌な空気にもなり得る空間だ。
どこでもそんなもんだと私は感じる。
全員が全員とは思わないけれど、
そういう人達に反論することもせず
テキトーに合わせるのが平和の秘訣!?
なんて思いながら生活しておりますが…
まあ、きっと吉高さんも似た感じで
過ごしてきたのではないだろうか。
ほんと、生きにくいね。

ただでさえ生きにくい世の中で、
終いに彼女にきつい言葉を浴びせ
泣かせてしまい、逃げられてしまう。
そんな時電車で見かけた町田くん。
一緒にいた女の子(猪原さん)は
突然泣き出して電車から降りて
行ってしまった。自分が何かして
しまったかとあたふたする町田くん。
でもその後ハッとして立ち上がって、
ご老人に席を譲ったのであった。
「(かっこいいな、マチダくん。)
(俺は、周囲を気遣う
余裕なんてなかった。)」
偶然見かけて偶然名前を知った
だけの少年を見て、今まで気付け
なかった自分の落ち度に気付く。
町田くんは、赤の他人様の心の
闇までもきれいに浄化したようだw
人に対して不満を持つ人は多い。逆に
持たない人の方が少ないと思う。
それでも、自分こそ思いやりを
持って相手に接しれているかを
再確認していかないといけない
と、考えさせられるお話だった。
~ひとこと~
町田くんの世界は、とても
優しいものに感じる。それは
彼自身がすごく思いやりの
ある優しい人だからだろう。
相手に思いやりを求める前に
自分が相手を思いやることから。
昔誰かの歌でそんなの言ってた
きがするなーと感じる言葉が、
この物語には結構出てきてます。
考えさせられて、町田くんは
本当にすごいと感じる反面、
自分にはこんなにも落ち度が
あったと気付かされること多数。
彼のように…というのは自分には
大部ハードルが高そうだけれど、
人を思いやれる人にはなろう。
そう、考えさせられました。