著:くずしろ 先生

兄の四十九日も終わった頃、
義姉は家を出ていってしまう
だろう…そしたらまた独りだ。
仕方がないんだ…でもまた独り
になってしまうのは寂しい。
こんな理由で希さんを縛って
おくなんてことはしちゃダメ。
そんなふうに、ひたすら自分に
言い聞かせていた志乃だった。
でも、希さんから出てきた言葉は
志乃にとって都合の良すぎる話。
希さんが何を思ってこれを決断
したのかはわからない…それでも、
こうして2人の生活は始まった。
…兄が生きていた間、たったの
1年間兄夫婦と一緒に生活してた
だけの繋がりと思っていた志乃。
それでも幸せだったんだろうな。
失うの…怖かったんだろうな。
志乃…ほんとよかったと思った。

家にGが出ましたw
慌てふためく志乃に対して、
冷静に…でもすごく怖い顔で
Gを追い詰めようとする希さん。
あまりの気迫に軍曹→少佐
と心の中で呼んだ志乃です。
希さんは虫が平気なんだ~と
思った志乃だったけど、そう
いうわけではなかったらしい。
「え?平気じゃないよ。
キライキライ大っ嫌い。」
そんなふうに話す希さんは、
1人じゃないから出来ると話す。
「自分一人だったら逃げちゃう
けど、誰かのためって思ったら
どんな嫌いなものでも頑張れるよ。」
志乃がいるから、志乃のため
だからって頑張れるんだね。
それはスゴイことだと思った。
でも、そういうのいいなって。
…結局、この後Gを捕まえたのは
志乃でも希さんでもなく猫だったw
口に咥えて持ってきましたとさw
この日を境に、今まで名前の
なかったこの猫に名前がつく。
『大佐』
この家で1番階級が上なんだとw

三者面談があるという志乃。
希さんに気を使ってそれに
来てくれるようにお願いする
ことが全然出来ずにいた志乃。
何でも話して欲しいと思いつつ
自分でも気を使わせたくないから
と自分の話をあまりしない希さん。
お互いそんな状態で、お互いが
お互いに気を使ってしまってた。
三者面談前日になって、ある
きっかけからようやく話を
することが出来た志乃だった。
「迷惑だったらどうしようって
…でも結果もっと迷惑かける
事になって…ごめんなさい…。」
不安そうに話す志乃に対して、
希さんは優しく暖かく伝えた。
人ってさ、やっぱ気を使うよね。
それが兄(旦那)の死で複雑な
感じになっちゃった2人なら
余計に気を使っちゃうだろう。
話をすればいい。どうでもいい
ことも大事なことも…話したい
ことがあるなら、悩みがあるなら
たくさん話しをしてみればいい。
こんな感じで少しずつでも2人の
溝が埋まっていけばいいと思う。

夏祭りの時期になりました。
今年も(?)志乃は仲のいい
みなとと翔太郎と行くことに。
そこで突然希さんが言い出す。
「着よっ!!志乃ちゃん、浴衣!」
今まで着る機会もなかったし
この先もないだろうと話す
志乃に浴衣をごり推す希さんw
貸してくれたのは、希さんが
高校生の頃に来ていた浴衣。
兄と夏祭りデートをした時。
そんな大事な思い出の浴衣を
他人に着せちゃ‥なんて思った
志乃だったけど、希さんはそれ
とは全然違う方向に考えていた。
兄との思い出…確かにそうだった
かもしれないけど、希さんは今
目の前にいる義妹を見てくれてる。
今と向き合って生きてるんだよな。
妹との生活を楽しもうとしてる。
事実、楽しんでくれていたんだ。
志乃だって…嬉しかったろうな。

翔太郎が、志乃の浴衣に
めっさ照れてる気がする。
恋とかそんな描写あった?←
ちょっとだけそんなことを
考えてしまったシーンですw

(私の中で希さんは出会った時から
ずっと兄貴の隣りにいる人だった)
でもこの時のお祭り、希さんの
隣を歩いていたのは知らない男。
この日、希さんは先生としての
見回りのお仕事でお祭りに来てて
彼の正体は学校の先生なんだけど…
そんな光景に酷く動揺した志乃。
この時一体何を思ったんだろう。
~ひとこと~
相変わらずぎこちない
所も多い姉妹ですが、それ
でも2人で今を生きてるな~
と感じて少し安心してます。
特に希さん、大好きな人を
失ってとてもつらいだろう。
そんな中でその妹との生活。
それをとても楽しそうに。
まだまだお互いに気を使う
状況は出てきちゃうかも
ですが、これからも少しずつ
姉妹として仲良くやってけたら
いいな~と心から願います。