兄の嫁と暮らしています。 第2巻

著:くずしろ 先生

兄の嫁と暮らしています。2-1

兄の四十九日も終わった頃、
義姉は家を出ていってしまう
だろう…そしたらまた独りだ。

仕方がないんだ…でもまた独り
になってしまうのは寂しい。
こんな理由で希さんを縛って
おくなんてことはしちゃダメ。

そんなふうに、ひたすら自分に
言い聞かせていた志乃だった。

でも、希さんから出てきた言葉は
志乃にとって都合の良すぎる話。
希さんが何を思ってこれを決断
したのかはわからない…それでも、
こうして2人の生活は始まった。

…兄が生きていた間、たったの
1年間兄夫婦と一緒に生活してた
だけの繋がりと思っていた志乃。

それでも幸せだったんだろうな。
失うの…怖かったんだろうな。

志乃…ほんとよかったと思った。

兄の嫁と暮らしています。2-2

家にGが出ましたw
慌てふためく志乃に対して、
冷静に…でもすごく怖い顔で
Gを追い詰めようとする希さん。

あまりの気迫に軍曹少佐
と心の中で呼んだ志乃です。

希さんは虫が平気なんだ~と
思った志乃だったけど、そう
いうわけではなかったらしい。

「え?平気じゃないよ。
キライキライ大っ嫌い。」

そんなふうに話す希さんは、
1人じゃないから出来ると話す。

「自分一人だったら逃げちゃう
けど、誰かのためって思ったら
どんな嫌いなものでも頑張れるよ。」

志乃がいるから、志乃のため
だからって頑張れるんだね。
それはスゴイことだと思った。
でも、そういうのいいなって。

…結局、この後Gを捕まえたのは
志乃でも希さんでもなく猫だったw
口に咥えて持ってきましたとさw

この日を境に、今まで名前の
なかったこの猫に名前がつく。

大佐

この家で1番階級が上なんだとw

兄の嫁と暮らしています。2-3

三者面談があるという志乃。
希さんに気を使ってそれに
来てくれるようにお願いする
ことが全然出来ずにいた志乃。

何でも話して欲しいと思いつつ
自分でも気を使わせたくないから
と自分の話をあまりしない希さん。

お互いそんな状態で、お互いが
お互いに気を使ってしまってた。

三者面談前日になって、ある
きっかけからようやく話を
することが出来た志乃だった。

「迷惑だったらどうしようって
…でも結果もっと迷惑かける
事になって…ごめんなさい…。」

不安そうに話す志乃に対して、
希さんは優しく暖かく伝えた。

人ってさ、やっぱ気を使うよね。
それが兄(旦那)の死で複雑な
感じになっちゃった2人なら
余計に気を使っちゃうだろう。

話をすればいい。どうでもいい
ことも大事なことも…話したい
ことがあるなら、悩みがあるなら
たくさん話しをしてみればいい。

こんな感じで少しずつでも2人の
溝が埋まっていけばいいと思う。

兄の嫁と暮らしています。2-4

夏祭りの時期になりました。
今年も(?)志乃は仲のいい
みなとと翔太郎と行くことに。
そこで突然希さんが言い出す。

「着よっ!!志乃ちゃん、浴衣!」

今まで着る機会もなかったし
この先もないだろうと話す
志乃に浴衣をごり推す希さんw

貸してくれたのは、希さんが
高校生の頃に来ていた浴衣。
兄と夏祭りデートをした時。

そんな大事な思い出の浴衣を
他人に着せちゃ‥なんて思った
志乃だったけど、希さんはそれ
とは全然違う方向に考えていた。

兄との思い出…確かにそうだった
かもしれないけど、希さんは今
目の前にいる義妹を見てくれてる。
今と向き合って生きてるんだよな。

妹との生活を楽しもうとしてる。
事実、楽しんでくれていたんだ。
志乃だって…嬉しかったろうな。

兄の嫁と暮らしています。2-5

翔太郎が、志乃の浴衣に
めっさ照れてる気がする。

恋とかそんな描写あった?←
ちょっとだけそんなことを
考えてしまったシーンですw

兄の嫁と暮らしています。2-6

(私の中で希さんは出会った時から
ずっと兄貴の隣りにいる人だった)

でもこの時のお祭り、希さんの
隣を歩いていたのは知らない男。

この日、希さんは先生としての
見回りのお仕事でお祭りに来てて
彼の正体は学校の先生なんだけど…

そんな光景に酷く動揺した志乃。
この時一体何を思ったんだろう。

~ひとこと~

相変わらずぎこちない
所も多い姉妹ですが、それ
でも2人で今を生きてるな~
と感じて少し安心してます。

特に希さん、大好きな人を
失ってとてもつらいだろう。
そんな中でその妹との生活。

それをとても楽しそうに。
まだまだお互いに気を使う
状況は出てきちゃうかも
ですが、これからも少しずつ
姉妹として仲良くやってけたら
いいな~と心から願います。