心霊探偵八雲 第13巻

著者
原作:神永学 先生
作画:小田すずか 先生

心霊探偵八雲13-1

悩み、自分の存在を責め続ける
八雲の元に現れた両眼の赤い男。

「八雲よ、ついてこい。お前の
進むべき道、教えてやろう。」

その言葉に、救いを見出しかけた
八雲は男についていこうとする。
その時ふと携帯電話が鳴った。

「そんなもの捨ててしまえ。煩わしい
関わりを生みそれが迷いに変わる。」

捨ててしまおうと思った時、
どこからか聴こえてきた声に
ハッとし確認すると、晴香が
八雲を心配して送ったメール。

「会いたい」

この時彼は赤い方の目に痛みでも
感じたのだろうか…ふと片目を
多い前方を見る…何かに気付いた
様子だった。それは一体なんだ??

この男…実は人ではないのかも。
もしかすると、霊のような…
なーんて思えてしまったのだけど
実際の所はまだ何もかも謎だらけ。

でも迷い苦しみ続けていた八雲の
目つきが、ようやくまっすぐと
前を見据えたような気がした。

心霊探偵八雲13-2

会いたいと八雲にメールを
送ったその日だったろうか。

晴香は、八雲がいつもいた
部室に入り八雲を待っていた
らしい…そのうち寝てしまった
ようだ。晴香が目を覚ますと
目の前には確かに八雲がいた。

それもいつもの様子で、まるで
何もなかったかのような態度。

ずっと怖かった、不安だった。
そんな気持ちが爆発した晴香。

絶対に許さない…なんて言ってさw
するとどうすれば機嫌を直すかと
言葉を返してきた八雲に対して…

「二度と私に許可なく
どっか行ったりしないで…!」

そう、涙しながら叫んだのだった。
晴香はいつもまっすぐに八雲に
接し立ち向かって伝えてくる。

そんな彼女の存在に、八雲は
すごくすごく支えられている。

そして今回も…八雲がちゃんと
またここに戻ってこられたのは
他でもない晴香のおかげだった。

心霊探偵八雲13-3

脳死状態になると自発呼吸も
考えることも感じることも
出来ない状態になってしまう。
それでも八雲は信じていた。

「叔父さんの魂はまだあそこ
にある。ぼくはそう思ってる。」

八雲はまだ諦めていなかった。
一心さん、そのドナー登録をして
いたようなのだ。それで家族の
了承を得るため八雲が呼ばれた。

簡単に諦められるものではない。
八雲は…どうするつもりだろう。

心霊探偵八雲13-4

石井は拘置所から七瀬の面会履歴と
連絡を撮った形跡として手紙の
コピーを貰ってきていた。その手紙
に書いてあったのは、フロイトの言葉。

「あらゆる生あるものの
目指すところは死である。」

これが何かの暗号かもしれないと
考えた石井だったが、この手紙を
八雲たちが見ることになることや
暗号を解読されてしまうことなど
狡猾な七瀬は見越していたはずだと。

そして問題はこの手紙の受取人。
記載された住所に張り付くとそこに
返ってきたのは病院の看護師の古川。

七瀬が手紙を出した相手。
古川という看護師だった。

心霊探偵八雲13-5

榊原医師(画像の男性)に臓器移植
の話をした時、臓器移植に否定的
な晴香に対して彼は酷く歪めた
表情を見せてこう話してきた。

「移植しなければ死んで
しまう子供がいるんです。」

そしてそのあと古川さんから聞いた
話で榊原医師は娘のことでいろいろ
大変…ということを教えてくれていた。

この少女は佳子ちゃん、この病院の
入院患者のようだったのだけど、
もしかしてこの子が榊原医師の娘?

だとしたら…榊原医師の言っていた
移植を受けなければ死んでしまう
子供というのは佳子だったりする?

「治療は辛いか?もう少しの辛抱だ。」

八雲は佳子に、そう言った。
もう少しで…何が変わる??

ある時八雲は噂の幽霊と会話を
していた。何かを探して彷徨って
いるらしく、そんな霊に向かって
八雲はとても悲しそうな表情を
見せているように思えた。もし
この霊が探しているのが臓器なら
…早く死ぬことを願うというのも
辻褄が合ってくるんじゃないか?

この幽霊は…佳子に移植する
臓器を探し回っているのか?

心霊探偵八雲13-6

八雲は晴香にある頼みをした。
それは新井の身辺調査をして
ほしいということ。そこで
晴香が話を聞いたのは医師の
榊原先生と看護師の古川さん。

榊原医師からは…

欲言えば情が深い人。
昔のことをあまり話したがらない。

古川さんからは…

口煩いけど面倒見のいい人。
男運が悪くて苦労している。
いい人すぎるから騙される。
恋人に金を持ち逃げされた。

そんな話を聞いた。新井は、
ずっと一心に憧れていたと
涙しながら言っていたことが
あったから、古川の話の彼女は
イマイチ想像出来ない晴香だった。

その後、八雲は新井と話をしに行く。
呼吸停止状態にあったという情報。
これについて再確認をした八雲に、
彼女は随分戸惑った表情をして見せた
ように思える…何か隠しているのか?

この両者の証言が正しいというなら、
救急車から手術室までの間に何か
あったのかもしれない…もしかすると
一心さんは意図的に脳死させられた
なんて可能性も出てくるのかな??

最後に臓器移植の件に返答し、
八雲はその場を後にした。

「絶対に同意しません。
叔父さんの魂はまだ生きている。」

心霊探偵八雲13-7

「ここから解放してくれたら
教えてあげてもいいわ。」

八雲からの入れ知恵によって
後藤さんと石井が演技をした。

切羽詰まった様子で手紙の暗号を
教えろと言う。すると七瀬は教える
条件として拘置所からの開放を提示。

一心さんを自らの手で刺しに行った
のなら拘置所から開放されることも
容易いことだろう。結果的に彼女は
自分で拘置所から一歩も出ていない、
正確には出ることが出来なかったと
認める発言をしてしまったのだ。

最後に八雲からの伝言を伝える。
すると、七瀬は今度は八雲を殺す。

そう…予告してきた。

今回の事件は恐らく他の何者か…
あくまで私の推論だが看護師の古川、
医師の榊原、新井、この3人だろうか。
どういう形でかははっきりしないが、
何かしら関わりがあると私は思ってる。

さて…今度は一体何をする気だろう。

~ひとこと~

一心さんの事件を捜査する中、
八雲に相談してみれば新たな
意見をもらうことになった石井。

・トラップ説
・拘置所抜け出し説

どちらも大きな問題があり実現
させるのは難しいと話した八雲。

じゃあ一心さんを刺したのは誰?
一体何のためにあんなことをした。
まだまだわからないことが多い。

でも七瀬と繋がる人物の存在が
少しずつ出てきた…それに何か
隠している様子の人の存在もね。

次巻で最終巻、どんな結末が
待っているというのだろうか。