心霊探偵八雲 第12巻

著者
原作:神永学 先生
作画:小田すずか 先生

心霊探偵八雲12-1

この話を聞いた八雲はこの
看護師の話に違和感を覚えた。

多分こういうことだろうか。

その幽霊を見たのは患者の彼。
そしてその直後に階段から足を
踏み外して結果亡くなってしまう。

じゃあ…一体誰がこれを見たんだ?
この看護師は見ていたというのか…?

実際、そういうことだった。そこで
転落死した青年の言葉をなぜ看護師が
知っているのか…と八雲は話していた。

八雲の言うには…その古川という
看護師の話だが、まだ出来て半年の
病院なのにそんな短期間で何人もの
人が不可解な死を遂げているという。
そんな事態で管理責任を問われても
おかしくないのにニュースにすら
なっていない…古川は真に受けている
ようだが、これは単なる噂話だ、と。

一心さんの知り合いからの相談で
一心さんからの依頼だが、一心さんも
知り合い・医師の新井さんも今回の
心霊現象を信じていていないとか…。

心霊探偵八雲12-2

後藤さんたちに自分を殺すと
いう七瀬の殺人予告を聞かされ、
全てわかっていたかのような
態度をとったように感じた。

そしてずっと八雲のことだけを
思い守ろうとし続けていた。

日課として、一心さんは座禅を
組む時一人になる…その時を
狙ってやってきたようだった。

殺気…それは憎しみではなく、愛?
一心さんはこの後ナイフで刺される。

(ここで殺されるのも運命―
…最後にもしも願いが叶う
のなら、奈緒、八雲…お前
達に会いたかったよ―。)

抗うこともせず、受け入れた?

心霊探偵八雲12-3

一心さんの手術は一応成功。
だが現状自発呼吸も出来て
いないような厳しい状況だ。

殺人予告を聞いた時、彼は後藤
さんに言っていた。もしそう
なったら、八雲と奈緒を頼むと。

奈緒を預かることにした後藤さん。
そして集中治療室をガラス越しに
見ていた彼らの目の前に現れる、
噂の幽霊…?患者の死を願う言葉。

もっと早く死ねばいいとでも
言いたいのかしらこの子は。

…噂と言っていたけど、やっぱり
ただの噂ではないのだろうか。

心霊探偵八雲12-4

ある日の拘置所内。
七瀬はこう口にする。

「私はたった今…人を殺した。」

その日、刺されたのが一心さん。

後藤さん達と七瀬の面会以降かな?
密かに調べていたことがあった。
面会に立ち会った刑務官の経歴。

山村幹夫という男…そして
彼の住所に着目した石井。

その場所は、15年前に事件の
あったあの洋館と100メートルも
離れていない場所だというのだ。

幼少期の七瀬となんらかの接点
があった可能性もあるということ。

更に調べていくと、七瀬が人を
殺したと言った時の話なんだが、
彼女は独房で吐血したらしいのだ。

その後の様子から、彼女が拘置所を
抜け出し一心を刺した可能性が出る。
それは、可能なことなんだろうか?

でも一心さんを刺したナイフからは
確かに七瀬の指紋が出ていたという。
可能性としては…あるのかもしれない。

心霊探偵八雲12-5

一心さんとの面会許可がおりた。
後藤さんの奥さん、敦子さんと
晴香と奈緒の3人は面会に行く。

彼の手はちゃんと暖かかった。
大丈夫…ちゃんと生きている。

そう安心した直後のことだった。
ベッドの向こう側に現れた噂の霊。

「いつ、死ぬの…」

今度は…一心さんが死んでしまうの?
この霊は一体何者なんだろうか。

八雲や両眼の赤い男に霊が
見えるのはわかるけれど、最近
普通に晴香達にも見えてるのが
不思議でならないのだけど…一心
さんは死んでしまうんだろうか。

でも、なぜこの質問で
人が亡くなってしまうの?

心霊探偵八雲12-6

一心さんは晴香のことを八雲の
婚約者だと医師で友人の新井に
話していたようだった。まるで
その先自分に待つ運命を全て
知っていたかのように準備がいい。

一心さんの、そうあったらいいと
いう願いもあったのかもしれない。

親族にしか明かせない内容だが、
親族の婚約者の晴香になら…と
新井先生が話してくれた内容は
あまりにショックの大きいもの。

脳死…仮に植物状態なら目を覚ます
可能性だってあったと思うんだ。
でも脳死ってのは、その可能性すら
ないということなんだろうか…?
知識がないのでよくわからないけど、
多分…そういうことなんだと思うの。

…一心さんがもう…助からないの??

心霊探偵八雲12-7

拘置所の医務室に話を聞き
に行くと後藤さんと石井。

独房から抜け出し犯行に及ぶのは
難しくても、医務室からなら…
そう考えていたが、実際に抜け
出すには多くの障害があった。

指紋認証と鍵を利用した二重
ロックのドア。至る所に設置
された監視カメラによる見張り。

それらを掻い潜って抜け出すのは
決して簡単なことではないだろう。
ただ一つ、不可能ではないかも
しれないと期待の持てる情報も
手に入った…刑務官の山村がそこ
に現れていたという事実だった。

この時点で、七瀬が拘置所を
抜け出し犯行に及んだ可能性と、
予め何かトラップを仕掛けておき
それで拘置所にいながらに反抗に
及んだ…2つの可能性が出ていた。

トラップの線で、現場を調べると
血痕のついたワイヤーが出てくる。

まだ答えにはたどり着けない。
それでも、少しずつ可能性が
絞れるようになってきている。

後藤さん監禁事件の頃から石井、
たくましくなってきたね、ほんと。

~ひとこと~

12巻でした。
一心さんのことでショックを受けた
八雲は、ずっと一人で行動していて
誰も連絡がつかない状態だった。

(もしあの時(母親に殺されかけた
時)…死んでいれば大切な人を
失うこともなかったんだろうか)

一人、そうやって苦しみ続けていた。
ずっと考え込んでいるように思えた。
…八雲は…、大丈夫なんだろうか??

一心さんのことは、本当にもうどう
することも出来ないんだろうか?