心霊探偵八雲 第10巻

著者
原作:神永学 先生
作画:小田すずか 先生

心霊探偵八雲10-1

一心さんの元を訪ねていた晴香。
そこに、後藤さんを捜すために八雲
の協力があれば…という話になり、
連絡のつかない八雲と連絡が取れそう
な晴香へ連絡をとってきた石井達。

その結果…一心さんの家に一心さん、
晴香、真琴、石井が集まる形に。

今回の後藤さんと八雲の疾走は
例の幽霊が映っていたという
ビデオに関わりが深いだろう。

何かわかるかもしれないと
一心さんもそのビデオを見る。
すると、ある事実が判明した。

「この映像に映っている幽霊は私
の姉…すなわち八雲の母親です。」

ここで突然明かされた八雲の出生の
話…そしてきっと今まで八雲はずっと
そんな事実を抱え生きてきたんだろう。

八雲がまだ幼かった頃、母親に
殺されそうになったあの時から、
母親は疾走してしまったらしい。

あれが本当に母親の霊なのだとしたら…
きっと既に亡くなっているんだろう。

心霊探偵八雲10-2

消えた後藤さんや八雲に関係
する情報を少しでも得たい。

繋がりの深いであろう武田俊介の
事件の関連資料を見せて欲しいと
宮川課長にお願いに来た石井。

だが全く取りあってもらえない。
でももう諦めることはやめた…
土下座をしてまで頼み込んだ。

立場上贔屓は出来なかったろう。
だからこんなふうにするしか
出来なかったのかもしれないw

後藤さんが消えてしまった時、
ただ一人落ち込むことしか
出来なかった石井を怒鳴った
宮川課長だったけど、それは
本当にあのままではいけない
状況だったからだろうな。

石井の本気を理解して…協力して
くれようとしたんだろうと思う。

「そんなに暇なら俺が
仕事を与えてやる。4階の
トイレが随分汚れている。

掃除しとけ!特に個室の一番奥、
タンクの裏が汚い。あとで
チェックに行くからな。」

トイレ掃除という名目で、その
場所に資料を置いとくから勝手に
持ってけって…そゆことでしょ??

……

無事資料を見つけた石井の元に
予告通り宮川課長がやってくる。

「今から独り言を言う
から黙って聞け。」

そう言って語りだした。きっと
立場上自分で動くことは出来ない。
それでも後藤さんを心配して、
彼の捜索を、石井を信頼し託す
決意が出来たのだろうと思う。

宮川課長はほんとかっこいいわ!
彼あっての後藤さんだなと思った。

心霊探偵八雲10-3

一心さんは、彼の姉で八雲の母親で
ある梓さんの話を晴香にしてくれた。

ある時両親が姉と連絡が取れないと
大騒ぎをしていた。警察は動いて
くれず、結局姉が発見されたのは
二週間後…長野県戸隠の山道を彷徨って
いるのを通りがかりの人に保護された。

ここで一つ判明したことがあった。
晴香の故郷もその戸隠だという。

そして更に…

「……もしかしてお母さん
の名前は恵子さん?」

突然母親の名前を言い当てられ、
驚く晴香だったが、その理由は…

「私の姉…梓を助けてくれたのが
晴香ちゃんのお母さんなんだ。」

そんな話から、一心さんは
ある手紙を出してきてくれた。

その山道での出会いからだろう。
梓さんと晴香の母、恵子さんは
手紙を送り合うようになった。

その、恵子さんから届いた手紙を
一心さんは晴香に渡してくれた。

梓さんが失踪した後に届いた
手紙だったのかもしれない。
封は開けてない状態だった。

八雲を殺そうとした梓さん。
母親に殺されそうになり、
恐怖や不安でいっぱいだった
だろう八雲の存在を受け入れて
ここまで立派に育ててくれた
のは他でもない一心さんだった。

(一心さんの愛情があったからこそ
八雲くんは闇を抱えながらも優しさ
と芯の強さを持ったんだ――――。)

きっと彼の判断は正しかったろう。
手紙をどうするかは晴香に任せる
と、一心さんは言ってくれた。

心霊探偵八雲10-4

晴香は母親と話をするために実家
に戻った。そこで梓さんの話、
そして八雲の話をしたのだろう。

その中で、八雲の父親になろうと
していた、梓さんの婚約者の存在
を知る…見せてもらったその写真、
その男は、あの時晴香の部屋まで
やってきた謎の男そのものだった。

八雲を、助けて欲しいと話し、
長野にいると教えてくれた人。

だがその男は…殺人犯だとされる
武田俊介だった…えっと~…??

心霊探偵八雲10-5

石井と真琴、それぞれに事件に
関する情報を集め確認していく。
その中で、妙な点に気がついた。

事件の騒ぎを聞きつけ、通報した
隣の家に住む女性の証言と実際の
通報時刻が3時間もズレていた??

実際の通報時刻は0時7分だったが
その女性は9時10分を主張していた。

この間…一体何が起きて、どうして
こんな誤差が生じていたのかはまだ
わからない。だが、何かがあった。

畠さんのもとでの聞き込みでもそう。
死亡推定時刻がおかしかったという。
畠さんの見立てでは9時頃に死亡した
と思われた…だがそうなると通報した
女性の証言と全く合わなくなるという。

「検死結果を拡大解釈して
辻褄を合わせたってことじゃ。」

そんな雑な…。

これらの情報により殺害時刻が変わると、
犯人だとされていた武田のアリバイが
出来る…武田以外に犯人がいる可能性が
出てきてしまうということだった。

石井は催眠術で目撃証言を操ったのでは
ないかと考えた。通報してきた女性は
確かに9時過ぎに悲鳴を聞いた…だが直後
何者かによって深い催眠状態に誘導され、
合図で3時間後に覚醒…警察に通報した。

後催眠健忘というもので、催眠暗示を
かけられたことを忘れる暗示を同時に
かければその間のことは忘れてしまう。

それによって女性は悲鳴を聞いて
すぐ通報したという錯覚を覚える。

催眠療法によって、これらが
可能であることは、実際に
催眠療法士の人に真琴が確認
してわかったことだった。

宮川課長が目撃した人物は八雲の
父を名乗る男で間違いないだろう。

(圧倒的悪意…悪魔だった―――。)

この事件と両眼の赤い男はどんな
ふうに関わっていると言うんだろう。

まだまだ、繋がっている
のに繋がりが読み切れない。

心霊探偵八雲10-6

指名手配されていた武田以外の
容疑者の資料を見せてもらうと、
すぐに石井には真犯人がわかった
ようだった…本田豊という男だ。

被疑者は二人いて、その中で
犯行時刻(9時過ぎ)にアリバイが
なく、催眠術についての知識及び
技術を持つ可能性がある者…という
理由で犯人が本田だと話した。

それは憶測に過ぎないかもしれない。
だが今後藤さんに一番近い男は本田。
おそらく後藤さんは本田の元にいる。
そして、生かしたまま拘束している。

あと数日で時効を迎える事件だ。
真実に気付きそうになった後藤さん
を時効まで監禁することが目的だと
話す石井に、宮川課長も理解を示す。

本田の家に辿り着くと、明らかに
何かを隠している様子の本田。

手順を踏んで追い詰めようとする
宮川課長に対し、早急に後藤さんを
見つけようと強硬手段に出た石井。

警察手帳を投げ捨て走り出す石井。

警察官であることも投げ打って
本田の家に侵入した…そこには
後藤さんが横たわっていた。

なんとか助け出そうとするも、
そこに立ちはだかったのは
本田…ゴルフクラブを持ち、
彼らを始末しに来たのか…。

どうする…??

心霊探偵八雲10-7

八雲は梓さんを追って長野まで
来た…そうすると梓さんと長野を
結びつける場所は例の監禁場所。

そう考え、恵子さんが梓さんを
保護したという、山道に向かった。

そこから山に入り登っていくと、
ある建物を見つける…中に入ると
身体を縛られ冷えた切った身体。
傷だらけで血まみれの八雲がいた。

すぐに助けを呼ぼうとした…
だがそこに現れた両眼の赤い男。

「人間をもっとも簡単に服従
させる方法…何かわかるかい?
それはね、痛みだ。」

「まずは君の目を抉り取ることに
しよう。人間はね、光を奪われると
恐怖が倍増するんだ。その次は足だ。
逃げられないようアキレス腱を切断
する。君はここまで耐えられるかな?」

人を怖がらせ痛みを与え服従
させることに喜びを感じるか
のような彼の発言や表情…。

ここで…殺されちゃうの??
そんなの…なんとかして
ここから逃げて欲しい…

助かって、ふたりとも。

~ひとこと~

石井、後藤さんの方も、晴香、
八雲の方もこれは絶対絶命??

石井たちの方はまだ家の外に
状況をほぼ把握している宮川
課長がいるからなんとかなる
可能性は高いのかもしれない。

だが晴香達の方は…山を降りた
所で待つ母親…それ以外には
誰もいないんでないだろうか。

この状況を打破できる方法は…?
考えたってわかりませんね。
それではまた次巻で!!