心霊探偵八雲 第7巻

著者
原作:神永学 先生
作画:小田すずか 先生

心霊探偵八雲7-1

佐々木のもとで戸部に関する話をして
いく中で、そもそも戸部が精神鑑定に
かけられた理由から、話をし始めた。

突然奇声を発したり暴れたり…
きっかけはそういうことだった
らしいが、それでいざ佐々木の
元へやって来た戸部は、戸部賢吾で
なく『牛島敦』と名乗ったらしい。

牛島敦というのは、実在の
人物だった…それ故だろうか。
多重人格の疑いがあるという。

でも、そこに続いて佐々木は語る。
彼の症状はそれによく似ているが、
記憶障害という特徴的な症状が
抜けている…つまり、非常に知能の
高い”故意犯”である可能性があると。

火災で命を落としたという牛島。
それと戸部の火傷は関係ある??

心霊探偵八雲7-2

幽霊が見えると話した真人くん。
それは本当なんだろうかと八雲に
相談する晴香。隣のクラスの先生が
同じ場所で幽霊を見たという話を
していて、以前そこで火事があり、
子供が亡くなったことがあるらしい。

それと、真人が幽霊が見えると
いう話を晴香にする少し前のこと、
教頭先生の持ち物を盗んだからと
教頭に突き飛ばされていた光景を
晴香は見た。真人が盗んだもの…
SDカードか何かのように見えた。
詳細はわからないけれど…それも
今回の霊の話に関係あるのか??

様々な面で真相を確認するため
にも、八雲は学校…霊が出るという
場所を確認しに行くことになった。

そこで霊の話を聞かせてくれたのは
横内先生という男の先生だった。

プールで人影を見かけ、不審に思い
声をかけると突然炎に包まれてしまう。

そして…怖かったんだろう、その場
から逃げようとすると今後は男の子
が現れ、彼は横内の上着の裾を引く。

そこになんの意味があったかは
わからないけど…その後男の子も
燃えてしまったのだという話だ。

話を聞いている途中…八雲には
他の人には見えない…霊が見えて
いたってことだろうな。その霊に
導かれて歩き出し辿り着いた先…

ポンプ室の中には、真っ黒焦げの
焼死体があった。左腕から上だけが
焼けずに残っている…奇妙な光景。

「人体自然発火現象……。」

それを見た八雲がこぼした言葉だ。

心霊探偵八雲7-3

「この焼死体…骨まで
焼けて炭になっている。」

火葬場で人間を焼いても骨は残る。
それですら900度から1000度くらい。

実際にこんな全身炭にしてしまう
ことが出来るのは原子爆弾くらい。
現状ではこの状況をあり得ないと
しか言いようがないというのだ。

火元がなく、建物への延焼がない。
そして不自然に残る左手も謎だ。

八雲がこのポンプ室に辿り着くに
あたって…二人の霊がいたという。

中年男性と、子供の霊。
子供…もしかして牛島敦の霊?
でもその中年男性って一体…

心霊探偵八雲7-4

何か大きな闇を抱えていそうな
真人くんを放っておけない晴香。

でも晴香の行動はまだ真人くんに
届いてくれそうになかった…お節介
過ぎるのかな‥なんて考えてしまう
晴香だったけど、そんな彼女に八雲
は自分の昔話を少ししてくれた。

他の人とは違う体質を持つ自分に
塞ぎ込んでいた時期もあったろう。
そんな彼を思って必死になっている
お節介な教師がいたという話だった。

晴香を…認めて背中を押してくれた。
八雲…きっと最初から本質的に優しい
人なんだろうとは思うけど、こんな
ふうに晴香に対して伝えてくれる
ようになったのは…良い変化だよね。
晴香と出逢って‥変わったのかもな。

時間はかかるかもしれない。
でも諦めないで…頑張れ晴香。

心霊探偵八雲7-5

「僕は呪われてるんだ…だから…
僕といると死んじゃうんだ…!」

そう言って人を寄せ付けることを
必死に避けてきたのかもしれない。

過去に、父親に関する作文を
書くということがあった時に、
真人くんが書いた内容はこうだ。

「ぼくのお父さんはもう
いない。ぼくがコロシタ」

亡くなってるのかな…それを
自分のせいだと、呪いのせい
だと思って怯えているのかな。

八雲は、自分にも霊が見えること、
そしてこっちは方便かもしれんけど
自分も呪われているから…呪われて
いる者同士は一緒に居ても平気だと
まっすぐに真人の目を見て伝えた。

最初は怯えていたけど…本当だと
信じてくれたのか真人は随分と
安心した表情を見せてくれた。

呪った人間…誰だと言うんだろう。
結局この時駒井先生という邪魔が
入って彼の言葉の続きを聞くこと
は出来ないままになってしまった。

「僕に近づくな、次は
お前が死ぬんだ…!」

近付いてくる駒井を全力で拒絶し
そう叫び…立ち去ってしまう真人。

その時真人は…何かの白い
カプセルを落としていった。

その夜…遅い時間に横内先生から
晴香へ着信がある。駒井先生が
亡くなった…という連絡だった。

書き置きがあったということで、
彼女は自殺の線で話が進んだ。

心霊探偵八雲7-6

警察の捜査で、焼けずに残っていた
手の指紋から焼死体が戸部と判明する。

そして、あの焼死体が出来た状況を
考えている中で、八雲と畠さんには
ある可能性が浮かんでいたようだった。

『低温火災』

ここにある条件を追加すれば
あの焼死体が出来るという。

それがシロウ…屍蝋だ。

屍蝋 シロウ

屍蝋(死蝋とも)とは、死体に
時間経過と共に発生する様々な
変化(死体現象)のひとつである。
死体現象の中でも特殊な条件下で
発生する特殊(異常)死体現象に
分類され、屍蝋が完全に形成される
と経年による変化がほとんど起こら
なくなることから、ミイラと共に
永久死体とも呼ばれる。

ニコニコ大百科 より

これらの条件から、戸部は燃える
前に死んでいたということになる。

火元がないとなれば、何者かが
火をつけたということになるだろう。

心霊探偵八雲7-7

何者かが戸部を燃やした…という
話を佐々木のもとへ持っていくと、
彼女はこんなことを言い出した。

牛島春江…牛島敦の母親だ。
彼女の元へ前に話を聞きに
行った際、春江はこう言った。

「息子は戸部に殺された。」

火災のことだとは思うが…霊の
幽霊騒ぎのあったプールの話。
そこは昔体育館倉庫で、過去に
あった火事は子供の悪戯が原因。

そこで亡くなったのは…牛島だ。
顔に大火傷を負ったが生き延びた
のが戸部だったという話だった。

その件で戸部を恨んでいる可能性は
大きかったと思う。だが…他にも
おかしなことを行っていた春江。

自分の息子に対して「死んで
良かった」
などと言った。

怪しい…のかもしれない。でも本当に?
まだまだわからないことが多すぎる。

~ひとこと~

さて…戸部の件と真人の話が繋がった。
のはまあいいとして、真人が抱える
ものは一体何だと言うんだろうか。

教頭は怪しい行動をしているし、
亡くなったという駒井先生に
関しては生徒の親と不倫して
いたなんて噂を耳にしている。

ああ…ややこしい。ただこれは
可能性だけど…その不倫相手が
もしかすると真人の父親である
可能性はあるのかもしれない。
まあ、あくまで可能性だけど。

謎だらけですね…ややこしい。
でも今は唯一人…たった一人で
誰にも話をすることが出来ず
苦しみ続けている様子の真人
を救ってあげられたらと思う。

ではまた次巻で!!