著者
原作:神永学 先生
作画:小田すずか 先生

「神山さん、あなたは
沢口里佳さんの恋人だった。」
神山が教師をしていたのは
沢口里佳の出身校だった。
そこに話を聞きに行った際、
神山を追いかけていた生徒が
いたという話を聞いていた。
山口だか…川口だか…?そんな
感じで言っていたらしいが、
八雲いわくそれは沢口…里佳さん
だったのではないかということ。
そして八雲は続けてこう言った。
大利和志さん…彼もその事件に
よって人生を狂わされた人だと。
…えっと…いろいろどういうことw
そんな所に駆け込んできた井手内。
裕也の父親ですね。息子が消えた
という話まで走っていたはずだ。
そして、ここに井手内を
呼んだのは八雲だったようで?
…なんか混乱してきたww
でも、例の事件ではいろいろと
大きな何かが動いていたってのは
確かなことなのかもしれないね。

話を進めていくと、今までの調査で
分かってきたこと…だと思っていた
ことのほとんどが全て真実に辿り着く
ために仕組まれていたことだと気付く。
まず、前回神山がこのバーに集めた時、
霊が出て、村瀬さん…改め大利が怪我を
負ったという話があったのだけれど、
その時に大利の左腕にあった刺青だと
思われていたものはペイントだった。
ずっとひっかかっていた、腕が逆
だよねっていう話。確認も兼ねて
再度腕を確認すると、あの時刺青が
見えた左腕には何もなかったのだ。
勿論、大利が霊の事件の犯人として
逮捕された時の資料にその入れ墨に
関する記載など存在していなかった。
でも、あの動画で確認する限り、
犯人の右腕にはあの刺青がある。
麻美は神山と共に今回の件を
企てた側の存在…そして大利も
そちら側だったということだ。
「逃げられませんよ、八木さん。」
八木(マスター)の右腕には刺青。
本当の暴行犯はこの八木…大利は
冤罪で3年も刑務所に入ることに。
里佳さんが警察に被害届を出した
ことを知り慌てて国会議員である
父親に相談をした。選挙期間中だった
父親にとって息子の不祥事は致命的…
それを理由にもみ消しが企てられた。
警察の知人に相談を持ち込んだのだ。
おそらくその知人が井手内だろう。
そこから、事件の担当を新人に変え
訴えを取り下げさせようと事情聴取で
彼女に揺さぶりをかけさせた…が結果
里佳さんは訴えを取り下げることなく
自殺。取り返しのつかない状況に、
どうしても八木を逮捕できない状況
に無関係の人を逮捕することにした。
その被害にあったのがこの、大利だ。
裕也は、井手内に対する人質の役割
としてどこかへ連れて行かれたのね。
井手内が否定してくれることを祈った
後藤さんだったけど…その後井手内は
神山に対して土下座して頭を下げた…
「…すこを…息子を返してくれ……!!」
井手内はようやく真実を認めた。

事実が全て明らかになった。
だが一つだけ神山にもわかって
いなかったことがあったらしい。
「あの人に受け入れられないのなら私
に生きている意味はあるのだろうか…」
里佳さんの、紛失した遺書の一節。
一体どこで見つけてきたのやらだが、
霊の暴行事件後、苦しみながらも
戦い続けた里佳さんを…神山は拒絶
してしまったことがあったのなら…
「彼女が自殺する引き金を引いたのは
他でもないあなた(神山)自身です。」
今回、本当は赤い眼など…霊の思いを
見る力など持ち合わせていなかった
神山がこの計画を実行するにあたり、
やはり八雲の父を名乗る男からの
入れ知恵があったようだった…人の
魂の本質は闇…里佳は死んでなお
憎しみに満ちている…それを晴らす
以外に彼女を救う道はない…と。
真実を知っても、それでもやはり
それで今回の計画を大人しく終わり
にする気にはなれなかったようだ。
八木にナイフを突きつけ、バーに
灯油を撒き、…そして火を放った。
八木を巻き込んで死ぬ気だろう。
八木を許せない気持ちは後藤さん
だって一緒、神山の悲しみや憎しみ
だって自分に止めることは出来ない。
そんな思いで動くことすら出来ず
立ち尽くしてしまう後藤さんに
言葉をかけたのは八雲だった。
「早く助けに行って下さい!!
警察はいつから復讐を容認
するようになったんですか!
後藤さん!!あなたは相手が誰で
あれ死にかけている人間を見殺し
にするような人じゃないはずだ!」
八雲の言葉に、ようやく自分を
取り戻したような表情を見せた
後藤さんは、八木を逃し神山も
火の中から外へ連れ出そうとする。
「…あなた達は本当に
面白い方々ですね。」
そう言って少し笑った神山は、後藤
さんを火の外の八雲の元へ突き飛ばす。
「八雲くん、あなた達と
出逢えて本当に良かった。」
笑顔でそう言い炎にのまれた。

バーから抜け出した彼らの元には
真琴の父…警察署長も来ていた。
今回の警察内部の問題をちゃんと
知り、立ち向かってもらうために
彼をここに呼んだんだろうか…だが、
立場が上であればあるほどそれだけ
抱える部下は多い。結局また何か
もみ消しのようなことが起きる。
「全国の警察官のためだ。」
難しい問題なんだろうな。
でも、やはり簡単に納得の
いく問題でもなかった。
そんな署長に後藤さん
は殴りかかっていた。
その後井手内は懲戒免職…
裕也は無事保護されたらしい。
裕也は本当に人質以外の何もの
でもなかったらしく真実を知った
本人が1番きょとんとしていた。
神山は、消防隊が突入した
時にはもう…手遅れだった。
そして後藤さんは…世間の手前
クビにすることも出来ないだろう
ということもあり…大きな処分は
何もなかったということだろうか。
いつものように事件に向かった。
一通り状況を把握すると、八雲は
やり残したことをすると言って
例の屋上に向かった…そこに、
最後のお願いをしに来たのかな?
里佳さん(と…神山も?)の霊が。
きっと、これで父親も浮かばれる。
何を言伝られたのかわからないけど
里佳さんはきっと父親の幸せを
願って言葉を託したんじゃないかな?

里佳さんの一件が無事終わり、
井手内(元課長)の代わりに
やって来たのが宮川課長。
彼は後藤さんが新人の頃に
教育をしてくれた、いわば
大ベテランな存在のようだ。
そんな彼から仕事が入る。
戸部賢吾(とべけんご)の事件。
父親を惨殺し、現場に留まっていた
所を発見され緊急逮捕されたらしい。
その後取り調べで心神喪失の可能性を
示唆され専門医による本鑑定に回され、
その鑑定中に疾走したのだという。
失踪後、1ヶ月も経過するが
未だ消息不明だそうだ。
「確か担当の女性医師が襲われた際に
抵抗してはさみで戸部を刺したとか。」
…物騒ですね随分と…ww
今回の仕事は、その女医さんが
警察に協力を申し出たという。
彼女の元を訪れ、プロファイリング
で事件を解決しようという話だった。
今回の件は…霊とかそういうのと
何か関係していることなのかな?
詳細は不明だが、一先ずその女医、
佐々木杏奈さんの元を訪れた。
随分とセクシーなお姉さまだこと←
戸部の行動には謎が多い。そして
鑑定を逃げ出したというのも、
手錠をはめられ監視役の検察官も
いたであろうその場から逃げ出す
のは不可能じゃないだろうかと…。
この話は、佐々木が現れた所で
終わってしまっているのだけれど…
また次巻かしらね…奇妙な事件だ。

晴香は教育実習で小学校に
行っているらしい。そこで
あるトラブルを拾ってきた…?
それは大森真人(おおもりまさと)くん
という一人の男子生徒に関する話。
『ボクはのろわれてる』
そう、コンパスの針で
机に文字を書いていた。
明らかに他の子達とは雰囲気
が違う、どこか冷めた目…。
気になって様子を見ていると、
どこか冷めた空気を漂わせる。
そんな彼が話してくれたこと。
机に掘っていた言葉の意味。
幽霊が見える…そう口にした
彼の目は、ほんの少しだけ
怯えを含んだように見えた。
~ひとこと~
少々切ない結末を迎えたものの、
沢口里佳さんの事件は終了した。
成仏も出来たようだし…きっとね、
これでよかったんだと思います。
そしてその後…戸部に関する事件と
真人くんに関する相談事の2つ。
これらはまだ始まったばかり。
繋がる話なのか全くの別物の
話なのかわからないけれど…
まだまだ彼らのお話は厄介事が
たえず続いていきそうですねw
少しでも悲しむ人の少ない形で
終わればいいけれど…また次巻!