著者
原作:神永学 先生
作画:小田すずか 先生

一心さんと晴香が会った時、
初めに目に止まったのが片方
だけ赤い眼をしていたことだ。
だがそれは八雲のそれとは違う。
八雲がその眼で苦しんできたこと
を知った上で、自分をそれを本当
の意味で理解しようとしてるのかも。
本当に、すごくすごく優しい
人なんだろうなと心から思う。

八雲の作戦は成功した。要は、真琴の
身体から安藤の霊が自ら出ようとする
ことが必要なことだったわけだ。
安藤の首から上を作った模型、人形の
身体に繋いだそれを仮死状態の自分の
肉体だと、安藤の霊に思わせるために
急いで作ったものだったらしかった。
このままでは拒絶反応を起こしている
真琴の身体はこのままでは持たなくなる。
そうしたら生に執着する安藤が居座る身体
もなくなってしまう。そうなれば死ぬだろう。
真琴の肉体は勿論、安藤の霊も消えるのかな。
だが、今この身体(人形だけど)に
戻ってくれば助かるかもしれない。
「どうする?」
そう説得する除霊師の役として
呼ばれたのが一心さんだった。
説得するも出ていこうとしない
安藤に警告とも思える言葉を告げた。
「それなら…死んでしまえばいい。」
途端に発狂する安藤の霊。それと
同時に、死体保冷庫に用意していた
人形とネズミを放り込んだ…そこに、
安藤の霊も入り込んだらしかった。
実際そんな感じで除霊なんて出来るのか
わからないけど…今回の件は解決らしい。
真琴さん…身体はまだ大丈夫になる
のかな…??彼女がまた元気に復活
出来ることを祈るばかりですね。

ずっと姉の死に対して自分を
責め続けた晴香。何でも出来た
姉と自分を比べて、姉でなく自分
が死んだ方が良かったんじゃないか
なんて思ったこともあったかも。
そんな時、突然の母親からの電話。
誰にも言えなかった不安や後悔が、
実は母親にはバレバレだったと知る。
「あなたはあなたなの。
親にとってはね、勉強ができる
とか運動ができるとか、そんな
ことはどうでもいいこと。
生きて幸せでいてくれれば
それだけでいいのよ。」
自分を責め続けていた彼女、自分が
生きてていのかわからなくなっていた。
でも、こんなふうに言ってもらえた…
八雲に逢えて、お姉ちゃんに逢えて、
晴香の中でいろいろ変わってきたね。
今まで向き合えていなかったことに
すら、これからは向き合えるかも?
そして、いつの間にか芽生えていた
八雲への恋心のようなものも…♥(笑)
少しずつ前に進めたらいいね!

安藤の事件が解決して、これで
連続殺人事件は解決に思われた。
が、安藤が亡くなっている今、
4人目の被害者が出てしまった。
いろいろな面から調べ直して
いくと、ある結論に辿り着く。
「今回の事件は2つの別々
の事件で、目的の違う
犯人が二人いたんです。」
1人目と3人目の被害者は同じ場所
同じ手口で安藤の仕業で間違いない。
だが2人目と4人目は同じ手口だが
4人目は安藤には殺せなかった。
安藤の自らの手で殺す…という
やりかたにも合わないものがある。
「つまりこれは連続誘拐殺人
事件ではなかったんです。」
安藤の方の件は確かに解決済みだ。
そして今起きているのはもう一方。
畠さんの一言から、八雲は
ある思考に辿り着いたらしい。
もう1人の犯人の正体に・・・
亡くなった娘を思うあまりに
自分を責め続けている木下先生の
強い思いが娘の霊を引き止めている。
何とかして蘇生しようと
まで考えていたようだった。
もしかしたら姉の霊を引き止めて
しまっていたのも自分の思い…?
そう感じたんだろう晴香は。だから
亜矢香の霊を救うためにも先生を
説得しに医院に行くことにした。
そんな矢先のことだ。連絡が
つかない晴香の身に何か…??

真犯人の証拠を見つけた直後、
晴香の携帯電話から八雲に着信。
だが電話の向こうにいるのは晴香
ではなく…八雲の父親を名乗る男。
だがそれを酷く嫌がる様子の八雲。
2人の関係はよくわからないが、
今回の事件、木下先生に何かを
吹き込んだのは彼のようだった。
そして今回、八雲の反応を見る
ことだけが目的なんだろうか、
ターゲットにされてしまう晴香。
このままでは晴香が殺される。
…急いで…お願い、間に合って。

足に枷をつけられ、薬で眠らされて
いた晴香は川…ダムとかだろうか??
水の中に突き落とされてしまう。
「八雲くん―――助けて―――…」
心の中でそう叫んだ晴香…
死を覚悟したその時…沈んでいく
身体を誰かに引き上げられた…。
「生きてるな。」
八雲が助けに来てくれた。
なんとしてでも晴香を殺し
亜矢香似合おうとする先生は、
それを止めようとする後藤や
石井にも襲いかかっていった。
重しをつけた晴香を抱えている
八雲までこのままでは命が危うい。
八雲だけでも助かるなら…自分
から手を話すように言う晴香。
「うるさい…!君は死なせない…!」
八雲‥出逢った頃の彼はこんな
ふうに迷わず晴香を助けようと
してくれるような人だったろうか。
自分の命まで危険にさらして。
変わったのかもな…。なんとか
救出に成功し、先生と話をする。
「あなたは何億人殺すつもりですか?」
「仮に魂の移植が可能だとしても、
この方法では駄目だ。移植先の
肉体を殺してしまっている。」
八雲の言葉に、今まで自分が
してきたことが全てただの殺人
でしかなかったということに、
初めて気付いたのかもしれない。
そして酷く後悔して…涙する。
娘を助けられないことに対しても。
とても残酷なことをしてきた。
でもきっと彼はもう、この先
は大丈夫なんじゃないかな。

ここで謎のままになっていた
交通事故の犯人が判明する。
いつの間に調べていたのか…。
八雲の中では、木下先生と共に
亜矢香を娘のように大切にして
きた内山さんが犯人だという
話になっていたようだった。
…事実なんだろうね、きっと。
自主を勧めに来たんだろうな。
大切な存在を亡くすというのは
ショックが大きいことだろう。
でもそこで、ちゃんと前を
向ける強さがあれば、今回の
ような事件は起きなかったかな。
恨んでも…仕方ないんだよね。
~ひとこと~
八雲の父親…が関わっていたという
こと以外は、事件は丸く収まった。
彼の八雲への挑戦状はまだここが
スタート地点なのかもしれない。
きれいな赤い色のネックレスと
ともに、「近いうちにまた…」と
書かれた手紙を受け取った八雲。
これから…一体何が起きるのか。