著:空木かける 先生

予言の件が無事終わった翌朝の登校中
他月は空くんにこんなことを言っていた。
これまで他月がしてきたように空くんが
1人犠牲になっても構わないと思ってる
ような行動を止めようとしたのは多分
間違いってわけではなかったと思う。
それでも今回の一件で自分には何も
できないって分かった時に、今まで
自分の不安とか心配を押し付けてた
だけだったとでも感じたのかな。
このシーン私の解釈があってるのか
自信がないんですけど‥この言葉を
後に思い出した空くんは独り立ちかな
と口にしていて、捉え方によっては
突き放すようにも感じたこの言葉は
空くんと他月の関係をこれまで以上に
それぞれ自立したものに変えるための
第一歩だったのかもしれないと思った。
あの一件で何もできないと気付いた
他月に、もっと自分が強ければと、
大切な者を守れる力を欲した空くん。
きっと彼らはこの先、現状よりずっと
強くたくましくなっていくんだと思う。
大切なものをちゃんと守れるように。

他月は街で覚えのある人を見かけて
声を掛けた‥それが柳さんだった。
モクレンさんに少し前に保護官が
来ていることを教えてもらってた
ことや柏木家のまだ空くんが幼い
頃のアルバムに柳さんが写ってる
のを見せてもらってたのもあって、
保護官の柳さんだとわかったみたい。
今日はオフだからと言って、予言の
日のような俊敏な動きがないどころか
少々心配になるドジっぷりの人だ 笑
七星さんとは軽く挨拶を済ませると
柳さんと少しの間2人で話をした。
他月は今バチ山の三鬼様のもとで
いろいろ教えてもらってるらしい。
雑用を手伝ってると言ってたけど、
手伝いながら自分にできることを
探したり覚えたりしてるのかも。
そんな話題から他月が目指している
ものについて話が進んだんだけど、
保護官ではなく警察や政治家などの
中で保護官が動きやすいようサポート
するような役回りになりたいという。
そういう人達は実在するようだ。
そしてそのサポート役になりたい
理由はいつか保護官の存在を知ったら
空くんは保護官を目指すだろうから。
自分にできることをして大切な人を
守ろうとするのは相変わらずらしい。
「誰かが繋ぎ止めておかないと
アイツはどんどんこっちの世界
から離れていく気がするんです。」
それぞれに成長するために別々に
動いていても、やっぱり他月は
同じ道を歩んでいきたいみたい。
他月が昔不安に思った通り、そういう
生き物と、そちらの世界と深く関われば
関わるほど危険やリスクは増えるだろう。
‥柳さんは生き急ぐなんて言い方を
していたけど、誰かのためじゃなくて
自分がそうしたいからと自分のために
覚悟を決められたならそれも道だろう。
他月は大切な存在がいるから頑張る
理由を見つけられる人なのかもだね。
そういう気持ちもきっと大切だけど、
何かあったら逆に気持ちを脆くする。
他月が他月として、自分のために
進める未来を決めていけたらいいな。

13巻の最後に話題に出ていた一番山に
来た何者かっていうのはこの3人らしい。
他にもいるかもしれないけど、多分この
3人が中心になってるんじゃないかな?
ただの挨拶というわりには少々物騒な
雰囲気をかもし出してるし、この話は
立秋のことを探ってる感じかな?!
彼らが何をしようとしてるのか、
立秋だけでなく空くんやミーくん達に
とってどういう存在なのかわからない。
悪い存在ではないといいけど、今の
現状ではいい存在とも考えにくいな。

一番山に越してきたという3人、
白髪の子がネリ、赤髪の子がトラ、
緑髪の男はマスターと呼ばれていた。
彼らはある時突然柏木家を訪ねて
くると、空くんに襲いかかった。
結果的には空くんの方が勝って3人の
方が縛られることになったんだけど。
マスターはコレクターハンターと名乗り
この家にそういう生き物がたくさんいる
ということを知って調べに来たと言う。
空くんがコレクターであることを
疑ってっていうことなんだと思う。
保護官について知らない空くんには
意味がわからなかっただろうけど、
コレクターだけでなく保護官のこと
まで憎んでいるとマスターは言う。
少し後に柏木家にやってきた他月が
3人と話をしてくれて、会話をしながら
目的や正体を探ってくれていた。
やはり家に押し入ってきたのは空くんを
コレクターだと疑ってのことらしい。
マスターは人間のようだけどネリと
トラは人型をしているけど完全な人間
ではなく、コレクターに捕まっていた
所をマスターが助けた関係だとか。
あとマスターは多分呪い持ちだ。
頬のあたりに、立秋の首にあった
ものによく似た痣があったから。
話をしていくと、やらかしたこと
とは違って心の優しい連中に思えた。
詳細はわからないけど、今回の一件は
勘違いが起こした行動で真実を知れば
わかり合える人達な気がしてる。
でも‥マスターの無神経な一言で
ミーくんを泣かせてしまってそれから
ミーくんはずっと様子がおかしくて、
空くんはブチギレちゃってるから
謝って仲直りとはいかないかも。
ミーくんの状況はまた少し
後にしっかりお伝えします。

今回の押し入りの件やコレクター
疑惑に関しては解決してない様子
だったが、それとは別にマスターは
ミーくんにしてしまったことを酷く
反省して暗い表情を浮かべていた。
そんな様子を見て空くんは落とし
どころを見つけようとしたんだろう。
マスターは翌日までにミーくんの
現状を解決するためミイラのこと
を調べてまとめてくると言った。
空くんはマスターが約束通りここに
戻ってくる保証はないし仲間を呼ぶ
ようなことをされても困るからとネリ
かトラを置いていくように伝えた。
要するに、人質だよね。
さすがにやりすぎだと空くんを
止めに入ろうとする他月だけど、
空くんは案外冷静で大丈夫だよと
言わんばかりに目配せしてくる。
空くんのことだから、どちらかを
一晩預かることになっても丁重に
客人としてもてなすことだろう。
一先ずそんな感じで話はついて解散。
その頃、砂に潜ってしまった
ミーくんを遠目にコニーは昔の
ことを思い出していたみたい。
コレクターから逃げている最中に
ミイラが捕まってるのを見たのかな。
生きていたのか、もう死んでいた
可能性の方が高いかもしれない。
それを見た時も、そして今それを
思い出してコニーが何を思ったか
詳細はわからないけど‥コニーは
優しい子だからきっとすごくミー
くんのことを心配してると思う。
ミーくんのこともすごく心配だけど、
コニーもこんな恐ろしい光景を見て
こんなことをする連中から逃げてきた
のだと思ったら‥すごく苦しかった。
よく逃げてきたね、頑張ったね。
他月のところに現れて、いろいろ
大変だったけど今みたいに安心な
場所ができて本当に良かったよ。

マスター達が家に押し入ってきた時
襲いかかられて縛られそうになってる
空くんを心配して出てきたミーくんは
マスターのある言葉を聞いてしまう。
「ミイラは絶滅したはずである。
そのミイラが何故ここにいる。」
ミイラであるミーくん本人を目の前に
して、あまりに無神経な言葉だった。
ネリやトラに怒られてそれに気づいて
すぐに反省し謝罪したマスターだった
けどもう時既に遅しといった感じで‥
ミーくんはずっと泣き続けて空くんが
何をしても反応してくれず逃げ回り、
最終的には砂に潜ってしまった。
そこで過去の出来事を夢に見たのかな?!
周りにはたっくさん仲間がいたんだ。
仲間と一緒に人から隠れてコレクター
から逃げながらも楽しく生きていた。
でもそんな時コレクターに見つかって
しまって‥多くが捕まってしまった。
なんとか捕まらずに逃げる仲間たち。
ミーくんも仲間に助けられて逃げるが
逃げていた仲間も寂しさや悲しさで
次から次へと消滅してしまった。
彼らがどういう存在なのか詳細には
わからなかったけど、消えてしまって
そこに残ったのは包帯だけだった。
みんな消えて、消えて、消えていって、
保護官がそこに来た時にはもうそこに
残っていたのはミーくんだけだった。
すごくすごく悲しくて怖くて苦しくて
‥他のみんながいなくなっちゃったのは
どうしようもなく悲しいしつらいけど、
一人になってしまってもミーくんが
生きていてくれたことは救いだった。
保護された先でミーくんはモクレン
さんに会うことになったみたい。

ミーくんが保護されたそこには李、
マイケル、ドクター、モクレンさん
と複数保護官がいたけどミーくんは
モクレンさんに一番懐いていた。
それでもずっと泣き止まない状態が
続いていて、見るもの全てが失った
仲間を思い出してしまうからだろう
と、ここではないどこかへ行ったら
気が紛れるかもという話になった。
ミーくんもそれを了承しモクレン
さんと一緒に仮住まいを探しに
旅に出ることにしたらしい。
飛行機に乗っていろいろな場所を
旅しながらいい場所を探す中で
いろいろな種族とも出会ったが
中々仮住まいは見つからない。
そんな中‥人なのか神なのか、
2人は人型の生物に出会い事情を
伝えるといろいろ教えてくれた。
「いいか?生きたいならミイラ
になる前の『元』と関わりの
ある者を探すべきじゃ。」
ミイラの正体‥2人が旅に出る前に
モクレンさんは何か資料を渡されて
いてもしかしたらそれに何か書いて
あったのかもしれないけど、詳細は
多分まだ明かされてなかったと思う。
でもモクレンさんにはわかっていて、
ミーくんが一緒に生きていける存在
として空くんを思い出したんだろう。
この話と現状を考えると、原因は
わからないが生前空くんの母親は
ミイラの元になっている種族から
洗礼を受けていて、空くんもその
影響を受けているってことになる。
‥これはもう憶測でしかないけど、
もしかしたらそれは天使だったりする
のかなと‥モクレンさんが天使の涙を
持ってたからそう思っただけだけど。
下手したらあの天使の涙母親の形見
だったりするんじゃとか (考えすぎ)
詳細はわからないし、仮にそれが元
だったとして今のミーくんのような
状態になるのに何が起こったかも謎。
書いた内容は謎と憶測だらけだけど、
ミーくんはこのままではもう二週間も
すれば死んでしまうと言われていて、
思い当たる場所があるならすぐにでも
届けるしか方法はなかったんだろう。
「…なぁチビちゃん、
日本行ってみるか。」
その先のことを考えれば決していい
ことばかりではないけど、それでも
モクレンさんの選択は正解だった。
あと、空くんがたまに不思議な力を
使ったみたいに感じることがあって
洗礼ってのの影響かもしれない。
ミーくんの元となってる存在
って、一体何なんだろうね。
~ひとこと~
ミーくんの過去が‥あまりに
しんどくて少し息苦しくなった。
そんな一冊でしたが、それでも
本編の後に描かれている番外編や
本編の途中に描かれていた彼らの
日常のお話は最っ高に可愛くて
その辺でかなり癒やされました 笑
正直パックのお話の時も怖かったし
しんどかったけど、過去の話だと
いうのにパックのこと以上に私の
心は大ダメージ受けた気がします。
ミーくん今は砂の中で1人眠って
いるけど、次の日になったらまた
空くんの前に出てきてくれるかな。
またちゃんと笑えてたらいいな。
心から、そう願いながら15巻が
発売するのを待とうと思います。
‥しんどいな 笑
マスター達のことも、きっと
悪い人達じゃないと思うから
きちんと誤解が解けて仲良く
なれる未来を希望してます。