著:空木かける 先生

11巻の最後で悪夢にうなされる
空くんのことを書いたんですけど、
ムクムクがそれを吸ってるわけじゃ
なくて空くんに悪夢を見せている
張本人がムクムクだったみたい。
その悪夢は本来パックの悪夢。
パックが過去に経験した恐怖や
苦しみそのものだったんだろう。
空くんがパックであるように
その夢は進んでって、ひたすら
人に傷つけられ続ける夢だった。
叫び声を上げて目を覚ました空くん。
めちゃくちゃしんどそうだったけど、
この日他月も家に泊まってくれてて
彼のおかげで冷静になれたみたい。
空くんの前に現れたムクムクは
涙を流しながらごめんなさいと
謝るように何度も頭を下げていて、
そんなムクムクに空くんは言った。
「キミはパックの友達だったんだね。」
立秋には伝えてほしくない様子の
ムクムクだったけど、このまま空くん
1人状況を把握しても時間が足りない。
まず他月に伝えようということで
空くんが他月を連れて行ったのは
立秋の住むマンションのすぐそば。
そこには泣く電柱と呼ばれてる
電柱があって、怖がりな立秋は
いつもその電柱がある道を避けて
家に帰っていたんだけど、その
電柱の涙の正体に気付いたから
空くんはここにきたんだろう。
‥本当に、パックが生きてた。
正確にはあの時死んでまた転生
したことでここに存在していた。
パックが殺された時最初は
立秋の差し金だと思って彼を
恨んで死んでいったらしい。
でも転生後に立秋を見た時それは
勘違いだと気付いて呪いをかけて
しまったことを酷く後悔した。
会いたい気持ちも謝りたい
気持ちもあったと思うけど、
もし再び呪いをかけてしまって
今度こそ死なせてしまったらと
思ったら立秋には近づけなかった。
泣く電柱の涙の正体は後悔して大好きな
立秋を心配して泣くパックの涙だった。
ずっとどうにもできなくて悲しくて
苦しくて一人で後悔し続けたんだと
思うと、パックしんどかったろうな。
立秋が呪いに悩まされることが
なくなって本当によかったね。

予言の黒き獣はやっぱりパックで
ある可能性が高くて、でも人間を
怖がるパックとの接触は難しい。
悪魔について知っていることがないか
バアちゃんに聞くことと悪夢で疲弊
してしまってる空くんの元気回復、
あとはパックとムクムクが話をする
時間を作るためにムクムクと立秋を
一時的に引き剥がすことを目的として
翌日から空くんとミーくん、立秋の
3人はバアちゃんの家を訪れた。
ちなみにムクムクと立秋を
引き剥がすのは他月の作戦が
成功したようで容易だった 笑
立秋は狐達と話したいことがあると
いうので、空くんはバアちゃんから
悪魔について教えてもらってた。
そこで、びっくりする新情報を入手。
悪魔の呪いは負のものばかりじゃない。
もし今立秋に会って幸せな気持ちを
感じたなら、立秋の呪いは彼を守る
幸の呪いに変化するかもってこと。
不安がる必要はなかったんだね。
それをムクムク伝いにパックに知らせた
としても、パックがどう思うかはまだ
わからないけど‥それでも嬉しい話だ。
ずっと後悔し続けたことを謝って呪いを
書き換えられるなら‥パックも少しは
救われるんじゃないかなと思った。

空くんと立秋がバアちゃんの所へ
言っている間、他月はモギちゃんにも
事情を伝えできることをしてくれてた。
まずムクムクを通してパックに
神様のお札をつけさせたこと。
多分これで「一枚足りない」
に関しては補えたはずだろう。
あと空くんがバアちゃんから聞いた
呪いに関する話をムクムク伝いに
パックに話してくれたんだけど、
あまり気乗りじゃなかったらしい。
お札は貼ってあるものの一応
15日が終わるまで外を出歩かない
方がいいだろうと、ムクムクから
パックに伝えてくれててパックも
それを了承してくれたようだ。
いろいろと、立秋には内緒で
できることを進めていたけど
予言を覆すってのはきっとそう
簡単なことではないんだろうね。
ムクムクに言われた通り、パックは
住処にしている神社の一角で大人しく
してたけど‥そこに現れたイタチ?
のような生物に話しかけられる。
この場所は危ないから逃げた方が
いいっていう忠告のような言葉で‥
パックは外に出てしまうんだよ。
確かにこの子が言ってたことが
本当ならこのままここにいるのは
危険だったのかもしれないけど‥
こういう時に人がそばにいて
匿ってあげられないのはきつい。
匿って守ってあげられたなら
1人で逃げ出すなんてことも
なかったかもしれないのに。

神様からの立秋へのお告げの内容が
やっと明かされたんだけど、お告げ
というよりおつかいみたいな内容。
「よく聞きなさい。
先負の23時コンビニ
(ハートマート)に行きなさい。
その日は星がキレイですよ。」
どうしてそんなお告げがあったのか
さっぱりわからない立秋だったけど、
先負‥予言の15日の前日の23時に
立秋はお告げの通りにコンビニへ。
その帰り道星がキレイってのを
思い出して空を見上げた所で‥
目に入ったのはパックの姿だった。
パックを見つけた時、立秋も
予言の「その獣帰還したものなり」
っていうのを思い出していた。
確信はなかったかもしれないけどそうで
ある可能性を考えて急いで空くん達に
連絡しようとした時‥パックが撃たれた
ような音がして、目の前にパックの
ツノみたいなものが落ちてきたのだ。
その頃は‥ちょうど15日に
日付が変わった頃だった。
動揺してしまった立秋だったけど、
バアちゃんのところに行った時に
狐がつけてくれたお守りのような
もののおかげで冷静さを取り戻すと、
パックについていたお札を追いかけた。
あの時狐に最近のことを話してて、
そこでいくつか助言をくれていた。
冷静であること以外にも、自分の
命が自分だけのものと思わないこと、
何が起ころうと自分を見失わない
覚悟をつけること‥その他にも
神様のお告げに関するとても興味
深いことも教えてくれていた。
とにかく今は、そしてこれから
起こる出来事の中でもその助言を
しっかり覚えておくべきだろう。
きっとあの予言の出来事はもう
始まってる‥立秋気をつけて。

お告げにより立秋が出かけて
いる間、ムクムクは家で1人
落ち着かない様子だったけど‥
キィンという音と一緒に中に
赤いお札が浮いているのに気づく。
そのお札は町中にすごい数浮いてて
凹十神社の祭神様のお札らしくて、
コレクターが来てるっていうのを
知らせてくれる役割をしてるみたい。
これはもしかしたらそういう種族
にだけ見え聞こえる警報なのかも。
やっぱり西から来る軍団ってのは
コレクターを意味してたのかな‥
お札に反応したようにムクムクは
大急ぎで柏木家にやってくると
窓を思い切り割って家に入った。
おかげでケガをして血まみれだ‥
それだけ大慌てで来たんだろうね。
それとほぼ同時にアーやんからの
警告‥コレクターが来ていると
いうのはどれほどの人数なのか
どこに現れるというのかまでは
全然わからないけど‥不穏だね。
コレクターっていう存在に関しては、
バアちゃんの家から戻ってきた頃に
他月から空くんに話をしていた。
知らないままで今回の件に関わる
のは危なすぎるからと、コレクター
という存在がどういうものかって
ことだけ、最低限を伝えていた。
呼び方や規模は全く把握できて
なかったものの、そういう存在が
いるということは想像していたため
かなり勇気を出して伝えた他月だけど
すんなりとこの話は済んだようだ。
‥でもそれで早速ここで聞くことに
なるとまでは思ってなかったろうな。
不穏、不穏、不穏‥
細かいことがわからなすぎて、
目の前には血まみれのムクムクが
いるし立秋のこともすごく心配。
ただ漠然とした不安だけが
大きくなってってしんどいな。

突然コレクターが来てるっていう
情報、連絡が取れない他月と慌てて
やってきたムクムクの様子を見てて
空くんは神様のお告げを思い出す。
そこで直感的にお告げにあった工場
跡地に立秋がいるかもと思ったのかも。
「ここ任せてもいい?
俺ちょっと言ってくるよ。」
お告げに関して詳細を知らない
他月は何を言ってるんだと焦るけど、
お告げは話してしまうと効力を失う。
狐が言うにはお告げは運命を軌道修正
してくれるもので、神様がお告げをした
時点で未来は大きく変わるんだという。
悪い運命を少しでもいいものに修正
するためのお告げ、もしそれを無視
したら本来の未来よりも悪い未来に
進んでしまうこともあると言ってた。
話してしまったらせっかく軌道修正
してもらった未来の可能性が消えて
あの予言通りの未来になるのかも。
そんな未来、誰も望んでないから、
今彼らにできる最善をいくために
内容は話せないけど‥きっとすごく
心配だったろうけど見送ってくれた。
空くんは空くんにできる精一杯を、
そして柏木家を頼まれた他月も彼に
できることを精一杯こなすだろう。
こういう時に、心配な気持ちとか
とっぱらって見送れるのは彼らの
絆や信頼の強さだなってよく思う。
本当に大丈夫であってほしい。
今回の一件をみんなで乗り切って、
またみんなで笑えるよね、きっと。

空くんが受けたお告げの場所に
行って立秋と無事合流できた。
あと、気付いたらムクムクも
ついてきちゃってたらしい 笑
きっとパックのことも立秋の
ことも心配だったんだろうな。
合流した時点で、立秋は既に1人
コレクターに遭遇していて難なく
撃退できてたんだけど‥きっと
これも冷静になれていたからこそ
できた行動だろうなと思うよ。
合流してからも少しヒヤッと
するシーンもあったんだけど、
一先ずコレクター達がいる部屋が
見える屋根裏まで無事やってきた。
パックが見当たらず安心する立秋
だったけど、その部屋には血で赤く
染まったパックが入りそうな箱が‥
その中身がパックである可能性は
きっとそう低くはないのだろう。
すぐ下にはコレクターが3人いる。
この建物付近には、もしかしたら
もっと大勢潜んでいるかもしれない。
考えれば考えるほど怖いけど‥
こんな状況でも立秋は冷静に
動けているような気がしてる。
多分どちらかというと空くんの
方が焦ってしまってる気がする。
普段怖がりなのに、今は少し
立秋の存在が頼もしく見えます。
~ひとこと~
なんとも不安だらけですが、
ここで12巻は終わりです。
ラストに、空くんやミーくん達を
心配してくれたのか山田さんが
柏木家にやってきた描写があった
けど‥今後が怖すぎてしんどい。
きっと嫌でも危険な目にはあって
しまうだろうと思うけど、それでも
どうかみんな無事でありますように。
次巻では‥私が胃痛にならずに済む
穏やかな日常に戻れたらいいな 笑