著:空木かける 先生

キャンプ場ではすごく楽しい
時間を過ごして‥疲れて早々に
眠ってしまった立秋は0時前に、
目を覚ましてトイレに立った。
テントに戻ろうとした時、
すぐそばに人魂‥というより
火の玉みたいなのが浮いていて
そちらを見ると和服の女の子。
「こんな夜中に1人なのぉ?
子供が一人じゃ危ないよぉ?」
その後のことははっきり描かれて
いなかったけれど、立秋は何か
恐ろしいものを見たんだろうね。
ギャーッと悲鳴を上げ、その声に
目を覚ました空くんが様子を見に
テントを出て外の異変に気づいて
立秋を探しにテントの外へ出た。
そこからはうん、いろいろあった。
少し後、他月がテントの中で目を
覚ました辺りのシーンはめっちゃ
ホラーで私自身結構ビビりました 笑
テントの外は歪んだ妙な世界に
なってしまってて、一度そちら側へ
入ってしまったら結界で向こう側へは
戻れない‥そんな状態になっていた。
他月はコニーやモギちゃんにこっち側に
来るなと忠告するけど2人とも入って
きてしまって、テントにはいさおと
アーやんだけが残されることになる。
他月いわく、あの火の玉っぽいのは
狐火で狐に化かされてるんだと言う。
一番最初に悲鳴を上げた立秋はと
いうと‥例の女の子‥もとい化け狐に
脅かされて森の中に入ってしまってた。
もうそこら中奇妙なお化けだらけで、
助けを求めたくてもここには自分1人
しかいない‥隠れていたけど見つかって
しまい立ち向かわなきゃと思うけど、
どうしたらいいのかわからない。
そんなタイミングで‥空くん!!
来てくれたーーーーーーーー!!!
ちょっと、私もこういう怖いのは
ほんっと苦手なので空くんがヒーロー
に見えて一瞬で落ちましたよね ♡ ←
空くんかっこよすぎるでしょう!!!!
他のみんなも、その少し後には
合流することができて一安心。
狐達には決して悪意があったわけでは
なくて、ホラースポットとしてここが
有名になれば人がたくさん遊びに来て
くれて人間と共存できると考えての
行動だったみたい‥逆効果だけど 笑
決して悪い子達じゃないんだよね。

元いたテントのところまで狐達に
道案内をしてもらっている最中‥
人間の匂いを察知してそこに現れたのは
山姥、会ってはいけない三種族の1つ。
バアちゃんみたいな人が好きな山姥
ってわけにはいかないようだった。
明らかに空くん達を食べようとしてて、
頭を使ってなんとかスキを見つけて
逃げようとするも失敗してしまって
思いきり攻撃を仕掛けられることに。
ムクムクのおかげで山姥にスキが
出来たことで拘束しようとするも、
騙されたんだと涙を流しながら怒る
山姥を見て空くんは力を緩めてしまう。
「ごめんなさ…。」
昔バアちゃんが教えてくれたこと。
山姥はこの世への未練や憎しみから
生まれるもので、満たされない心を、
消化しきれなかった悲しみを埋める
ために人を食べようとするんだって。
だから、怖い存在だとわかってても
涙を流す姿に動揺してしまったんだ。
でもそんな空くんにできたスキに山姥は
拘束をとき襲いかかろうとして‥突然
現れた他の山姥によって阻止された。
「何やってんだお前はァ!!」
その山姥の正体は、空くんが大好きで
ずっと会いたかったバアちゃんだった。
思いもよらない、突然の再会。
時間は経ったけど、きっと今でも
人が大好きな優しいバアちゃんだ。

狐の幻術の影響でテントがある場所
までは結構な距離があるとわかって、
その日はバアちゃんの住んでいる
家に泊めてもらうことになった。
立秋とモギちゃんは疲れて先に寝て、
他月も空くんとバアちゃんが2人で
話せるように気を利かせてくれた。
2人になって、空くんはずっと
気になっていたことを尋ねる。
「どうして急にいなくなった
のか、聞いてもいい…?」
そこからは、バアちゃんが山姥として
生まれてからのことが描かれていた。
人は彼女を見れば嫌い、恐れて
山へ帰れと攻撃してきてたけど、
バアちゃんは最初から人を襲っても
満たされないとわかっていたから、
決して人に手を出しはしなかった。
そんなバアちゃんが、自分を見ても
怯えることも逃げることも、攻撃して
くることもない‥むしろ折れた角を
心配してくれるような子供に出会う。
それがまだ幼かった頃の空くんだ。
もしかしたら、他の山姥のように本能の
まま人を襲っていたら山姥としては楽
だったのかもしれないけど、そんなこと
したくないバアちゃんにとって空くんの
存在は大きな救いだったかもしれない。
家に招かれ、懐かれて、空くんの
家に通ううちに親が保護官だと知って
気づかれたら殺されるかもしれないと
いう恐怖だってきっとあったろうに、
それでも空くんが喜んでくれるのが
嬉しくて通い続けていたんだろう。
もうやめないとと思うのに、帰り際
寂しそうな顔を見せる空くんを見て
また明日来ると言ってしまってた。
でも空くんが引っ越すという頃に、
バアちゃんは空くんと話をしたくて
モクレンさんのいない時間を狙って
家に行こうとして‥見つかった。
バアちゃんは空くんに、急に
いなくなった理由を人に見られた
からだと言っていた‥嘘じゃない。
でもその人はモクレンさんだった。
威嚇するような、険しい表情を
向けられて‥バアちゃんはその場
から逃げることしかできなかった。

バアちゃんがモクレンさんに見られた時
モクレンさんは何かを言いかけたのか
口を開いて‥何も言わず息を吐いた。
きっと誰かがずっと家に通って空くん
と一緒に過ごしていることは気付いてた。
それで空くんが嬉しそうにしてるのも
きっと彼は気付いてたんじゃないかな。
バアちゃんが危険な山姥じゃないって
ことも知ってて、それでも山姥という
存在に対して保護官として無警戒に
接することはできなかったろうし、
大事な息子のそばにいる存在として
信じ切ることもできなかっただろう。
保護官っていう仕事も大変だよね。
それでも‥父親としてはきっと
すごく感謝もしていただろう。
モクレンさんが口にしたありがとうは、
ちゃんと山姥のバアちゃんだとわかった
上で口にした言葉じゃないかなって思う。
もしかしたらあの日言いかけてやめた
言葉が実は「ありがとう」だった
って可能性だってあるしね。
私は、そうだったらいいなという
願望もあってこう言ってますけど 笑
もう思い残すことはないと思った
直後に伝えられたとても嬉しい言葉。
そしてまた空くんと会えるという希望。
まだまだ、バアちゃんはこれから先
嬉しい思いをいっぱいしていいと思う。
そして空くんも大好きなバアちゃんとの
思い出が苦いまま終わらなくてよかった。
きっとこれから楽しい思い出がたくさん
増え続けていく、これからが楽しみだね。

立秋が怖がりなの察してジイちゃんは
言わずにいてくれてたけど、バアちゃん
するっと全部言っちゃってびっくり 笑
そう、首のアザも、黒いモヤも全部
悪魔に呪いをかけられたって証みたい。
それにあの悪夢もきっと呪いが原因。
呪いを解くためには、天使の涙を二粒
飲めばいいとバアちゃんは教えてくれた。
天使がどこにいるかわからないし役に
立てるかわからないけどとは言ってた
けど、そうやって解く方法があるって
情報は大きな収穫だったかもしれない。

人との共存を望んでいる狐達に
対して立秋はある提案をしていた。
ホラーだと好きな人は好きだけど
逆に人が寄り付かなくなるからと、
ちょっとの刺激を味わえる不思議
スポットにしたらいいかもって。
狐達にどんなふうに伝えてたのかは
わからないけど、帰り際に叔父さん
達にもそれとなく伝えてたようだし、
叔父さん達が不思議スポットを発見
する最初の人になってくれるだろう。
怖がらせるんじゃなくて、人を
幸せにする空間を作ってくれるなら
そのうち人が集まるようになるかも。
狐達の願い、いつか叶うといいね。

バアちゃんから呪いの話を聞いて、
立秋はずっと悪魔のことを考えてた。
悪魔と関わった記憶なんてないけど
もしかしたら‥と思い出したのが
昔飼ってた黒いうさぎのことだった。
名前はパック、ここで初めてそれを
聞いて空くんはあの短冊のことを
思い出したんだろう‥でもバックの
中からムクムクが無言の圧をかける。
何も言うなっていうみたいに。
だから空くんは知らないふりをした。
ムクムクは何かを知っていてそれを
立秋に知られたくないと思ってる。
ムクムクと話すことはできないし、
もし話せても教えてもらえないかも
しれないけど‥ムクムクは立秋のこと
大事に思ってると思うし、今はそう
するのが立秋のためなのかもな。
~ひとこと~
9巻はとにかくバアちゃんのことが
すっごく良かったなーと思います。
あと空くんかっこよかったです。
とてもかっこよかったです!!笑
呪いに関して、ムクムクに関して、まだ
立秋に関することでは謎が多い状態だけど
それも少しずつわかって来ると思います。
あの短冊のパックって書いてた方の内容、
「もっといっしょ」って‥もしかしたら
もっと一緒にいたかったって意味かなと。
だって‥死んでしまったって話だった
けど立秋はパックのことが大好きで
すごく可愛がってたみたいだったし。
そういう愛情はちゃんとパックにも
届いてくれてたらいいなと願った。
それでは、また次巻で!!