ミイラの飼い方 第3巻

著:空木かける 先生

他月のところの小鬼とミーくんを
会わせてみることにしました。
最初は探り合ってる感じだったけど
最終的には仲良くなれたみたい。

「そういえば他月、
小鬼の名前どうするの?」

そんな空くんの発言に最初は消極的な
態度だった他月だけど、話を聞きつけた
小鬼は物欲しそうにじーっと見てくる。

仕方なく、といった感じで
他月は小鬼の名前を考え始める。

他「じゃあ『田中』で。」

他「なら佐藤にしよう。」

他「じゃあ一郎、二郎、三郎四郎。」

空「五郎なんて言わせないからね。」

最初はこんな感じで、あまりにも
適当な名前というより苗字をつけ
られそうになっていたんだけど、
まっすぐにじーっと見つめ続けて
くる小鬼を見て、他月なりに真面目に
考えてみることにしたんだろう。

命名『コニー』

名前コニーも気に入ったみたい ♪
その後少しして帰ろうとする他月は
思い出したように空くんにメモを渡す。

小鬼について、何を食べるかとか
気をつけなければいけないこととか。

一緒に生活するために必要な情報をメモに
まとめてあって‥結構びっしり細かいこと
まで書いてあって、空くんつい顔が 笑

(嫌いとか言いながら、
飼う気満々なんじゃん…)

って心の声が丸見えみたいな表情。
でもそんな空くんとは裏腹に、他月の
表情は随分と不安そうなものに思えた。

コニーは居眠りから自分のくしゃみで
目を覚ました 笑 でもまたゴロンと
横になって今度は狸寝入りを始める。

でも名前を呼ぶと、勢いよく起き
上がってそのまま他月の手の上に
乗っかってきた‥何これコニー
可愛すぎてるんだけど ♡♡ 笑

「~~……っ、お前
面倒くさいな…。」

なんて言う他月の手をげしげしと
蹴飛ばすコニーに対して今度は

「暴力的、図太すぎる、愛嬌
がない、ワガママだしほんと
可愛くない奴だなお前は。」

口ではそんなことを言ってるけど、
表情は言葉とは裏腹に可愛くて
仕方がないと思ってるような、
随分と嬉しそうな表情に見えた。

空くんに貰ったミーくんぬいぐるみを
大事そうに抱えて寝てる姿を可愛いと
思っていた。コニーが寝ている間に
頭を撫でてあげてることもあった。

ほんとは嫌いなわけじゃないって
きっと他月は自分でわかってるんだ。

まだ他月が小学生の頃、ドラゴンに
会ったことがあって、空くんに見せ
たくて連れて行こうとしたことがある。

でもそれは実現しなかったらしい。
きっとその時の出来事が原因だろう。

別にコニーが悪いわけではない、
もちろん嫌いなわけでもない。

でも近づきすぎて、コニーに何か
あった責任が自分に来るのが‥と
言ってるけど多分自分のそばにいて
何か酷い目にあってしまった時に
どうにも出来ないから遠ざけたい
って気持ちのが強い気がしてる。

それならちゃんとそういう種族に
詳しい空くんに頼らせるべきだって
思ってるとこもあったかもしれない。

それくらい、彼の抱えてる問題はこう
いう種族にとって深刻なんだろう。

空くんが風邪で高熱を出した。
39.1℃‥絶対にしんどいよね。

周囲にうつしてはいけないからと一人
部屋にこもろうとする空くんだったけど、
ミーくんはそばを離れたがらなかった。

夜中に咳き込んで苦しむ空くんを
見て、ミーくんなりに看病しようと
頑張ったんだろうね‥でもタオルは
ミーくんには重くて、それを水桶まで
持っていくことどころか、タオルを
濡らして絞ることは出来なかったろう。

そう思ったミーくんは、自分の体を
タオル代わりにしようと思ったのね。
夜の間ずーっと、何度も何度もね 笑

ミーくんなりの必死の看病だった。
朝起きた空くんは、なぜか湿ってる
ミーくんがおでこに乗っていたと
いうことには気付いたけどその理由
までは気づけなかったんだろう。

この漫画を読んでいる人にだけに
わかるミーくんの頑張りでした 笑

ほんと、この子なんて愛おしいの‥

空くんは無事元気になりました。
でも代わりに、ミーくんが風邪を
ひいてしまったみたいです 笑

ミーくんが風邪をひいて‥寒いのに
外へ出たがると思ったら今度は穴を
掘り出して、最終的にはポチが掘って
くれた穴に潜って出てこなくなった。

突然の事態に頭がついていかない 笑

お昼頃に潜っていき、夕方になっても
一向に出てくる様子がないミーくん。

きっと大丈夫だって、きっと土の中で
風邪を治してるんだってまるで自分に
言い聞かせるようにポチに言う空くん。

ポチはそれに気付いてか、逆に大丈夫
だよというように空くんの手を舐めた。

「どうしよう……ミイラなら
大丈夫だと思ってた。もし…っ
…これでもしミーくんが 」

半泣きになって叫んでいた所、ぽこっ
とミーくんが土の中から飛び出した 笑

きっとずっと不安になってたんだと思う。
結果的に無事出てきたし元気になってた
からいいけど‥こんな彼を心配して様子
を見に他月は来てくれたんじゃないかな。

ずっと一人で不安になってた気持ちごと
わかってくれる他月の言葉、きっと空くん
すごく嬉しかったんじゃないかと思った。

ミーくんが風邪を引いてしまった日の
朝空くんは他月に電話をかけていた。
自分の風邪は治ったけどミーくんが
心配だからもう1日休むという内容で。

その電話を聞いて、他月が止めよう
とする手を叩いてコニーは家を出た。

もちろん他月は話を聞いて出ていった
なんて気付くわけもなく、ワガママな
態度で手を叩き出ていったやつだと
感じてしまっただろうから怒った。

「勝手にしろ、二度と戻ってくるなよ。」

でもその理由が、本当はミーくんを
心配して薬草を取りに行ったんだと
この時気付かされることになった。

コニーが大量の薬草を届けに来た時には
ミーくんは元気になってて、それを知った
コニーは他月に思い切り八つ当たり 笑

コニーがやってくる寸前まで他月は
勝手に出ていったコニーに対して
清々しただなんて言ってたたけど‥
この後、一緒に帰っていきました 笑

いまいち素直になれない他月です。

ある日の空くん買い物からの帰り道‥
歩いているとそこにあった家(茂木家)
からモギちゃんが突っ込んできた 笑

その理由‥モギちゃんは虫とかは全然
平気なんだけどどうやらトカゲが極度に
苦手なようで、家の中に巨大トカゲ(仮)
が現れたと大暴れしていたようだった。

トカゲを逃がすために家の中にお邪魔
した空くんの目に飛び込んできたのは‥
びっくりするくらい荒れた光景だった 笑

空くんはひっくり返った下駄箱の中に
避難してたその子を見つけたんだけど‥

「嘘!?ドラゴンだっ!」

トカゲ(仮)の正体はドラゴンだった。

この子最初は二階のモギちゃんの
部屋にいて、モギちゃんがあまりに
動揺して怯えるものだからこっそり
窓から外へ逃げようとしてたんだ。

でもモギちゃんが慌てすぎて
階段から落ちた音を聞いて、
心配になって戻ってきたみたい。

「ねぇ茂木さん、手とか膝…
どうかした?あの子がやけに
何か心配してるみたいで…。」

ドラゴンが一生懸命それを伝えてきた。
モギちゃんが心配で仕方ないみたい。

人から隠れて、困った時には自分達の
存在を知ってる人間の前に現れる‥

そういう存在がモギちゃんの前に
現れた理由はわからなかったけど、
この子はモギちゃんのこと好きみたい。

彼女の中でトカゲ疑惑は消えない
ままだったけど、この子とはすっかり
打ち解けて仲良くなれたみたいだね。

ドラゴンの存在をモギちゃんが
知ったことで、空くんからこういう
種族について説明することになった。

そのために空くん宅に移動して、
そこに他月のことも呼び出した。
ドラゴンは希少種らしく、きっと
見たら喜ぶだろうと思ったみたい。

でもドラゴンを見た他月は酷く怯えた
ような‥随分辛そうな表情をしていた。

ところどころにあるドラゴンの傷、
これはモギちゃんが暴れたのとは
関係なくその前からあった傷だろう。

「ああ…悪い、初めて見た
から少し驚いた。想像して
いたよりも小さいんだな。」

そんなごまかしの後、ほんの少し前通話
したばかりなのに携帯をバイト先に忘れて
きたと嘘をついて他月は柏木家から出た。
その嘘に空くんも気付いたようだけど‥

(他月のことだから何か事情が
あるのかな?気づかないフリ
しておこ。言わないってことは
言いたくないんだろうし。)

そう思って空くんは気づかぬフリを
した。これも2人の信頼関係がある
からだし、さらに空くんの優しさで
そして強さなんだろうなと思った。

この後他月はカエデさんに頼ろうとする。
空くんは知らないそういう人間について
カエデさんは知っているらしい。そして
他月も。なんだかんだ温かく可愛らしい
お話がこれまでは多く描かれてました。
あってもせいぜい丘森の件くらいで。

でもここから、こういう種族にとって
本当に怖いものが少しずつ明かされそう。
そして他月が抱えてしまってる秘密も。

~ひとこと~

コニーにしろ、新キャラのドラゴンに
しろ、ミーくん以外にも本当に愛らしい
キャラクター達に溢れてて癒やされます。

でもそれだけではなく、このお話には
まだまだ闇部分が多くあって、少しずつ
明かされていくことになるでしょう。

アニメの方では、まだ軽い紹介程度に
しか描かれていなかった部分に思います。

原作の漫画を読んで、本当に苦しいとも
思ったし、それらと戦う他月や空くん‥
そして他にも心強い仲間たちを知って、
前以上にこの作品やキャラクター達
のことが大好きになりました。

この作品の魅力を、少しでも読んで
頂けた方にお伝えできたらと思います。