小林さんちのメイドラゴン 第11巻

著:クール教信者 先生

ある日恋愛ドラマを見ていたトールが
小林さんに妙なことを言い出した 笑

「私達も結婚から次の段階へ
進むべきじゃありませんか?」

結婚しましょう的なことを言ってくる
かなとは小林さんも想像していたけど、
トールから出たのは斜め上をいく発言。

すぐ小林さんにいろいろ否定される
ことになったトールだったけど、多分
この時の会話がきっかけだったと思う。

職場で滝谷と結婚について話していた。

滝谷は両親からはやはりそういう話を
されるようで、でもファフくんのおかげで
一応その話からは逃げ切れたみたいだ。

あの頑固者が女に化ける日が来るとは 笑
まあそれはともかく、滝谷も小林さんも
結婚とは無縁だなって考えてるみたい。

でもその話に入ってきたエルマは
随分と真剣に熱弁してくれた。

エルマの言い方は、まるで
自分には一緒に生きる相手が
選べないみたいに聞こえた。

なんだろう、ちょっと不安。

エルマ達と話したその日の夜、家に
帰ると小林さんはトールに内緒の話が
あるからと背に乗せてもらい上空へ。

もしかして‥離婚!?
なんて慌てるトールだったけどそもそも
2人は離婚どころか結婚すらしていない。

「トール…お互いの関係がどうの
こうのなんてさ…途中で考えてたら
面倒になってたよ。お互いの気持ちが
わかってればいいんじゃないかな。」

そう前ふりして先にトールの気持ちを
確認すると、大好きだと即答されて、
小林さんこういうの改めて言うのは
照れくさかったんだろうなって思うけど
そこはちゃんと言葉にして伝えてくれた。

その好きの意味ははっきりわからなくても
きっと小林さんにとってトールって存在は
この先も共に生きたい子なんだろうなって。

そういう気持ちははっきりしてるからこそ
改めて伝えようと思ったんじゃないかな。

そしてこの先どうなっていくかってのは
小林さん自身なるようになれって考えだし
もしかしたらいつか本当に結婚なんて
ことになる可能性もゼロじゃないかも。

恋愛も結婚も自分とは無関係のことと
思って生きてきたのかもしれないし、
今はトール達と過ごすことで少しでも
そういうことを考えられるようになって
小林さんにしては大きな成長だったかも。

一先ずトールは小林さんも自分のことを
好きでいてくれてる=両想いってとこで
充分幸せそうなので良しとしようか 笑

「ここは誰?君はどこ?」

ある日見知らぬ場所で見知らぬ人に
起こされて大慌てする小林さん。
混乱の仕方が可愛らしかった 笑

正しくは人ではないし、この場所も
小林さんの魂のスペースを借りて
作った空間だと彼は言っていた。

えーっと『彼』でいいんだろうか。

そもそも性別なんて概念の
存在なのかもしれないけど‥
呼び方に迷うので彼って
書かせてもらいますね。

最初は混乱してわからなかったけど、
落ち着いてきた小林さんには彼の
正体が何者かわかったようだった。

「ちょっと前から私に語りかけてきて
いた…トールに刺さっていた神剣…!」

あー‥やっぱりあの神剣小林さんの
中に入り込んでたみたいですね。
引き抜かれたことで消滅しそうに
なって入り込んだと彼は言ってた。

「で…そのままここに留まってたら
つい先日こうして物心がついて
しまったんだ。つまり――」

彼は元々トールを殺すための存在で、あと
つまり―とか言ってる顔がとても怖かった
のもあるんだけど恐ろしいことを言い出す
のを小林さんも想像していたんだろう。

なのに

「つまり君は我のママに
なるわけなのだが。」

「君が我の自我を
育ててくれたわけだから。」

可愛らしい表情で目をキラキラ
させながらそんなこと言ってくる 笑

可愛らしいけど、やっぱり本質は竜を
刺し貫くことを目的とした神剣なわけで
もし神がそれを命じたならトールや他の
ドラゴン達が危ないのかもしれない。

もちろん不安はあるし、そこに神剣自身の
意思なんて関係ないのかもしれないけど‥

少なくとも小林さんのそばにいて
自我を芽生えさせたおかげか彼自身の
意思に物騒なことは何もなかった。

この先のことはわからないけど、今
小林さんのそばにいるこの子に悪意が
ないってことだけは少し安心できた。

この後ちょっといろいろあって小林さんの
寝室の壁が大爆発を起こすことになるが‥
大丈夫、トールが元に戻してくれたよ 笑

滝谷が作る同人ゲームの和やかな雰囲気の
シナリオが気に入らなかったファフくん。

まあ、あのファフニールですからね 笑
シナリオは他の人が作ってくれたもの
だそうで変更はしないかなーと言われ

「どうやらお前とは決別
する時が来たようだな。」

もう帰ってくるつもりはないとばかりに
滝谷宅から出ていってしまうファフくん。

「夕飯までには帰ってきなよー。」

普通に帰ってくるのを想定して
見送る滝谷‥何この温度差 笑

こうして次の拠点を探そうと歩き回る
ファフくんだったけど、滝谷宅での生活は
きっとすごく居心地よかったんだろうね。

ずっとゲームできるし、新作ゲームも
買ってきてくれるし、ファフくんの味の
好みを把握してファフくん用に甘口の
カレー作ってくれるしこんな態度でも
怒らないしあんな優良物件他にないよ 笑

それでも滝谷に対してイラッとしてしまう
のにはきっと別の理由があったんだろうか。

歩き回った先に偶然にも新しい拠点を
手に入れたと浮かれるアーザードを
見つけたファフくんは自分もそこに住む
と言わんばかりに着いてくんだけど‥

掃除をするために呼ばれたジョージーさん
とアーザードの間に流れる空気はきっと
ファフくんが苦手に感じるものだったろう。

最終的に行くあてなんてなくて、
当たり前のように滝谷宅へ帰宅。

すると気に入らなかった同人ゲームの
分岐シナリオを作ることでファフくんの
希望を叶えようと滝谷が頑張ってくれて
いたことを知らされることになって ‥
また気に入らないって思ってしまう。

きっとファフくんは安心とか優しさとか
愛情とか、そういうものをこれまでは
拒んできたようなドラゴンなのに人と
関わってそういうのを少しずつ知って、
今では周りに当たり前のように存在する
ものになっていてその心地よさにも少し
気づき始めてる自分を受け入れられない
だけなんじゃないかなーなんて思った。

いつかは素直に受け入れられるように
なったらいいのに‥でもまだしばらく
時間が必要かもしれないね 笑

カンナに会いにやってきたカンナ父。
父娘が公園で遊んでいる、本当なら
微笑ましい光景だったはずなのに‥

「カ…カンナさんが大男に襲われて…。」

誤解した才川に通報されそうになった 笑

その後父親だと説明してもいまいち
信じられない様子の才川だったけど、
しっかり父親らしいことも言ってて
ちょっとだけでも才川にわかって
もらえてたら良いなと思った。

人と関わるドラゴンとしては良い変化、
でもドラゴンとしては危険な変化だと。

テルネに気をつけろとカンナ父は言った。
エルマのだーいぶ離れたおばあちゃんね←

確かに彼女はちょっと危ない感じの
あるドラゴンだとは感じていたけど、
なにか企んでるんだろうか、テルネ。

しんどいことにはならないといいなと
願ってしまうけど不安なことはある。

いろいろ、大丈夫だといいな。

滝谷とエルマと3人で飲み会の予定
だったのが滝谷の急用でエルマと
小林さん2人で飲みに行くことに。

これまでたくさん旅をしてきたエルマが
今も旅の途中で立ち寄った場所の1つと
思っているようなことをエルマが言った。

すぐにまたどこかへ旅に出て
会えなくなってしまうような。

また旅したい?って小林さんの質問に、
許されるならしたいという気持ちはある
みたいだけど、テルネが厳しいみたいで
簡単に旅に行ける状態でもないみたい。

「この前さ…トールもまた度に
出たいって言ってたよ。2人でまた
一緒に行くのもいいんじゃない?」

そんな言葉に驚いたのはエルマ。
小林さんが何でもないことみたいに
トールが旅に出ることを受け入れて
話したことに対してだったと思う。

小林さんはちゃんと考えた上でいいって
思ってる‥離れるのはきっと寂しいけど
それでもきっとまたいつか会えるだとか、
そこそこ長く会えずとも関係は変わらない
だとか‥そういう安心感があるのかな。

きっとまた会えるでしょ、っていう
信頼が1番大きいのかもしれない。

でもエルマは、離れてしまうことに
怯えてるんだろうか‥小林さんのことを
一緒に連れていきたがる素振りを見せた。

最後にエルマが口にしたごめんは何の
ごめんだったんだろう‥エルマは一人で、
みんなを置いてどこかへ消えてしまうの?

ある日突然有給をとったエルマは
トールに遊びに行こうと声をかけた。

2人でいろんな場所へ行っていろんな
もの買って、食べて‥そんな時間を
過ごす中で、何か話があるのにそれを
話すのを先延ばしにしたがるエルマ。

トールはその理由に検討が
ついてしまったようだった。

ちょうど同じ頃、珍しく早めに仕事を
終えて小林さんが帰宅すると家には
テルネ、と昔イルルを殺しにやってきた
ドラゴン・クレメネがやってきていた。

というか勝手に侵入してきてた 笑
クレメネが来たのはテルネがこれから
話をするにあたり屠龍派のドラゴンの
立ち会いが必要だったからと言ってた。

屠龍派ってとこのドラゴンなのね。

その話の内容ってのが、エルマの
政略結婚について、エルマは旅をして
きたのもテルネに無理を言ってさせて
もらってたみたいな言い方をしてた。

テルネの言いなり、逆らえない。
わがままを言って旅をして、今も
わがままを言ってここにいさせて
もらってたからもう逆らえない。

みたいに感じたのは私だけだろうか。
きっと小林さんと飲んだ日のごめんは
このことを思っての言葉だったんだろう。

これまで人と関わりながらエルマは
確かに人の中に馴染んで生活してきた。
そこでいろんな信頼関係も得ただろう。
楽しいこともたくさん知っただろうね。

この政略結婚が決まって動き出したら
エルマはもういなくなるんだろうか。

テルネが言うには、これまでの日常とか
関係を奪ってしまうことになるという。
それらと引き換えにする価値があると。

価値と、エルマの意思はきっとイコール
じゃないよな‥じゃなきゃトールに話す
のを引き伸ばすこともしなかったろうし
小林さんに対してもはっきり伝えられた。

嫌なんだろうよ、本当は。
一緒に生きる人は自分の気持ちで
決めたかったんだろうよ、本当は。

「「気に入らない!」」

トールはエルマの、小林さんはテルネの
話を聞いて2人ともそう叫んでいた。

そういう反応をされるのはテルネとしても
予想はできていたみたいで、もしかしたら
初めから勝負で負かして文句を言わせない
ようにするつもりでいたのかもしれない。

この後小林家にいたテルネはトール達の
いる場所まで行ってトールに勝負を挑む。

ババアだのおばあ様だの呼ばれて
精神的にはダメージ受けまくりの
テルネだったけど、最後のページで
倒れていたのはトールの方だった。

負けちゃったのかな‥多分結構
いい勝負をしてたんだと思うけど。

エルマは、本当にこのまま一人で
消えてしまうつもりなんだろうか。

~ひとこと~

ちょっとばかし不安に感じる部分は
あれどわりとほっこりした気持ちで
読んでいた前半に比べて、後半は
どんどん不安が大きくなっていった。

エルマがこの先どうなってしまうのか
勝負には負けてしまったのか、正確な
判断ができないとこで終わりとか辛い‥

大丈夫だといいな、ドラゴン同士の
問題はもちろんあるとは思うけど、
人とも大きく関わってきたんだよ。

人とドラゴンの仲も‥小林さんが動いて
何とかなるものなのかは正直わからないし
あまり期待できないかもしれないけど、
どうにか‥勝手に期待してしまうよ。

そういえば神剣が、外の世界をしっかり
見たいから具現化して使ってみないか
みたいなことを言ってたんだよね。

一度試そうとして‥制御できず大爆発
起こすはめになったんですけど 笑

それが成功したら、本当は戦いで解決
なんてしたくないだろうけど解決する
ための手段を増やすくらいのことは
できるのかもな―なんて考えてました。

異種族の交流って、こういう時本当に
どうしたら良いかわからなくて苦しいな。

長くなりましたが、また次巻で
どうお話が進むか不安もありますが
楽しみに待っていようと思います。