小林さんちのメイドラゴン 第8巻

著:クール教信者 先生

カンナの父・キムンカムイ。そして
いつからいたのか、一緒に来たらしい
アーザードという青年‥彼の正体は
キムンカムイの軍の軍師だという。

2人がやってきた目的は、悪さをして
追放された娘を許して迎えにきた‥
なんて優しいものでは全く無かった。

「必要になった、そういうのが近いか。」

カンナの思いなんて全く気にしてない。
追放の原因になった話だけど、カンナが
壊してしまったらしい龍玉に込められて
いた力が今はカンナの中に流れ込んでいる
ためそれを抽出するためにカンナを連れて
帰るという‥まるで道具のような扱いだ。

ドラゴンの価値観はよくわからない。
でも、カンナが人間の価値観に似た
親の愛を望んでいることを知っている
小林さんからしたら、全く納得の行く
話ではなかった‥小林さんは激怒。

「人間の価値観覚えて出直して
こい、このクソ野郎。」

小林さんのこういう所すごいって思う。
本当ならドラゴン相手にこんな態度を
とるなんて恐ろしくてできないよね。

言った後、怒ったキムンカムイの迫力に
気圧されながらも小林さんは折れない。
何より、カンナを思っての行動だった。

キムンカムイがその言葉の理由を理解して
くれることはなく、小林さんに対し敵意を
向けたキムンカムイを睨みつけるトール。

この場で闘いが始まってしまいそうな
勢いを止めたのはアーザードだった。

「こちらが妥協しましょう。我々は
最初から龍玉さえ手に入ればいいの
です。それは争わずともできます。
カンナ様を手元に置かずとも。」

小林さんの思いは届かないままだった。
ちょうどその時学校から帰宅したカンナ
‥話を聞いていたのかもしれないね。
アーザードの提案を受けるから褒めて
ほしい‥、娘の小さな願いだった。

でもそれも届くことはなかった。
この場で争いが起こることは防げ、
カンナが道具にされるために親元へ
帰ることも無事防げはしたけど‥
今のままじゃ、いろいろ悲しい。

これまで何度か命をかけてきて、結果
今も元気に生きてるけどそれは決して
自分の力ではなくトール達がいたから
乗り越えられてきた出来事達だった。

自分はか弱い、人間の女でしかない。
それでも、気持ちの面では対等で
いたいと真っ直ぐでい続ける彼女。
そこに強さが伴わない‥それが問題。

そんな話をファフニールさんとして
いたそこに偶然現れたのが専務。
翔太くんの父で魔法使いの彼から、
なんとも心強い提案をしてくれた。

そう簡単なことではないだろう。
でも‥小林さんの芯の強い心と
まっすぐな思いで、きっと努力
すれば彼女なら出来るかもしれない。

知識の話なら、この専務のおかげで
ある程度は既にあるかもしれないし。
この後小林さんの魔法特訓が始まる。

「三日修行してワンパンで
やっつけるコースでいこう。」

とはいえ、そのために大切なものを
犠牲にする必要があると彼は言った。
それが何かわからないけど‥きっと
大丈夫だよね? 頑張れ小林さん!!

今回のキムンカムイの軍と戦争になりそう
だという軍にいるルミネースというドラゴン
は調和勢で、理由もなく自分達から争いを
起こしたりする勢力のドラゴンではない。

過去にドラゴンの争いで両者大きな痛手を
負ったという話にもアーザードが関わって
いて、その時も今回のようにその勢力の長は
アーザードを信頼し彼の意見に頼っていた。

魔法使いであるアーザードがドラゴン
同士の戦いを煽っているのではないか
という過程にたどり着いたトール。

それでイルルが探ってくれたんだけど‥
その日イルルは大怪我をして帰ってきた。

その日イルルが見たのは、アーザードが
ルミネースの軍に対してもキムンカムイ
の軍との闘いを煽っている光景だった。

ルミネースと話した後、何事もなかった
ようにキムンカムイの元に戻ればまた
こちらでも急ぎ闘いの準備を進めさせ
ようとする‥どこまでも恐ろしい男だ。

「好きなんだよ…ドラゴンが苦しむ姿が。
ズタボロになって死んでいけば最高だ。」

「こんな雑なやり方で対立してくれる
んだから救いようがないよ。相手の
ことを思う感情を使う気がないから
ここまでいいように操れるんだ。」

この魔法使い、酷く歪んでいる。
イルルに見張られていたことにも彼は
気付いていて、帰り際口封じに襲われた。
本当なら一人間である魔法使いにドラゴン
がそう簡単には負けないはずだろう。

でもドラゴンを殺すことしか考えてない
という彼は随分対策していて、イルルが
彼を止めるのは不可能な状況‥命からがら
その場所から逃げ帰ってきたようだった。

キムンカムイから手紙が届いた。
カンナに宛てて、帰ってこないか
という内容が記されたものだった。

「一方的に追放して不義理を働くような
物言いでもお前がこっちに戻ってくる
なら…親子の情とやらの重要性も
考えなきゃならねぇなと思う。」

そんな事も書かれている手紙だ。
カンナは父親の元へ行くことを
書き置きして行ってしまった。

でもその途中‥カンナは才川に会った。
自分がここからいなくなってしまうと
伝えると‥才川は大泣き、酷く錯乱した。

そんな状態の才川に、その場では
わかったと言うしかなかったのかも 笑
でもきっと、本当に全て解決させてまた
大好きなみんなの元へ帰る気でいる。

そのために戦いにやってきたんだろう。
カンナは、今回の事は全てアーザードが
仕組んだことだと理解していたみたい。
さらに言えば、カンナの追放の原因に
なった龍玉‥カンナが壊したのではなく
これもアーザードの仕業だったとか。

相手は恐ろしい魔法使い、それでも
負けるなカンナ。トールと小林さんも
決着を付けるために向かってるから。

カンナと小林の協力プレイ&作戦勝ちで
アーザードが騙していたということが
キムンカムイを含めそこにいたドラゴン
達に理解してもらうことが出来た‥でも
そう簡単にこの事件は終わってくれない。

アーザードはカンナの龍玉を奪って
それを使うと‥ドラゴン達を操りだす。
それ程のことが出来てしまう程強力な
力が込められているものなんだろう。

ルミネース達と対峙していたトールと
小林さん、そこにいたドラゴン達は
彼女達に襲いかかろうとする‥そこに
現れたのがエルマとファフニールさん。

どうやら、エルマの仕事もファフニール
さんがやろうとしていたゲームの周回
イベも滝谷が代わりにやっておくから
と2人を送り出してくれたらしかった。
ほんと滝谷普通の人なのにすごいわ 笑

その場にいたドラゴン達は2人に任せ
トールと小林さんはカンナの元へ向かう。
そこでは、アーザードが巨大なドラゴン
キムンカムイを操り娘を襲わせていた。

カンナがどんなに呼びかけても操られた
キムンカムイは反応を示してくれない。
トールが一生懸命戦うが勝負は互角‥

ここで、小林さんの訓練の成果が出る。
大切なものを犠牲に‥というのは魔法
使いの才能ということだったんだろう。

小林さんはその全て?ほとんどを使って
かなり大きな龍玉を作り出し、そこに
カンナとトールの力をありったけ込め
思い切りキムンカムイに投げつけた。

トールがいきなり小林さんを高い位置へ
瞬間移動させ、投げつけた後は落下してくる
彼女をトールが受け止める‥なんて荒業で
小林さんは酷く怖い思いをしたようだが 笑

結果キムンカムイ倒れ正気を取り戻す。

闘い終わっても、やはりキムンカムイに
カンナの気持ちはわからないままだった。

でも、小林さんと一緒に帰っていこうと
するカンナを後ろから見ていた彼は、
ひどいダメージで動くのもつらいのに
無理やり立ち上がった。自分ではその
理由もわからないままに、でもこのまま
見送るのが辛い、苦しいという感覚は
彼の中にもきっとあったんだと思う。

先に立ち止まったのはカンナ。そんな
彼女の背中を押したのは小林さん。

カンナのずっと寂しかったって気持ち、
行ってしまう娘を見て寂しいと感じた
父親の思い‥ようやく一つになった。

ちゃんと‥親子じゃん。キムンカムイ
の胸の中で大泣きするカンナを、父は
戸惑いながらも優しく抱きしめていた。

そんな様子を見て‥小林さんの方が
ちょっと寂しい気持ちになっていた。

小林さんとカンナ、キムンカムイが話
をしていた頃、トールはアーザードを
ぶっとばし龍玉を取り返していた。
おかげで、操られていたドラゴンも
みな正気を取り戻して騒ぎは収まる。
残された彼の魔力も吸い取り、もう
魔法を使うことは出来ない状態に。

彼のドラゴンへの恨みは、過去に妹を
ドラゴンに殺された復讐といった所か。
最後、トールはトドメを刺さなかった。

「小林さんなら殺すな
と言うでしょうから。」

人もドラゴンも変われる、トールが
小林さんに会って変われたように。
時間はかかるかもしれないけど、
今回のことをきっかけにアーザード
も変わることが出来たらいいね。

争いは終わり、帰宅したそこには
カンナの姿はなかった。父親の元に
残ることになったということなのか。

小林宅でずっと泣いていたらしい
才川はその現実に更に大泣きする。

そんな時、インターホンが鳴って
‥そこにいたのはまさかのカンナ。

父親とちゃんと話をして、小林さん
達のところで生きると決めたんだね。
おかえりカンナ。才川もこれで
やっと安心してくれそうだね 笑

~ひとこと~

8巻1冊でめっちゃ話濃かったですね‥
読んでて集中しすぎて疲れましたもん 笑
でもほんっとに良かった、最後カンナが
帰ってきた時は泣きそうになりました。

小林さんが操られているキムンカムイを
龍玉でぶっ飛ばそうとした時、寸前に
邪魔をしようとしたアーザードに向け
一発攻撃したシーンがあった。あれは
きっとルコアさんだったと思う。基本
傍観勢の彼女は争いに手を出さないはず。

それでも今回は一瞬だけ手を加え助けた。
ルコアさんも変わったってことなのかな?
きっと長年生きてきた経験の上で傍観を
選んだんだろうに、それでも変化を見せた
のは、人と関わったのがきっかけなのかな?

これが彼女にとって良い変化なのかは
まだわからないけど‥良い変化で
あってくれたらいいなと思います。

そんなこんなで‥アニメ2期制作決定
しましたね、ご存知ですしたか!??
私は嬉しくて発狂しました 笑笑

これまでのお話をまたアニメーションで
見られるのはほんっと楽しみで仕方ない!!

漫画の続刊、アニメともに楽しんでいけたら
と思います。今後もよろしくお願いします。