薬屋のひとりごと 第7巻

著者
原作:日向夏 先生
作画:ねこクラゲ 先生

壬氏様に怪我はなく、猫猫は結構な怪我を
したようだが命に別状はなさそうだった。

あの現場にいたのが壬氏様だったことも
羅漢のことも謎は残るが、猫猫はそういう
ことを追求できる立場でもないし余計な
詮索をするような子ではないだろう。

意識を取り戻した猫猫は壬氏様に
呼ばれ、あの日あんな行動に至る
までの経緯を説明することになる。

「あれは、偶然が重なり合った事故
です。しかし偶然が意図して引き
寄せられたようでした。そういう
意味では事故ではなく事件でしょう。」

これまで猫猫が関わってきた様々な
事件や依頼の多くが、今回の件に
関係があることのように思われた。

しっかり金具で固定されていた
はずの柱が落ちてきてしまった
原因も猫猫には心当たりがあった。

これまで起こった多くがどれも意図的に
引き起こされていたものだったのなら、
今回の事件の犯人は随分前から念入り
に計画をし続けていたことになる。

恐ろしい話だ、でも今回の事件は
壬氏様個人を狙ったものだったなら
知ってしまっては余計に面倒なことに
なるからと猫猫は考えるのをやめた。

‥なんだろう、いろいろとすっきり
しないどころか謎ばかり増えていく。

「事件に関係しているっていう翠苓という
官女なんだが、死体で見つかったよ。」

初めから検討はついていたようだが、
翠苓はやはり事件に関係していた。
でもそんな彼女が毒をあおって自殺?

猫猫には腑に落ちない点が多く、
でもただの勘では何も出来ないから
と壬氏様に頼んで翠苓を検死した医官
と話をさせてもらうことになった。

結果‥猫猫の勘は的中していた。

翠苓の遺体が入っているはずだった
棺桶の中からは、全く別人の遺体。

検死した医官はまんまと翠苓に
利用されてしまったようだった。

死体をすり替え、死んでいた翠苓は
自分で歩いて帰ったと猫猫は言う。

「人を死んだように
見せる薬があります。」

薬の製法までは知らなかったが、
それには材料として曼茶羅華
(朝鮮朝顔)と河豚毒を使うらしい。

翠苓はあの薬草畑に朝顔を植えると
言っていた‥それはこの曼茶羅華
のことだったのかもしれないね。

その薬で一時的に死んだように見えた
翠苓は見事に目を覚ましここを去った。

それには誰かしら協力者の存在が
必要不可欠になってきそうだね。

確証のない賭けに、翠苓は勝って
どこかへ消えてしまったようだ。

目的が壬氏様の命だったのなら、
今は身を潜めていてもまた何か
行動に出ようとするかもしれない。

‥なんて不安を抱いたのは私で、
猫猫は生きていたら蘇りの妙薬の
作り方を教えてもらうと不気味な
ほどに明るい笑い声を上げた 笑

また怪我をするようなことには
ならないでくれるといいんだけど。

(伸びた背筋、洗練された所作、天女の
顔にはちみつの声をもつ。後宮が現帝
のものになった5年前に宦官となった
齢二十四の男、それが”壬氏”だ。)

壬氏様とはそういう存在であるらしい。
でも壬氏様と呼ばれる彼は、宦官でいる
ために男でなくす薬を飲み続けている。

「そのうち本当に不能になりますよ。」

なんて高順に言われていたけど、本当は
宦官ではないということになるよね?
さらには、年齢も表向きのものよりも
5つも若い、まだ19才なのだという。

‥わからない、それらのことが一体
何を意味しているのかがわからない。

皇帝から下級妃以下は好きなように
などと言われているようだし‥
本当にこの人は何者なんだろうね。

本当に、違和感を覚えるたびに彼が
とんでもない立場の人間なのではと、
妄想ではなく事実そうなのかもと‥

そうだとしたら何なのだろうかと
その先まではわからないのだけど、
きっと猫猫の言う通り知った所で
彼女には面倒なだけなのだろうな。

‥ただ気になってしまう、壬氏様は
一体何を抱えて生きてるんだろうと。
いつかは、わかる日が来るのかな?

「妓女の身請け金っていくらくらいだ?」

ある時李白に呼び出された猫猫は、
てっきり翠苓に関する話かと思って
来たのに想定外の質問に呆れ果てた 笑

緑青館に行ったら三姫の一人が身請け
されるという話を聞き李白が惚れ込んで
いる白鈴だったらと心配になったらしい。

猫猫はねえちゃんとは呼んでいるが
どちらかというと母に近い存在で、
猫猫にとって大切な人なのだろう。

だからこそ、ねえちゃんの身請け先と
して李白がどうか見定めようとした。
幼かった猫猫を育ててくれた彼女は
母性を持った素敵な女性ではあるが、
それと同じくらい強い色欲をもつ女性。

わざわざ服を脱がせて周りは動揺を
隠せないが、猫猫は真剣そうだった。

「お前ら一体何をやっている。」

でもこの状況このタイミングで壬氏様に
発見され、猫猫は怒りの表情を浮かべた
綺麗な顔に見下されることになる 笑

変な状況に出くわしたものだから
壬氏様は焦って猫猫が李白に気が
あるとでも思ったのかもしれない。

ただそれが誤解だとわかると‥
なぜかこんな行動を起こした。

「身請け金を私が肩代わり
すると言ったらどうする?」

本当の所どういうつもりの提案かは
わからないけれど、李白に対しては
「有望な官と仲良くなっておきたい」
というのを理由として伝えていた。

ただ、そんな提案をする壬氏様の
表情からは何を考えているのか
伝わってこず少し奇妙さを感じた。

李白がはっきりと断りを伝えると、

「今後話をしたいことがある
かもしれないがよろしいかな。」

そんな問いかけを最後に壬氏様は
その場を後にしてしまい、結局
何をしたかったかわからなかった。

猫猫といることがよくあり、猫猫からも
信頼されていそうなこの男を、壬氏様は
猫猫のように見定めようとでもしたのか?

謎は謎のまま、でもこの先また
関わりが出てきそうな感じです。

ある時壬氏様は突然言い出した。
皆が興味を持ったから青い薔薇を
愛でようという話が出ていると。

そのために青い薔薇を探すように?
見つけてくるように?猫猫に対し
話を持ちかけてきたのだった。

でも薔薇が咲くにはまだ二月も早く
それ以前に青い薔薇など存在しない。

それなのにその愛でる会は翌月。

知らずにその話を受けてしまった
壬氏様は酷く表情を曇らせていた。
その理由は、この話を持ちかけた
のが、あの羅漢だったからだ。

それを知り猫猫は受ける決心をする。

(いつまでも逃げているのも
腹立たしい。どうせならニヤけた
片眼鏡をかち割ってやろう。)

それからの日々は寝る間も惜しんで
青い薔薇を作るために時間を費やし、
開花にまでは至らなかったものの
無事青い薔薇を完成させたようだ。

青い薔薇の話を持ちかけた張本人は

(…来なかったか。)

と少し残念そうな態度を見せていた。
猫猫が来ると期待したのだろうか?

猫猫が名前すら聞きたくないと
嫌う羅漢という男は、本当の所
どういう男だというのだろう。

お話に登場したばかりの頃は、
猫猫がひどい表情を見せていたし
壬氏様も苦手としていた存在で、
何よりあの笑顔が私には恐ろしく
見えてしまっていたのだけれど‥

実際この男がどういう人間なのか
よく知らないことに気が付いた。

過去にこの男がしでかしたであろう
話はぼんやりと記憶してはいるが、
猫猫を助けるような行動の意味も
結局わからず終いになりそうだし、
羅漢という男が何を思い行動して
いるのか本当に謎な部分が多いのだ。

猫猫も逃げることをやめたのなら
今後何か動きがあるかもしれないね。

猫猫は羅漢に象棋の勝負を持ちかけた。

代償として、羅漢が勝てば猫猫は
羅漢のうちの子に、猫猫が勝てば
緑青館の妓女を一人身請けする。

それぞれの出した条件に、どんな
意味があるのかは定かではない。

身請けの話に関しても、やり手婆が
年頃の妓女を片付けたがっていると
猫猫は言っていたけど‥もしそれが
白鈴ねえちゃんのことだとしたら
李白を応援しているように感じて
いたのは勘違いだっただろうか。

5回戦、先に3勝した方が勝ち。
さらに猫猫は2つルールを追加した。

1つ目は勝負ごとに敗者が5つの中から
盃を選びきつい蒸留酒を口にすること。

2つ目はいかなる理由であっても
試合を放棄したら負けということ。

蒸留酒の方には、もう1つ条件が
あったのだけれど‥それとは関係
なしに猫猫の目的はもしかしたら
最初から羅漢はわかってたのかな。

何も知らずにそばで勝負を見ていた
壬氏様と高順だけがすごく不安そうな
表情を浮かべ続けてはいたけれど、
もしかすると猫猫と羅漢にとっては
最初から勝敗すらわかっていたの
ではないかと少し思ってしまった。

羅漢は娘のためだと、あえて
1度だけ負けてみせた。そして
盃を一つ選んで口にすると‥

「…しょっぱいな、それにあつい。」

そう口にすると椅子から転げ落ちた。

「下戸なんですよ、この人。」

1度でも負けたらこうなることは
羅漢もわかっていたんだとしたら
‥本当にどういうつもりで猫猫
からの勝負を受けたんだろうか。

猫猫も一体どういうつもりで‥
わからない、早く続きが読みたい 笑

~ひとこと~

大好きなお話ですが、ちょっと
私の頭では理解できない部分が多く
読めば読むほど謎が増えていく、
そんなこの頃でございます。

このコミックスを好きで読んでいる
他の方には理解できてるのかな?

私にはまだ疑問だらけではありますが
そんな中でも少しずつ明かされていく
部分もあり、本当にいつもいつも早く
続きが読みたいって所で終わります 笑

翠苓のことも李白の恋に関しても
前から1番気になっている壬氏様の
正体に関することも曖昧なままです。

ほとんど紹介できていませんが、初登場
から印象の濃かった楼蘭妃の実父である
子昌という男が少し高えがかれていた。
彼や楼蘭妃に関しても、一体何を考えて
いる人物なのか謎が多いのが現状です。

今後どんなふうにお話が進んでいくか、
またのんびり続きを待とうと思います。

レビューにもなっていない駄文で
申し訳ありません、ほんの少しでも
このお話に興味を持つきっかけに
なってもらえたら嬉しいです。