薬屋のひとりごと 第3巻

著者
原作:日向夏 先生
作画:ねこクラゲ 先生

里樹妃はいじめにあっているようだ。
そのきっかけとなっているのは、
里樹妃のこれまでの経歴にある。
政略結婚のために利用された立場
であろうと、周りはそんな目では
見てくれない者も多いんだろう。

妃にとって誰より信用できるはず
の侍女達すら信用ならない状況。
これは随分不安が大きいだろう。

これもあくまで猫猫の憶測だが、
食事を玉葉妃のものと入れ替えた
毒見役とは別に、何者かが里樹妃に
渡るスープに毒を入れたという話。

銀の器から猫猫は粉と綿を
使って指紋を浮かび上がらせた。

食器に触れたのはおそらく4人。
盛り付け、配膳、毒味をした
3人の他に毒を入れた者だ。

「食器の縁に触れてはいけない。」

猫猫は玉葉妃の侍女頭・紅娘
(ホンニャン)にそう教えられた。
そのような教えも無視した縁に、
くっきりと手跡が残っていた。

おそらく毒を入れた犯人のもの。
悲しいけれど内部犯なんだろうね‥

例の毒入スープについて、猫猫の
推測を聞いた高順は壬氏様のもとに
報告に向かう‥とそこには疲労で
キラキラしていない壬氏様がいた 笑

今回の騒ぎで前日から寝る暇も
ない状態のようで、いつもの
調子はどこへ行ってしまったか。

「素が出てきてますよ。」

高順は壬氏様の世話係だったのかな。
そしてこの簪‥猫猫に自分が使ってる
簪を渡したあと別のものを挿していた。

何か‥大事なものみたいだけど‥
壬氏様は本当に宦官なんだろうか。

周囲の者には身分を偽って宮中全体を
潜入している結構なお偉方だったり。

謎は深まるばかりだ 笑

にしても、素に近い壬氏様は随分と
幼い雰囲気をまとっているね。
いつものキラキラとは大違い。

でも正直、素の方が見てて落ち着く。
いつもの壬氏様は何を考えてるのか
全然読めない表情だから苦手だ。

下女として働いていた頃から
の友人小蘭。彼女から貰った
簪の意味を聞くことになった。

簪だけではないけど、それら
を4つ貰ったと話すと小蘭は
笑顔でこんなことを言う。

「そっかあ、じゃあ後宮
から出られるんだね。」

後宮は男子禁制。でもそれがあれば
特別に外から女官を呼び出せる。
逆に中から、侍女が外へ出してと
呼びかけることもできるんだとか。

‥要するに、逢瀬ってことかな?
そうなってもいい気に入った女性
に渡してる、もっと言えば将来の
嫁候補の1人と思ってもいいと思う。

っと、私は解釈したんだけど、猫猫
は全然そこまで考えてなさそうだ。
ニヤァ…と不敵な笑みを浮かべると、
李白のもとへある提案をしにいく。

「実家に戻りたいと思いまして。
身元を保証していただければ
一時帰宅は可能と聞きました。」

でもそう簡単にOKしてもらえる
なんて甘い考えは持っていない。

「緑青館で花見はいかがかと。」

花街で育ったと言っていたし、
その繋がりかもしれないね 笑

その紹介状と他のもっと高級な簪
をちらつかせて‥最終的に折れた
のは李白の方だったようだった。

猫猫は、義理で簪を渡したという李白を
利用し3日間里帰りをすることになった。

久々に帰ってこられた実家。
そこで親父と呼んでいた‥年齢が
随分離れているように見えるけど、
父親ってことで合ってるだろうか。

報告がてら少し話をしたけど、
猫猫が眠りについてから彼が
言った言葉が気になった。

因果って‥どんな因果だよ。
猫猫の家族は彼1人なのかな?

猫猫に関しては本当に謎が多い。
少しずつ明かされるんだろうか。

帰省して翌朝‥中堅の
妓楼で事件が起きた。

妓女とその客が毒を飲んだ
様子で倒れていたという。
要するに‥その状況から推察
するに、心中と言った所か。

でもそれにしては違和感を
感じる点が多いようだった。

周りから聞いた話や状況を
考えると、猫猫の頭には全く
違った事件の真相が浮かんだ。

でもそれは、あくまで憶測だ。
これまでも猫猫は憶測で話を
することが多かったように思う。

でも憶測はあくまでその可能性が
ある、可能性が高いということで
あって事実とは異なる場合もある。

憶測で思考を巡らせ続けたら、
終いにはきっと何も信じられなく
なってしまうかもしれないよね。

花街の人々の行動や発言、どれも
考え始めたら怪しく感じ始める。

そんなふうに疑心暗鬼になってしまって
はつらいのはきっと猫猫だと思うんだ。

知らないほうが幸せなこともある。
憶測なんて曖昧なもので、猫猫が
つらい思いをする必要はないから。

(関係ない、どちらでもいいことだ。
そんなことをいちいち考えていて
はこの街では生きていけない。)

それくらいの気持ちでいないと、花街も
もしかしたら後宮でも生きてくのは苦しい。

いろいろあった帰省も無事終わり、
李白も花街で随分いい思いをした
ようで無事翡翠宮に帰ってきた猫猫。

そこには、随分と怖い顔をして睨んで
くる壬氏様がいて呼び出されてしまう。

「俺は義理で貰ったものに負けたんだな?」

「俺もあげたはずなんだが、
まったく話は来なかったな。」

要するに、いじけているんだろう。
お気に入りの玩具をとられた気分か、
それ以上の気持ちがあるのかは謎だ。

ただ、帰省の相手に自分ではなく李白を
選んだことに妬いているように思えた。

皿に、李白は帰省先ではずっと花街の
妓女と楽しく過ごしていたわけで猫猫
は行き帰りしか一緒にいなかったのに、
中途半端な説明により壬氏様は随分と
妙な誤解をしてしまっているようだ。

この人‥猫猫のこと好きなのかしら。
猫猫の話に酷く誤解をした壬氏様はもう
顔面蒼白と言った感じで‥酷かった 笑

この後、玉葉妃によって話された真実で
誤解は解けたようだけど‥その後も壬氏
様のいじけモードは中々治らなかった 笑

子供の頃から彼を世話してきた高順から
見ても今の壬氏様はひどいもののようだ。

例え取り繕った表向きの顔だろうと、
これまでずっとそれを通して生きて
来たんだと思う。でも今、一侍女の
存在で壬氏様はまるで子供のようだ。

壬氏様にとって猫猫はそれだけ‥余裕
をなくしてしまうような存在なのかな。

浩然という偉い方が亡くなったらしい。
壬氏様が幼い頃世話になった人だという。

死因は酒の飲み過ぎとされている
らしいが、普段の半分程度しか
飲んでいなかったそうで‥酒の
飲み過ぎで死んだとは思えない。

壬氏様のその疑問から、少し調べて
見た結果わかってきたことがある。

彼は好んで甘い酒を飲んでいた。
でもその酒は、甘いものに塩を
足したような変わった味がした。

浩然の酒瓶を調べてみた結果、乾いて粒が
残るほど大量の塩が含まれていたという。

彼が味覚障害に陥ってたとすれば
塩が入っていることに気づかずに
飲み続けてしまった可能性もある。

浩然は真面目な人で、そんな彼を
嫌っている者もきっといただろう。
ちょっとしたイタズラのつもりで
入れた塩だったかもしれない‥でも
それを平気な顔して飲んでいるのを
見たら、イタズラはきっと悪化する。

この悪いイタズラによって浩然は
亡くなってしまったのかもしれない。

とても悲しいことではあったけど、
猫猫の話を聞きおえた壬氏様は去り
際、いつものようないたずらっぽい
表情や楽しそうな笑顔をみせていた。

つらいことも、猫猫がいたら彼は
乗り越えられるかもしれないね。

~ひとこと~

1巻の初めの頃、極稀だが下女
から下級妃になる人もいるという
内容が描かれていた気がする。

猫猫に謎は多いが、彼女だったら
なれるかもしれないと思った。
壬氏様のこともいろいろ気になるし
早く続きが読みたくて仕方ない 笑

猫猫は本当に何も深く考えていない
部分が多いと思うけど、正直壬氏様は
心の中になにか大きな者を抱えている
のかもしれないなと勝手に思ってて。

そういうのも少しずつ明かされて
いけばいいなと密かに期待してます。