著:赤井ヒガサ 先生

アインス王子が帰ってくると言う
知らせを聞いた王子達は、陛下が
帰ってきたときとは違う、随分と
複雑そうな渋い顔をして見せた。
「アインス王子とはどの
ようなお方なのですか?」
王子達を見て、ハイネは陛下に
尋ねる。まだ、どんな人物なのか
までは明かされていないけれど、
父親から見てそう感じる存在。
(今のヴィクトールの意向に勘付いて
いたらローゼンベルク伯爵が王子達
の邪魔をする十分な理由になる。)
複数のトラブルに関わっていそうな
ローゼンベルク伯爵‥こういうこと
なら行動の理由がわかってくる。
アインス王子の指示という可能性も
出てくる‥アインス王子、本当に
どういった人柄の方なんだろう。

アインス王子が王宮に来た。
帰還の挨拶といったところか。
報告と挨拶を済ませると、
「…家族として私にかけて
くれる言葉はないのかい?」
そんな父親の言葉を軽くあしらうと、
すぐにその場を立ち去ろうとする。
そして弟たちが花束を用意した
のを思いきり弾いてしまった。
心の中で何を考えているのかは
よくわからないが‥一先ずこの
弟たちに対する行動はひどいよ。

ハイネが授業に向かう途中、偶然
今から帰ろうとするアインス王子
達と遭遇してしまうことに‥(笑)
そこで話してみると、思っていた
感じとなんだか少し違っている‥!?
それとも探られているだけなのか‥
イマイチ心の内が読めない第一王子。
あの4兄弟の兄だ‥少々変わった
ところがあってもおかしくはないが、
一先ず読めない上に国王候補として
様々な面で優れた人だと思うから‥
いい人であったらいいと願う。
知ってみたいけれど、怖いな。
ハイネはぶつかってみることに。
きっと馬鹿正直に答えてくれる
ような人ではない気がしている。
でも、何らかの収穫があれば‥

「弟達のトラブルについて
だったな。全て私が命令して
いる、とでも言えば満足か。」
それぞれのトラブルの根源は、
カイ王子やリヒトにそれぞれ
原因があってのことだったし
そこが悪かどうかは別としても
火のないところに煙は立たない
ということだろう‥そんなことを
言われてしまうと反論できない。
明確な答えは出てこなかった。
でも、今4人の王子達がそれぞれ
本気で国王候補を目指して努力
し続けていることを知った彼は‥
これは宣戦布告だろうか。
気持ちの面では認めたけれど、
それでも無理だと思っている
からこんなことを言ったのか‥
ともかく良きライバルといった
関係にはなれそうにないらしい。
トラブルに関しても結局何も
わからずじまい‥話してみた
所で、アインス王子の本質は
やはりわからないままだった。

アインス王子との一件から、
4人の王子達は前以上に努力
しようと頑張るようになる。
4人だってライバルなんだと改めて
お互いを高め合う仲として頑張る‥
そんな中で唯一基本も出来てない
レオンハルトは1人部屋にこもった。
ハイネに頼るのは負けた気がする、
ライバルには頼ってはいけない‥
なんてずっと一人で頑張り続けた。
その間大好きなトルテもずっと我慢。
でも、一人で無理をしすぎた(笑)
「貴方自身のことも信用してあげて
ください。出会ったばかりの貴方は
本当に勉強嫌いですぐ逃げ出して。
でも今は違うじゃありませんか。」
兄弟達とハイネに流石に心配され、
どうしてこうなっているのかという
話をすると一人で誤解をしてた(笑)
レオンハルトは良くも悪くもまっすぐ
過ぎるところがあるように感じる。
焦るのは必要かもしれない。
でも頼って地道に頑張ればいい。
トラブルに関しては何もわかる
ことはなかったが、兄弟達の今後の
ためにアインス王子の言葉はいい方に
影響していくのかもしれない。

カイとベアは近況報告も兼ねて
手紙のやり取りをしているらしい。
でも少し前からそれも途絶えたと、
心配になったのか王宮まで様子を
見に来てしまったベアは、そこで
初めて軍学校に復学したことを知る。
連絡も来ない、大事なことは教えて
もらえない‥本当は許嫁だなんて
思われてないんじゃないだろうか。
なんて、不安になってしまうベア。
でも、連絡は途絶えたことに関して
ハイネから教えられた真実があった。
それだからといって、ずっと続けて
いたやりとりが突然途絶えてしまえば
それこそ心配になってしまうもの‥
ちょっと忙しくなるとかでいいから
言ってあげてよカイ王子!!とも思った
けど、これが不器用な彼なりの精一杯
のベアへの誠意だったのかもしれない。
この話を聞いて、ベアはその日カイ
王子に会わずに王宮から帰っていく。
「私…カイが頑張って書いてくれる
手紙すっごく楽しみにしたいから…!」
すごくいい許嫁だよなって思った。
ほんと、ベアはかっこいいよ。
彼女のこういう思い、もうちょっと
カイ王子に伝わればいいなと願う(笑)

バイト後、天気が悪すぎて王宮に
帰れなくなってしまったリヒト。
ハイネと共にカフェ兼オーナーの
家に泊まらせてもらうことになる。
そこでオーナーから聞かされた話。
国王である父は国民のため息子達の
ために一生懸命に仕事をしている。
でもこの大人は全く違うベクトルで
仕事をしている‥オーナーの話を聞き
こういう生き方もあるんだと知った。
庶民の生活をしてみて、すっごく
しんどそうにしていたリヒトだが
オーナーの言葉にはいろいろと考え
させられたのか‥翌朝迎えが来て
馬車の中でのハイネからの言葉、
「アインス王子にもどなたにも
ない貴方の強みを作って立派な
国王を目指しましょう。」
この言葉に対し複雑な表情を見せた。
もしかしたら、国王になる以外の
道を考え始めたんだろうか‥?
心の中はわからないけど、そう
やって迷って答えをだすのもきっと
今後の彼のために必要なことだ。
どう悩んでいるかわからないけど、
ちゃんと自分の答えを出せますように。
~ひとこと~
王室教師ハイネ7巻でした。
アインス王子‥一体どんな方
なんでしょう?結局まだ彼の
ことはよくわからないまま。
そしてリヒトの心にあるのは
どんな思いなんだろうか‥
まだまだ不安要素は多いです。
ハイネの正体を探られている
という話もあれっきりですが、
多分明るい話じゃないだろうし‥
ところで、イマイチ紹介できて
いない部分ですが成人男性の
ハイネ先生の可愛らしい部分(笑)
ハイネは確かに大人でかっこいい
部分はもちろんあり、先生として
尊敬できる素晴らしい人と思うが、
結構おちゃめな部分が多いんです。
そういうところを微笑ましく
眺めるのも私の楽しみだったり♪
ぜひ、漫画を読んでそういう点も
楽しんでもらえたらなと思います。