著:赤井ヒガサ 先生

第一王子の城まで来るようにと
言われてしまうハイネだったが‥
「お断りします。」
ハイネブレなすぎて好き(笑)
とは言え、簡単に拉致られた。
「王宮までお送りします。お話
は馬車の中で致しましょう。」
いい機会だと、今回の件について
心当たりが無いかと探りを入れる。
でも、話してくれたのはラルフと
親族である可能性の高そうな名前の
友人を持っていたということくらい。
どう考えてもローゼンベルク伯爵は
どこかしらで手を回しているんだ。
でも、どうにも意図が読めない。

王宮に到着すると、そこには
レオンハルトとリヒトがいた。
レオンハルトはハイネに用事が
あって、リヒトは付き添いかな?
馬車を降りたところで、突然
思い出したように伯爵は言う。
こちら側‥とはどういうことだ?
伯爵が何らかの意図で王子達を
妨害しようとしているのは確か
なことだと思う‥それにハイネも
巻き込まれ探られていることも。
いろいろと厄介な感じですね‥。

「お前のオリジナルブレンド
を店で出してみないか。」
リヒトが、カフェのオーナーから
提案をされる。本日のコーヒーとして
出しているブレンドがローテーション
になりがちで、新しいブレンドの案を
出そうとしているところらしかった。
これまでも本気でコーヒーについて
勉強し努力し続けてきたリヒトに
とってこれはきっと大きなチャンス。
でもその日淹れたコーヒーは味は
いいものの本日のコーヒーとして
出すには物足りなさが多かった。
それから数日後にテストをすると
言われ、それまでリヒトは毎日、
部屋にこもりブレンドを考える。
「たった一人のためでも大勢の
ためにでも、誰かのために淹れる
気持ちは同じだと思いますけど。」
これは、中々上手く行かずに疲れきった
表情のリヒトにハイネが言った言葉だ。
以前コーヒーが嫌いなレオンハルトの
ためにすごく頑張って淹れてたものね。
(俺が今一番コーヒーを淹れたい人…)
それで頭に浮かんだのは、日々
国民や自分たち兄弟のために
仕事を頑張っている父親の顔。
こうして出来たリヒトのブレンド、
無事オーナーの合格を貰った。
カフェの客からも、満足そうな
表情が見て取れて、リヒトも
嬉しそうな表情を見せていた。
その日の夜、仕事で忙しそうにする
父親のもとに自分の淹れたコーヒーを
持っていく‥お礼の気持ちも込めて。
「…いい香りだ。美味しい。
これで仕事もうひと頑張りでき
そうだ。ありがとうリヒト。」
恥ずかしがって、中々素直に
感謝の気持ちを伝えられない
リヒトだけど、不器用ながらも
こうやって伝えられるように
なったのは、彼の成長かもな。

勉強はできる、人付き合いも
不自由することなく出来る‥
確かにブルーノはわりと器用に
いろいろなことが出来る方だ。
でも、きっと足りていない所は
山程ある王子だろうと思う。
何を学んだら‥なんてことを悩む
ブルーノを教育しようとハイネは
昔自分が勉強を教えたという生徒
達の先生をすることを課題にした。
相手はまだ10歳にも満たぬ幼い
子供たちを相手にする授業‥
騒がしいし言うこと聞かないし
中々スムーズには行かなかった。
途中、注意をしたつもりで子供達を
怯えさせてしまい一瞬で空気が凍る。
どうしていいかわからなくなって
悩み始めてしまうブルーノだったが、
ハイネの言葉を聞き改めて自分に
欠けている様々なことに気がつく。
「…すみません、きちんと教師の
役目を果たしてみせます。自分
にもう一度機会をください。」
この後のブルーノの様子はこれまでの
彼からは中々想像できない部分が多々。
彼なりに一生懸命生徒達と向き合った
結果だったんだろうと思う‥彼には
大きな変化だったんじゃないかな。
最初は怯えた様子だった生徒も少し
ずつ慣れてくれたようで最後には‥
「また来てもいーよ!」
「またお勉強教えてね…!」
嬉しかったろうな‥♪
今回のことでブルーノはまた
1歩大きく成長できたろう。

軍学校であったことの記事
による誤解も無事解けた‥
カイ王子はまた軍学校に
通いたいと思っていた。
でもそれを陛下やブルーノに話す
と、心配され反対されてしまう。
それでも行きたい気持ちは変わらず
ちゃんと説得しようと考えるが‥
口下手で上手く伝えられるかが
不安だというカイ王子は、父親に
宛てた手紙に思いを綴っていく。
「父上の意見と違う…そんなこと
伝えたら…父上…悲しむかも…。」
渡しに行く寸前になって、そんな
ことを思って躊躇してしまう王子
だったが、ハイネの言葉で逃げずに
ちゃんと向き合う覚悟ができた。
「本当の気持ちを見せるに値しない
相手ならそれでも構いませんが。」
大事に思う存在だからこそ優しい
カイ王子だからこそ躊躇しそうに
なってしまったんだ。怖いかも
しれない、でも…頑張れカイ王子!!

陛下の前に来て、手紙を持ち‥
自分の思いを必死に伝えだした。
「--…ていうことを
この手紙に…書いた…。」
手紙の意味とはww
「父上…読んで…俺…口下手
だから手紙で伝える…!」
そう言って手紙を渡すが、既に
その内容は先程口で伝えた(笑)
天然っぷりは抜けそうにない。
「それだけ自分の気持ちを伝え
られるならきっと…大丈夫だ。」
カイ王子の必死な思い、陛下にも
ちゃんと届いたようだった‥その後
カイ王子は父親やハイネにも心配
されつつ軍学校に復学‥不安は多々
あるけど、頑張っていけますように。

アインス王子、帰還‥第一
王子が帰ってきたようです。
今後どうなっていくのか、
まだまだ不安が多いですが
王子達が傷つくようなことに
ならないことを願いたいね。
~ひとこと~
いろいろ間違いつつも前に
進んでいく、少しずつ成長
していってる王子達‥その
影で怪しい動きが多い伯爵。
不安はありますが、これから
何があっても彼らは乗り越えて
行ってくれるはず‥ハイネと
出会って成長して強くなった。
彼らのその成長を信じたい。