同居人はひざ、時々、頭のうえ。 第8巻

著者
原作:みなつき 先生
作画:二ツ家あす 先生

何もない玄関の向こうをじっと
見つめる猫達、でもそこにある
のはただの玄関でしかないのに
この子達には自分には見えない
何かが見えてるんじゃないか‥
なんて一瞬ビビった素晴だけど、
きっと少し近寄ってくる足音に
反応してただけなんだと思う 笑

ガラッと開けられた玄関から入って
きたのは大翔の妹の鳴海だった。

「鳴海猫ちゃんお迎え
できるんだよ~ッ!」

最初は猫を飼うのはダメと言われてた
ようなんだけど、全然諦められなくて
自分でもいろいろ頑張ることで飼う
ことを認めてもらえたみたいだった。

猫のこともいろいろ勉強したんだろう。
それで家のことや勉強もすごく頑張る
ようになって、そのおかげか周囲への
気配りまでできる子に成長していた。

それってきっとすごいことだよね。

猫のためにそこまで真剣に頑張れる子が
飼い主ならきっと幸せになれるだろう。

これで、最後の一匹も引き取り手が
無事見つかって‥これからはまた
ハルと素晴だけの生活に戻るのか。

よかったんだけど、やっぱり
少し寂しく感じてしまうね。

猫のために今回もこれまでも
素晴や鳴海はいろんなことを
頑張ってきたんだと思う。

でもそれらは、きっと今までの
2人なら逃げてしまうようなこと
だったかもしれないのに、猫の
ためだって頑張ったんだろう。

「もうムリかもって思ってもね、
頑張ろうってちからが湧いて
くるんだよ。大好きのためなら。」

鳴海にそう言われて、少しの間
そうなのかな?みたいに考え込む
素晴だけど、これまでのいろんな
ことを思い出して‥納得した。

大好きのためなら普段でない勇気も
出せてしまうのかもしれないよね。

逆にそこまで大好きと思えるものに
出会えたのはとても幸せだと思えた。

子猫がもらわれていくのだと
察知したハルは、行き先が警戒
していた大翔の家だと気づくと
心配になって子猫を入れるための
バッグにいち早く入り込んだ 笑

元々は子猫を受け取りに素晴の
家に来てもらってそこで見送る
ことになる予定だったんだけど、
ハルが入ってしまったし素晴も
矢坂家にお邪魔することになった。

矢坂家には家族が勢揃いで、しばらく
警戒していたハルだったけどみんなの
優しく温かい表情を見て安心していく。

ただ、一人だけ様子がおかしい
お父さんを見つけ警戒を強めた。

実はお父さん子供の頃にトラウマが
あって猫に恐怖心があるんだとか。

ものすごい怯えようだったけど、
これから猫のことをたくさん知って
いけば怖くなくなると鳴海に言われて
勇気を出して手を差し出してみた。

‥ハルと違って無警戒の子猫は
ぴょこんっとその手に飛び乗った。

手、ものすっごい震えてたけど、
子猫も安心する場所だったようだし
お父さんも怖いじゃなくて可愛い
って感じて優しい表情を見せる。

苦手意識はそう簡単には消えない
かもしれないけど、きっと少しずつ
大丈夫になってくんじゃないかな。

そしてハルの不安も、野良だった
頃の経験もあるし人をちゃんと見極め
ようとするのは猫にとって必要なこと
だと思うけど、警戒してばかりじゃ
なくて安心できる場所が少しずつでも
増えていったらいいなと思った。

子猫は大丈夫そうだなと安心して
矢坂家から帰ってきた素晴とハル。

きっと一番安心する場所、それでも
やっぱり騒がしかった子達がみんな
いなく鳴ってしまったその場所は
やけに静かすぎるように感じた。

そんな変化に落ち着かないのは
素晴もハルも同じだったみたい。

お互い寂しさを埋めようとするように
その日はハルとくっついて眠った。

寂しい時こそ一番安心できる場所は
素晴にとってハルのそばで、ハルに
とっては素晴のそばなのかもしれない。

素晴はハルや他の子猫たちが幸せに
包まれていることを願って、ハルは
寂しそうな素晴のためだなんて考え
ながら自分の寂しさを埋めてくれる
特別あたたかい場所に安心していた。

人と猫、言葉は通じなくたって
こんなふうにお互いを大事に思って
そばにいられる関係になれたら
それはとっても素敵なことだよね。

ある日、河瀬さんの勧めで
キャットタワーを買った素晴。

ハルの遊び道具になればと購入して
慣れない組み立ても頑張る素晴だった
けど‥そこでハプニングは起きた。

ハルはトラックの音を聞きつけて
ご飯が入ってることもあるシカク
(宅配の箱)が来たんだと思って
様子を見に行くとやけに大きい 笑

大きくて重そうなそれを見て、
中から見慣れない物が出てきたのも
あってかハルはかなり警戒していた。

素晴を危険から守ろうとしたようで、
必死に作りかけのタワーや部品に
攻撃をしかけまくっていて‥素晴から
したら謎に機嫌が悪いハルだった。

自分を心配しての行動とは思わん 笑

でもそのうち素晴の足元をうろちょろ
していたため素晴が転びそうになって
タワーごと倒してしまいそうになった時、

得体のしれない大きいのが素晴を
襲ってるように見えたのかもしれない。

素晴を守ろうとタワーに飛びかかる。

ほぼほぼ組み立て終わったはずの
タワーは無残に崩れ作り直しだ 笑

ハルのためにタワーを組み立てて
いるのに壊されてしまう素晴と、
そんなことと走らずに素晴のためと
思ってタワーを破壊してしまうハル。

これ、あれだな。

猫の心人知らず、
人の心猫知らず。

噛み合わないって難しい 笑

せっかく作ったキャットタワー
だけど、どうしてかハルは一切
登って遊ぼうとしてくれない。

そんな時家を訪ねてきた優伍くん。
元々の目的は別にあったんだけど、
タワーに関して相談に乗ってくれた。

慣れなくて警戒してるのかもと
一緒に遊ぼうとしたり、ハルの
好きなオヤツを置いてみたり‥

ハルはやはり食欲に忠実だった。
オヤツ目掛けてタワーのてっぺん
まですごい勢いで登っていった。

これで警戒心も薄まって遊べれば
寂しくないなと言う素晴だったけど、

「でもハルさんはきっと、素晴さんが
そばにいることが一番大事なんスよ。」

優伍くんにそう言われて改めて
ハルに向き合う素晴だったけど、
すごくいいシーンに思えたけど
直後素晴は蹴り飛ばされた 笑

素晴のことなんて知らないよと
でもいうように、気まぐれな猫が
新しいおもちゃにまっしぐらして
いったかのような光景に思えた。

これはこれで、可愛いんだよね。
猫の可愛さは、猫好きな人から
したら何でも許しちゃう可愛さだ。

そうしてハルside…実はハルに遊んで
欲しくてタワーで一緒に遊ぼうとした
時、ハルは素晴がタワーと遊びたい
のだと思って、危ないことにならない
ようにそばで見守っていたみたい。

ほんと人の心って伝わりにくいわ 笑
違うのよ、君に遊んでほしいのよ。

その後オヤツに釣られてタワーを
登ったのを見て素晴は涙を流して
喜んだのだけど、それを見たハルは
素晴はここまで登れなくて泣いてる
って勘違いしてしまったようなんだ。

ハルなりの素晴に向けた精一杯の愛情。

でも噛み合ってそうでちょっとズレてて
登り方を教えようと急に飛んだのね 笑

噛み合わなさ加減がおもしろい ←

~ひとこと~

優伍くんが素晴達の家に来たその後
素晴は猫用のバッグを持ち出してて、

「もしかしてはちのところに
遊びに行くの!?そうなのね!?」

なんてはしゃぎ気味のハルだけど
目的地は本当に押守さん宅だろうか?
また会えたらきっと最近離れた子猫
達の話とかたくさんするのかもね。

というところで続きは次巻でした。

本当の行き先はまだわからない
けど、はちにまた会えるといいね。

今回も猫と関わることを通して
いろいろと考えさせられました。

猫の気持ちも人が思う猫の気持ちも
‥あくまでこれは物語だし猫が本当の
ところ何を考えてるかまではやはり
わからないけど、想像しながら猫の
気持ちに寄り添って一緒に生きるのが
人のやるべきことだろうと思いました。

言葉がわからないからこそ
全力でわかろうと努力し続けて
いくのかもしれないですね。