同居人はひざ、時々、頭のうえ。 第7巻

著者
原作:みなつき 先生
作画:二ツ家あす 先生

子猫たちの里親探しのために
チラシを貼るお願いをしに
商店街までやってきた素晴。

人通りも多くたくさんの人目につく
だろうとこの場所を選んだはいいが

・人の多い場所
・知らない人との対話
・チラシを貼る許可をもらう

‥素晴にとっては随分とハードルの
高い行動に出ようとしていたようだ。
緊張してしまう素晴だけど、気さくに
話しかけてくれたのはお肉屋のおじさん。
前に母親のことを話してくれていたね。

猫達のためだと勇気を出して
チラシのお願いをしてみると

「ああ、いいよ。」

ものすごくあっさりOKをもらった。
さらには、大量に手に持ったチラシを
全てお願いに行こうとしてると知ると
おじさんは商店街のお向かいのお店の
おばさんに声をかけてくれていて、
そこからチラシの話はいっきに広がる。

昔からお母さんが素晴の話をしていた
からってのもきっと会ったろうと思う。
そしてその後お店にお願いに回った
のは素晴の勇気と努力だったろう。

私は商店街がそばにある場所で
生活したことがないからわからない
けど、お話に出てくる商店街という
のは決まって温かい空間が広がって
いて、少しだけ良いなって思った。

そんな場所に、素晴も勇気を出して
飛び込んだ‥いい経験かもしれない。

ずっと1人でいて、人と関わろうと
してこなかった素晴が変わるかも
しれないきっかけになるだろう。

チラシの効果はわりとすぐに出た。
実は素晴の家のお隣の、タロウ(犬)を
飼っているお宅が猫を欲しがっていて
チラシを見て訪ねてきてくれたのだ。

子猫のうちの一匹を気に入って、その
まま引き取ってくれることになった。

(僕に大翔やお母さん
みたいな社交性があれば。)

もっと早く気付けたかもしれない
なんて思った素晴だったけれど、
結果的に押守さんや河瀬さんなど
いろんな人の助けがあったからこそ
ここまで来られたんだと再確認した。

「…ひとりじゃないんだな。」

過去の素晴は、あえて1人でいる
ことを選ぶような人だったと思う。
でもそんな素晴がハルと出会って、
少しずつ人と関わるようになって‥

そうして出来てきた人との繋がりを
昔のように苦に感じなくなっている。
きっと、嬉しいとすら思ってるかも。

ハルの存在ってすごいね。

ハルが思ってるのとはきっと違う
けど、ハルが守らなきゃ助けなきゃ
って素晴のことを思っている通りに
素晴に勇気や頑張る力を与えている。

本当に素敵な出会いをしたものだ。

ある時押守さんから連絡が入る。

「実は先程チラシをご覧になった
お客様で…子猫に会ってみたいと
いう方がいらっしゃいました!」

そうして素晴の家に柴犬を連れて
やってきたのは日高さんご夫婦。

犬の名前はきなこ、幼い頃から
あんこという名前の猫と一緒に
生活してきたから猫には慣れてる
とご夫婦は思っていたんだけど‥

いざ対面させてみると、きなこは
思い切り吠えかかってきたのだ。

子猫を怯えさせてしまったかも、
これ以上怖がらせてはいけないと
猫の引き取りを諦めようとする
ご夫婦だけど素晴は諦めなかった。

これまで猫のそばで生活して見て
きた経験からの想像でしかなかった
けど、子猫は怯えてなんかいない。

そう思って改めて対面させてみて
ほしいと‥再チャレンジ、そして
少し様子を見ていた結果がこれ。

子猫のことはご夫婦共も気に入って
くれているようだったけど、素晴の
言葉がなかったらきっと諦めていた。

そんな積極的に思ったことを口に
するタイプではなかった素晴の
こんな変化は素敵だと思った。

警戒心が強そうに見えていたこの
子猫が、最初から安心した様子で
おばあちゃんに抱かれていたのを
見た時から、この人の所ならきっと
幸せになれるって思いもあったかも。

諦めなくてよかったね、無事この
子はご夫婦の家の子になりました。

「朏さんはその…本お好きなんですか?」

帰り際、旦那さんのほうが突然
そんな質問をしてきて疑問に思う
素晴だったけど理由は簡単だった。

このおじいさんは古本が大好きで、
素晴の家に上がった時に同じように
たくさんの古い本があるのを見つけて
仲良くなりたいと思ったようだった。

これも縁、猫がきっかけを作って
くれて自分で繋ぎ止めた大切な縁。

そんな自分の行動に一番違和感を
抱いているのは素晴だったけど、
気がつくと変わっていたんだよね。

(僕も繋がりたいと思ったから。)

誰かと繋がりたいと思えるように
なった、それを自分でも嬉しいと
思っている‥本当に素敵な変化ね。

きなこが子猫に対して吠えた理由。
人には犬の言葉はわからないけど、
ただただ悲しかったのかもしれない。

幼い頃から一緒に生活してきたあんこは
おばあちゃん猫で去年亡くなったらしい。

きなこも大好きだったあんこ、そして
おばあちゃんのひざの上はいつもその
あんこの場所だったから、どうして
そこに知らない猫がいるんだって、
すごくショックだったんだろうな‥

亡くなってしまったとしても、きなこに
とってすごく大切な存在だったんだろう。
それはもう、ハルにとってのトラ姉さん
みたいなすごく大きな存在だったんだ。

それを奪おうとしてると感じたなら、
いつもは猫に吠えたりしないきなこが
あんなふうに吠えたのも仕方なかった。

明らかに子猫に対して敵意を向ける
きなこだけど、仲直りのきっかけを
作ったのは子猫の方の行動だった。

ひ弱すぎるパンチをかました子猫
だったけど、それに込められたのは
決して敵意ではなかったみたい。

仲良くなるためには決着をつける
必要があるから勝負を挑んだ‥
何だそれめちゃくちゃ可愛い 笑

そんな理由のパンチ仕込んだの
誰だ、ハルもびっくりだった。

仲良くなりたかったんだって。
そんな子猫を見ているご夫婦もすごく
優しい笑顔を見せていて、この子猫の
おかげでみんな笑顔なん?って‥大好き
だったあんこの場所がこの子の場所に
なるのを受け入れてくれたようだった。

「これでええんよね?きなこさん。」

きなこさんにお父さんとお母さんを
頼むって言われてたものね、だから
こそ2人が幸せそうに笑ってるのが
この子のおかげなんだったらきっと
これが正解なんだって思ったんだろう。

切ない気持ちはあるかもしれない。
それでもきなこは2人のことが大好き
だから‥きっと少しずつ大丈夫になる。

今度は幼い頃からたくさん遊んでくれた
あんこの代わりに自分が子猫とたくさん
遊んであげる役目になるかもしれない。

大切な存在がいなくなって新しい何かが
入ってくるのって怖いし辛いものよね‥
でもきっとこのお宅なら、あのご夫婦と
このわんちゃんなら大丈夫だろうと思えた。

子猫もきっと幸せになれるよ。

お隣に、そして日高さんご夫婦の所に、
そうして朏家に残った子猫はあと1匹。

「みんなとおなじように
あたしもどっかいくのかな!?」

その子猫はそんなことを言いだした。
猫達は把握していないにしても元々
その予定だったし、ハルはなんとなく
そうなるってわかっていた気がする。

少し寂しそうにしながらも子猫の
疑問を肯定するハルだったけど、
子猫もそれを嫌がっているようだ。

ハルのことも素晴のことも好きだから、
ここから離れるのは嫌なんて‥素晴が
それを聞けたなら嬉しくて泣きそう 笑

もちろん猫達の会話を素晴が理解してる
わけではなかったけど、素晴もきっと
猫と同じ気持ちだったんだろうと思う。

最初はハルと子猫達が仲良くなれるか
不安だったけどいろんなことがあって
今はすごく仲良くなれたし、今までの
にぎやかな場所からみんないなくなって
しまったらハルはきっと寂しいだろう。
きっと素晴も寂しがるんじゃないかな。

里親が見つかる可能性も十分あるけど、
見つからなくてももう大丈夫そうだね。

『けっちゃく』とかゆってるけど 笑
ハルが、子猫を相手にして素晴の
方が弱いって心配してるのがもう
可愛くて仕方がなかった 笑

~ひとこと~

素晴の成長とか、変化とか、
そういうのを見られるのは
本当に心が暖かくなります。

そしてハルの十何倍もあるで
あろう大きさの素晴のことを
か弱いものと判断して心配する
ハルのお姉さんっぷりにも和む 笑

いろいろあったし、少しずつ変わって
いくことに少しの寂しさも感じつつ
悪い変化ではないなとも思ってます。

猫達の旅立ち、でもお隣さんとも日高
さん達ともしっかり縁は繋がっていて、
今後子猫達が再会することもあるかも。

猫も、人も、そうやって繋がっていると
いうのは暖かく心強く感じるものですね。
これからもそういった縁を大切にして
いけたらいいなと、漫画の中の話だけで
なく現実に私と誰かの縁も大切にしたいと
改めて思わされた、素敵なお話でした。

この物語の最後に少し気になる描写が
ありました‥素晴は何も感じていない
ようだったけど、ハルが物音か何かを
玄関の外から聞きつけたようで警戒する
ような体勢で玄関を眺めていたんです。

ハルは一体何に気がついたんだろう。
何か来るって‥それが決して悪いもの
ではないことだけを願いたいものです。