著者
原作:みなつき 先生
作画:二ツ家あす 先生

いつものようにアポもなしに素晴の
家に行こうとする大翔にこの間の光景
を思い出し必死に止めようとする渚。
「もし…彼女さんとか来てたら…っ。」
もちろん彼女の存在なんて誤解
なのだけど、それを聞いた大翔は
大慌てで真偽の確認をしに来た 笑
渚も大翔を止めるためなのか真偽を
確認するためなのか‥ついてきた。
そしてそれは簡単に誤解だとわかる、
渚めっさ安心してて可愛いよね 笑
今後そういうことが描かれることは
あるんだろうか‥まだわからないけど、
あるのならその相手は陽と同じくらい
素晴を心配して世話を焼いてくれて、
素晴と同じくらい陽を思える女性が
いいよね、誰とは言わないけれど ←
でもまあ‥多分ないかなあ(勝手な予想)

素晴の両親は仲良くて、素晴が断ってた
のもあってかもしれないけど2人でよく
旅行に行くほどのおしどり夫婦だった。
その遺伝子を継いでいるはずなのに、
どうしてか素晴は恋愛に疎すぎる。
要するに大翔は遠回しに似てないって
ことを言いたかったのか、それを察した
素晴は似てないなんてわかりきってる
とため息交じりに言ったんだけれど‥
「おばさんと素晴さん…ふたりとも
やさしいとこ…そっくりです。」
まだ幼かった頃、雨の日に家の鍵を
失くして家に帰れなくて泣いていた
渚を見つけて声をかけたのは素晴。
一先ず素晴の家につれて帰るとお母さんが
お菓子と温かい飲み物を出してくれた。
素晴も渚に元気になってもらおうと綺麗な
写真の本?をわざわざ持ってきてくれた。
器用、不器用なんて違いはあったかも
しれないけど、誰かのためを思って
動ける優しさは本当にそっくりだね。
そっくりだなんて初めて言われた
素晴だけど、なんだかちょっと嬉し
そうな表情をしているように見えた。

「そういえば朏くんの小説には
恋愛要素はあまり出てきません
よね。今後そういう展開は…。」
大翔達が来る少し前の話、編集の
河瀬さんが打ち合わせをしに来てて
こんなことを言っていたんだけど、
そういう方面に疎いからと消極的な
態度を取る素晴に対して河瀬さん。
「始める前から得意な人なんて
いませんからね!一歩踏み出した先に
見つかるのかもしれません。新しい
発見は意外と身近にあるものですから。」
そんな河瀬さんの言葉を受けて、素晴
なりに考えたみたいだったけど‥その時
大事な存在として陽のことを考えてそうな
素晴が書いたその小説にあった内容は
『視線を送った』
やばい‥それじゃ何も進展しなそうだ。
いやー、河瀬さんも苦労してるのね 笑

大翔達が来ていたその頃陽は、
寝心地の良いバッグを見つけて
そこでぐっすり寝てしまってた。
そこで陽がまだ兄弟‥姉弟?で
一緒にいた頃の夢を見ていた。
それは決して楽しいものではない。
きっと元々は飼い猫だったんだろう。
子供がたくさん生まれてしまったから
その子供たちだけ箱にまとめて捨てた。
そう思われるような状況だった。
そんな右も左も、自分たちの状況すら
分かっていない時にトラ姉さんやクロに
会って野良として生きるすべを教えて
もらえたことはきっと大きかっただろう。
でも必死に生きていても危険はつきもの、
弟達を守ろうと頑張り続けていたのに
最後には一人ぼっちになってしまった。
そんな中出会えたのが春とそのお母さん。
信用していい人間か注意深く観察して‥
いや、だいぶ食欲に負けていたけども 笑
大丈夫そうって信用し始めたその頃、
弟たちの敵でもあるカラスを見かける。
春のところへご飯をねだりに行こうと
していた時だったのかもしれない。
そのカラスから必死に逃げて、走って
走って走って‥辿り着いたのはお墓。
そう、初めて素晴に会った場所だった。
お腹すいてたろうし、素晴がお供え物
として出したものに飛びついてしまった
陽はまんまと捕まってしまったのだ 笑

そのおかげで、飼うって話まで出てた春の
家で飼われることはなかったけど今陽幸せ
そうだしきっとこれで良かったんだろう。
たくさん怖い思い、辛い思いをしてきて
最初は素晴に対しても不安が多かったかも
しれないけど‥トラ姉さんが言ってたよう
に陽はステキな人間に出会えたんだろうね。
にしても‥素晴心配になるよねいろいろ。
いい人かどうかでなく、この人1人で大丈夫
なんだろうかっていう意味の母性みたいな。
元々の母性というか、弟たちを守らなきゃ
って気持ちの強い陽だからこそ、守るべき
対象って意味でも素晴と相性良かったと思う。
人と猫の関係でそれってまた不思議な
ものだけど、猫の気持ちがわかるなら
そういうふうに思う猫もいるかもよね。
それに、信用していいのかまだわからずに
いた頃でも陽にとって素晴のそばはなぜか
あったかくて落ち着く場所だったみたい。
(わたしの運命が変わったのかはよく
わからない。ただわかるのは、今日も
この場所はあったかくて、だからあたしも
あさってもきっと、この子がいて
わたしはもうひとりぼっちじゃない。)
出会えて、本当に良かった。

ある日‥家の庭が猫のたまり場に
なってしまってることに気づいた。
猫達を追い払おうと窓を開けて声を
上げるとほとんどの猫達は逃げていく。
でも1匹だけ、家の中に入ってくる
やつがいた陽と鉢合わせたら喧嘩に
なってしまうかもと思う素晴‥
一瞬そうなりそうに見えたものの
どうやら喧嘩を始める様子はない。
でも見知らぬ猫、おそらく飼い猫の
そいつにここで落ち着かれても困る。
陽には気を許しているようで陽のそば
から離れようとしないそいつはやはり
飼い猫のようで首輪の裏に書かれていた
番号に電話をかけてみるも‥出ない。
電話に出ないのは、もしかしたら
猫を心配して必死に捜している最中
かもしれない。過去の自分の経験を
思い出した素晴はそんなふうに考え
遠くはない住所を確認し連れて行く
覚悟を決めた。もちろんそいつをだ。
キャリーバック?の中に入れようと
餌を中に入れて、安心させようと
目を合わせて、言葉は通じずとも
思いを通じ合わせるように言う。
結果中に入ったのは陽でした。
うん、どうしてそうなったの 笑

そして明かされる陽side、すぐ陽と
打ち解けられたのは動物病院で顔を
合わせたことがあったからだった。
家には帰りたいけど、帰り道も
わからないし外には柄の悪い猫も
多くて怖くて仕方がない様子だ。
弟達みたいに小さくもない、でもこう
いう時はわたしが守ってあげなきゃ。
陽はやっぱりお姉さんなんだろうね。
バックを出してきた素晴を見て怖い所
(病院)に連れて行かれると逃げたがる
迷子猫、それを説得しようとする陽。
「あれに入れば帰りたいところに
帰れるんじゃない!?それにあんた
言ってたじゃない。あの一緒にいた
人間のために怖い場所にもつきあうん
だって。その人間のことはもういいの?」
迷子猫=レオはその飼主‥
きっと優しいお姉さんなんだろう。
彼女のもとに帰るために怖いけど
バックの中に入る覚悟を決めた。
とはいえ‥
「帰りたいって本当に思う
なら…わたしについてきて。」
そう言う陽についていく形でバッグに
入ったのでお前じゃない…の状況に 笑
陽は素晴を信頼しているからこそ、
きっとそうしてくれるって信じられた。
そうじゃなくても怖いことには決して
ならないだろうって思えたんだろうね。
レオがちゃんと帰れますように。
~ひとこと~
少しずつ、ほんの少しずつだけど
素晴が変わっていってる気がする。
これまで引きこもりっきりでろくに
人と関わらない生活のままだったら
迷子猫の飼い主に電話をかけたり、
出ないから家まで連れて行こうなんて
そんなふうに考えられなかったろう。
これもほんの少しずつ変わってってる
中の一つの大きな成長なんだと思う。
それにしても、彼自身かなり勇気が
いる行動だったみたいだど、ちゃんと
帰れるといい、素晴にとってもいい
経験になればいいなと心から願う。
それではまた次巻、続きお楽しみに!!