著:高永ひなこ 先生

もうそろそろ秋も終わるという頃、
森永は仕事にも慣れてきて月2回程
名古屋に帰れるようになっていた。
それでも頻度が上がったことで
慣れもあるのか、帰ってきても
巽先輩の対応は超絶塩対応 笑
忙しそうなのもあるけれど全く
イチャイチャさせてもらえず、
どうしても寂しさを感じる森永。
そんな森永とは反対に、全く相手に
されていないのにめげない久世さん。
この黒髪眼鏡の彼が久世さんが狙ってて
現在森永の上司である神木さんってお方。
森永にとってはクールで口数は少ない
けど教え方もわかりやすいいい上司だ。
でも久世さんに対してはなんかこう‥
クール通り越して塩対応ですよね 笑
なのに一切めげないんよね久世さん。
彼らの恋は今後描かれることが
あるんだろうか‥そちらも地味に
気になるところですが、まずは
森永がかなーり寂しがってるので
先輩もう少し飴あげておくれー 笑

ある週末森永が名古屋に帰ってきた
その日、相変わらず巽先輩は論文で
大忙しそうだったんだけど、奇跡的に
いい雰囲気になり久々にイチャイチャ
できるっ…てなってたタイミングで
鳴り出し鳴り止まないチャイム。
せっかくのいい雰囲気を台無しにした
のは、お久しぶりに登場した磯貝さん。
ドアを開け顔を見た直後、森永は
顔を真っ青にしながらドアを締めた 笑
それくらい、森永にとっても先輩に
とっても彼は厄介な存在だったろう。
きっと悪い人ではないんだと思うけど
この人に関わると良いことがないって
感じるほど嫌な予感しかしないよ 笑

いきなりやってきて泊めて
なって言ってくる磯貝さんに
森永も先輩も嫌がってたけど、
さすが磯貝さんといいますか 笑
森永と先輩の関係を理解した上で
余計なことを言ってくるわけですよ。
先輩は顔を真っ赤にしながら最終的に
磯貝が一泊することを許してしまった。
ほんとそういう人よね、磯貝さん 笑
内心は嫌だけど仕方ないと諦める先輩、
でも森永はいろいろ台無しにされた上
先輩といられる大事な週末を邪魔されて
どうしても納得がいかない様子だった。
でもそんな森永への先輩からの言葉。
磯貝さんは一泊だけだから翌朝には
出ていくけど、森永は日曜の夜まで
いるんだろうって‥きっと先輩的には
特に深い意味はなかったんだと思う。
でも森永からしたら、自分との時間
ちゃんと大事に思ってくれてるって
感じて嬉しかったんじゃないかな。
先輩だって、きっと自覚してないけど
そういう意味で言ったような気がする。
むしろ自覚してしまったら撤回しそう
だから自覚しなくていいと思うんだ ←
「じゃあ続きは明日の夜…」
なんて言いながら抱きしめようとして
思い切り顔面を殴られることになった
森永だったけど、こうやって余計な
こと口にしなきゃいいのに、森永は
相変わらずこういうこと学ばない 笑

先輩からの嬉しい言葉を最後に
その週末はいろいろ残念だった。
翌日にはいなくなているはずの磯貝
さんはなぜかその後何日も居座ろうと
しているし、森永は仕事であるミスで
予定より早く戻ることになっていたし。
‥森永は全然気づいてないし先輩も
自覚はないようだけど、予定より早く
森永が戻ってしまった後は明らかに
沈んでいるのが表情にも態度にも出てる
ことに磯貝さんは気づいてしまって‥
(‥週末押しかけたのちょっと
マジで悪かったかな…?うーん…)
口には出さなかったけど彼なりにちょっと
反省した結果、また厄介な提案してくる。
悪いことしたなって気持ちから、忙しくて
1人じゃまともな食事もとれてない先輩に
出張で名古屋にいる木曜まで磯貝さんが
ご飯を作ってあげようという提案だった。
論文の邪魔はしないしご飯を作るだけ、
材料費も出すし雑用もするという。
現状本当に忙しくて手が回らない
先輩にとってありがたい話でもあり、
森永が嫌がるのはわかっていたけど
バレないようにしてくれるならと
先輩はもう数日磯貝さんがここに
居座ることを許してしまったんだ。
まあ‥いろいろタイミング悪すぎて
結局すぐに磯貝さんが居座ってるって
ことは森永にバレることになるけど 笑
いろいろ厄介だしタイミングも最悪な
磯貝さんだけど悪いことばかりではない。
先輩に対してあれこれ言うのは森永に
とってもマイナスなことが多いけど、
森永に対しては結構プラスになることを
言ってくれたり背中を押してくれたり。
ほんと不思議な人よね、磯貝さん 笑
良い方に作用してくれたらいいね。

嬉しい助言をくれた磯貝さん
だったけど、その話と磯貝さんが
先輩のそばに居座ってるって話は
森永にとっては全く別の問題で、
職場でもずっとため息に暗い表情。
真面目で優秀な森永に無理をさせて
しまっただろうかと、神木さん達は
心配して有給や代休をとってもいい
という提案をしてくれたおかげで、
この週はいつもより早く木曜日には
名古屋に帰れることになっていた。
そうして大急ぎで帰って来ている頃、
いろいろ疲れている上に森永のことも
ちょっと心配してる様子の巽先輩は
森永の夢を見て、その影響で寝ぼけた
結果大変なことをやらかしていた。
夢の中で拗ねる森永、そんな森永を
なだめる意味で抱き寄せて頭をぽんぽん
してあげてる‥夢だったんだろうな 笑
現実に、そばにいて寝言の内容が
気になって近寄ったのは磯貝さん。
寝ぼけて抱き寄せたのは磯貝さん 笑
磯貝さんすら状況についていけてない
‥最悪なタイミングで帰宅した森永。
ほんとどこまでもタイミング悪い。
森永、きっと一瞬心臓止まったぞ。

自分がそばにいないうちに先輩は
磯貝さんとデキてたと勘違いして
パニックを起こし始めてしまう森永。
なんとか状況を整理しようと一先ず
先輩を起こそうと声をかける磯貝さん。
起きてあまりに衝撃の状況に一先ず
磯貝さんを蹴飛ばす先輩‥さすがに
この時は磯貝さん少し可哀相だった 笑
自分が寝ぼけてしたことや森永が
今思い切り勘違いしてることも理解
した先輩は誤解を解こうと説明した。
「お前と間違えたんだよ!!
夢に…お前が出て来たんで…。」
顔を真っ青にして冷や汗を浮かべた
森永も、先輩からの説明を聞いたら
半泣きになりながら先輩を抱きしめた。
そばには磯貝さん、いつもの先輩なら
突き飛ばしててもおかしくない状況な
気もするけど、現状でそんなことを
できるほど鬼じゃなかっただろう。
まあ離れようとはしてたけど
力じゃ森永には敵うまい 笑
‥いい雰囲気だったんだけどね、
背後に不穏な気配を感じてこの
微笑ましい状況は終わりを告げた。
悪い人ではない、でもこういう時
ものすっごく邪魔だよ磯貝さん 笑

いろいろあったけど磯貝さんは
今度こそ本当に帰ってってくれて、
森永はようやく先輩と2人になれた。
今回は自分がやらかして泣かせて
しまったってのもあって、先輩は
森永のわがままを聞いてしばらくの
間くっついてくる森永を剥がさずに
そのままいる状況を許してくれた。
いろいろ寂しい時間も続いてたし
拗ねているような態度は終わらず、
そんな中で出たのが名前呼びの話。
磯貝さんに対する敵意の理由の一つ。
磯貝さんは先輩のことを宗一くんと
呼んでて先輩もそれを許してるのに、
森永が名前で呼ぼうとした時先輩は
それを許してくれなかったんだよね。
先輩はそんなことを言った記憶は
なかったようで、呼べばいいと
口にするものの実際に呼ばれると
顔を真っ赤にして逸らしてしまう。
「やっぱダメ。」
森永、ちょっと可哀相 笑
でもその理由が嫌だからとかじゃ
なくて慣れなくて恥ずかしいから
ってんだから、可愛いだけよね。
嫌がってるわけじゃないんだって
わかって森永は嬉しそうな顔をして
そのまま名前呼びを続けていた。
この後久々にゆっくりイチャイチャ
できたみたいだけど、名前を呼ばれる
たびに体が反応してしまって先輩は
いつも以上にいっぱいいっぱいだった。
先輩が名前呼びを恥ずかしがる理由は
特別みたいだからって‥森永にとって
先輩は特別だし自分のことも特別に
思ってほしいから名前呼びがいいんだ。
まあ先輩が哲博って呼んでくれる
日はそう簡単には来ないと思うし、
森永から呼ばれる時だってしばらくは
顔を真っ赤にしてしまいそうだけど‥
それはそれで可愛くて余計に森永を
調子に乗らせてしまう気がしてる 笑
~ひとこと~
13巻、今回はとことん磯貝さんが
引っ掻き回してくれた感じです 笑
森永にとっても先輩にとってもいろいろ
大変な日々だったと思うけど、結果的に
2人の距離が少し近づいていいスパイスに
なってくれたみたいだなと思ってます。
そして先輩、相変わらずほとんど
自覚ないし無意識にって感じだけど
森永と一緒にいる時間や帰ってくる
ことを楽しみにしてるんだなって
ことがわかって、嬉しかったです。
もちろん、先輩が森永本人に伝える
ことはこの先あるかわからないけど。
森永の先輩への愛は大きすぎてそれに
比べたら先輩が無意識に森永に向ける
思いは僅かなものかもしれないけど、
先輩にとっては大きすぎるくらい
いっぱいいっぱいの思いだろうから。
もし森永が先輩のそんな気持ちに
気づくことがあったならその時は
こっそり、たくさん喜んでほしい。
この先どうなりますやら‥まだまだ
彼らの恋は危うくて、でもとても
温かい関係なので幸せでいてくれる
と願って続きを待とうと思います。