著:高永ひなこ 先生

今日も今日とて森永はヒロトくん
のバーで何やら愚痴をこぼした。
「絶望しかない。」
「オレはねえ、名古屋支社だけは絶対
死守でってずっと言ってたのに!!」
毎回呆れながらも聞いてくれる
ヒロトくんほんといい人よね 笑
新人の通例ということで、浜松での
勤務予定になっていたんだそうだ。
浜松ね、隣の県だよきっとそんなに
遠くはないよと思いつつも、相手が
あの巽先輩だし隣の県とはいえすぐ
会える距離ではなくなってしまう。
森永には厳しい現実なんだろうな。
何より、自分はすごく寂しいのに
先輩はそんな素振り微塵も見せて
くれないのが余計寂しいみたい。
‥ヒロトくんの優しさが、たまに
余計に森永の心を沈ませている 笑
私は森永が思ってるほど、先輩は森永に
無関心とかでは決してないと思うんだ。
でも先輩本人もきっかけがないとそれに
気付かないし認めようともしないだろう。
九州旅行から今までの間就職や卒業に
向けて森永は更に忙しくなったけど、
それでも2人の間に流れる空気は甘い。
すごくいい感じだったのに離れ離れに
なっちゃうとかタイミング悪すぎる 笑
森永が安心できるきっかけが何か
起きたらいいね‥そんなことを
願いながら11巻、始まります 笑

予定とは言え森永の浜松勤務は本決まり
に近いもので、仕事が忙しければ年に
一度程度しか帰ってこないかもしれない。
それならこの大きな部屋で1人で生活し
続けるのは勿体ないと考えた巽先輩は
ワンルームへの引っ越しを考えていた。
でも森永は反対、たまに帰って来る時には
そのワンルームに来ればいいだろと先輩は
言ってくれるけど、2人の居場所として沢山
思い出がある部屋を手放したくなかった。
それならばと代替え案を出してくる先輩。
「いいだろう、じゃ借りたままに
しておこう。そのかわり空き部屋
は誰かに間貸しするからな!!」
そんなの、森永は猛反対猛抗議した 笑
でもどちらか選べと言われ、どちらも
選べないでいるうちに先輩は早くも募集
の紙を張り出してしまったようだった。
(先輩が他の人と暮らすくらい
ならワンルームで手を打った
ほうがマシなのかな…。)
森永の気持ち、こんなに反対する
理由は先輩の気持ちが離れていって
しまうことへの不安なのかもしれない。
いろんな状況が重なったことで奇跡
的に今の同居に辿り着けたわけで、
そのおかげでここ最近の甘い空気
だってあったかもしれないと思うと
あの部屋を手放したら2人の距離が
またいっきに離れてしまうのでは?
帰ってくる時はワンルームの部屋に
帰ってくればいいって言ってくれてるし
そこまであからさまに心が離れるって
ことはないんじゃないかと思うけど、
もし滅多に帰ってこないという前提
つきなのだとしたら多少不安もある。
気持ちを確かめ合うのって大事だね。
そこがちゃんと出来てないから、
すぐ不安になってしまうんだろう。
たまには‥ちゃんとそういう会話も
出来たらいいと思うんだけどね。

募集はしているものの中々応募を
してくれる人もおらず諦めかけて
いた頃、同じ研究室の田所くんが
実は応募を迷ってたと言ってくる。
元々好条件の募集で、でも募集
要項に巽と苗字のみを載せた結果
巽=この巽先輩と確信できなくて
応募を保留にしたのかもしれない。
森永のある小細工により募集の主が
見知った先輩だと知って改めて応募
しようとしていたことを口にした。
そこからはトントン拍子に話が進む。
見知らぬ人とのルームシェアなんて
巽先輩自身あまりしたくなかったが、
相手が見知った後輩なら安心感もある。
「ちょうどいいや、田所お前来週
からしばらく泊まりに来いよ。」
浜松に行くのはまだ先だが、翌週から
研修で森永が家をあける期間を使い
お試し期間をやろうということに。
森永の部屋を田所くんに使わせる
という話に猛抗議した森永だけど、
実際これは他人が自分の部屋にと
いうことより自分の居ぬ間に先輩と
見知った人とは言え他人が一緒に
生活するのを辞めさせるための必死
な言い訳だったように聞こえた。
‥のは私だけだろうか 笑
それならばと先輩の部屋を田所くんが、
森永の部屋を先輩がという代替え案を
出され始めは反対を口にするも‥
自分の部屋を先輩が使う方は森永と
しては嬉しい誤算だったのだろうね。
つい嬉しいのかダメなのか混乱して
大人しくなっている間に話は勝手に
進められお試し期間実施が決定 笑
ついでに、これまでは極力明かさない
ようにしていたらしい巽先輩と森永が
ルームシェアしているということが
思い切り後輩たちにバレたようです 笑
さてさて、どうなりますやら‥

田所くんとの生活はお互い必要以上に
干渉することもなく比較的快適そう
に思えた‥巽先輩の睡眠以外は。
普段から森永が寝てる部屋やベッド
には森永の匂いがついてたろうし、
シーツを洗濯してみてもそれは
きっと簡単には消えてくれない。
そんな所で寝て、先輩は毎晩毎晩
森永とのえっちな夢を見てしまって
その結果寝覚めは最悪で寝不足気味。
電話をかけてきた森永に対して
文句を言いそうになってしまうが
その夢の内容を言えるわけもなく‥
「に、におった?臭かったの!?」
誤解が生まれたようだ 笑
森永の部屋だからいけないのかもと
リビングで寝ることも考えるけど、
それですらまた夢に森永が出てくる。
きっとこの家はどこだって‥先輩の
部屋は例外かな? それ以外はきっと
どこで寝たって夢に出てきそうだ。
それくらい森永との思い出でいっぱい
の部屋になってしまったんだろう。

いつまでも寝不足問題は解消されず
きっと溜まってるんだ‥一回抜いて
しまえばきっと落ち着くはずだと
考えた時、ちょうど田所くんは飲みに
出かけていって家には1人きりに。
一時的に自分の部屋になっている森永の
部屋で始めようとして‥まるでタイミング
を見計らったかのような森永から着信。
週末だから一旦帰ってくると言って、
あと数分程度で家に着くところらしい。
そこでハッと我に返る先輩だけど
夢の中の森永の言葉と現実の森永の
言葉が重なって‥声が出てしまう。
これを聞いた森永は大騒ぎだ 笑
「先輩今の何!?誰かと一緒なの!?」
叫んだ時にはいつものごとく、巽先輩は
都合の悪いと言わんばかりに電話を切って
しまったけれど、森永は家のすぐ近くに
いて巽先輩には逃げ場がなかった 笑
悩みながらも、一先ず森永の部屋から
出ようとした先輩だけど、出るより
森永が帰って来る方が先立った。
先輩が田所くんに襲われていると
勘違いした森永は早かったね 笑

最終的に声の理由もにおうと言われた
理由も把握して、無事誤解はとけた。
そんな状況でやることやって(言い方)
先輩はやっとぐっすり眠りにつけた。
一緒に寝ていた森永は田所くんの帰宅
に気付くと玄関まで行って‥これは
牽制だったんだろうね、きっと 笑
巽先輩は俺のものだからねっていう。
事情を知らない田所くんはめっちゃ
困惑して考えすぎてその日はろくに
寝られなかったかもしれないけど 笑
そして翌日も森永は先輩との仲の良さを
見せつけるような態度をとっていて‥
「今日は久しぶりに土日と続けて休み
だし…明日の夜には戻らなきゃならない
からセンパイと2人で…ゆっくり過ごし
たいと思ってるんだよね…それで…
田所くん今日の予定は?」
実はこの発言の前に1度予定を聞いて
いて、それに対して田所くんは家で
ゆっくりしようと思うと答えていた。
それなのにあえてこんな遠回しな言い方
をして森永は田所くんを追い出したのだ 笑
ほんと森永、そういうとこな !!
笑顔で脅迫するのやめて怖いから 笑
先輩のいないとこでこういうこと
やるもんなー‥森永ほんと恐ろし 笑

田所くんが逃げ帰っていった後、
改めて冷静になって話をした。
2人の、この部屋の今後について。
「他の人とシェアする話…お願いだから
考えなおして。ホントはここも…引っ
越さないで欲しいけど…それがダメ
って言うなら…ここは諦めて先輩が
一人暮らしする方がマシって気付き
ました…だから…お願いします。」
カッとならずに冷静に話してみれば、
森永が不安がっていたことは先輩に
とっては全然頭になかった内容で、
一度離れたってまた戻ってきたら
一緒に住むという前提で話してた、
そうすると無自覚に思い込んでた 笑
不安がるから、余裕がなくなって
本当に聞きたいことじゃなくて
余計なことばかり口にしてしまう。
さらには2人ともだいぶ言葉足らず 笑
ちゃんと、冷静に、話をしよう。
良かったね森永、不安がすべて
消えたわけではないかも知れない
けど、少なくとも今先輩の考える
未来の中に確かに森永はいるよ。
ほんとこの2人は見てて飽きない 笑
~ひとこと~
かなーりお久しぶりですかね、
『恋する暴君』11巻でした。
いい雰囲気は長く続いてくれず大体
何か問題が発生しますねこの2人 笑
でもきっと不安だらけの森永と
気持ちの自覚や言い訳が必要な
巽先輩には必要なことだったかな。
これからもこうやって喧嘩しながら
なんやかんや仲良く入れくれるんだ
ろうな~と想像だけでも微笑ましい。
12巻まで手元にありますので、次回も
続けて紹介させて頂こうと思います。
良かったらまたお付き合いください。