[BL]恋する暴君 第10巻

著:高永ひなこ 先生

9巻でいい感じに落ち着いて
からの10巻…結構話が
ぶっ飛んでまいりました。

森永の地元の知り合い(ゲイ)が
結婚(養子縁組)することになり、
その二次会(福岡)の招待が届く。

先輩と離れるのが嫌だと
喚く森永に、相談を受けた
ヒロトくんは冗談で言った。

「だったら先輩さんも誘って
2人で行ってきたらええやん。」

誘っても断られるだろうけどという
ヒロトくんの本心をよそに、森永は
しつこくしつこく誘った結果…
美味しい物や温泉なんかで上手く
巽先輩を釣ることに成功したw

そんなこんなで九州旅行のお話~☆

恋する暴君10-1

ゲイカップルの結婚式の二次会
ということを伝えていなかった
状態で、半ば無理やり二次会に
先輩を連れて来てしまった森永。

事実を知った先輩は挨拶を
済ませた後森永に頭突して
先に一人で外へ出てしまった。

でも、森永の目的は果たせた
ようです。多分、昔…まだ名古屋に
行く前だから、真崎さんとのこと
とかでいろいろ抱えていた頃から
通っていたバーのマスターらしく、
ずっとお世話になってた人だろう。

今は幸せだって、ちゃんと
紹介できて良かったよ、ほんと。

恋する暴君10-2

幸せな雰囲気の二次会から帰り、
そこで突然先輩が言い出した。

「今回実家には帰らないのか。」

相も変わらず、実家を拒む森永。
森永の話すイメージや、最初の
頃の国博さんの態度からして、
5年らそこらで何か大きく変化
しているというのは考えにくい。

国博さんだって、真崎さんって
いう大きなきっかけがあったから
理解できるようになっただけの話。

先輩の言い分はきっと正しいけど、
そう簡単な話じゃないんだろう。

宗仁さんはほんとすごいと思う。
でも…いつかはちゃんと和解して
先輩とのことを認めてもらえる
ような関係になれたらいいな。

恋する暴君10-3

先輩は心配して言ってくれた
ことだったのに、それに対して
ムキになって反抗してしまった
自分に後悔して、謝罪する森永に、
先輩は気にしていないと言った。

「会えるうちに会っといた方がいい
んじゃねーのと思ったんだよ。」

早くに母親を亡くしている
先輩だから出てきた言葉だろう。

その言葉で、森永もいろいろと
考えさせられたらしい。まだ
今すぐは覚悟できないけれど、
ほんとはずっと向き合いたいと
思っているのかもしれないね。

こんなふうに思えたのだって
きっと先輩のおかげで…森永は
一人で結構何でも出来てしまう
人だけれど、それでも先輩と
関わることで大きく成長して
ってるなとすごく思う。

恋する暴君10-4

温泉で転びそうになった先輩を
支えた森永の手を、先輩が払う。
それに大して寂しそうな顔をする
森永に先輩は一言「ちがう」と言った。

その後もしばらく不機嫌そうに
見えた先輩だったけれど、それは
考え事をしていただけだった。

しばらくして、突然弁解を始める。
それまでの不機嫌な感じは、どう
森永に伝えたらいいかとずっと
悩んでいたんだそうです。

「俺とお前じゃスキンシップ
のボーダーラインが違う。
お前にとって大したことじゃ
なくても俺にとっては大した
ことだしびっくりもする。」

「つまりあんなのはとっさの反応に
すぎないしお前はそれにいちいち
傷つかなくていいんだよ!解ったか!」

今までの先輩なら、勘違い
されようが放っておいたろう。
それを、誤解しないように、
一生懸命言葉をまとめて、
こんなにまっすぐ伝えてくれた。

勘違いされて森永がヘコんだり、
変な方向に謎解釈をされたり、
そういうのを避けるためにって。

森永に対する扱いとか、
感情とか、少しずつだけど
確実に変わってってるね。

前半なんて森永が一方的に
頑張って間違ってヘコんで
立ち直って…って感じだったけど
最近は先輩が少しずつ歩み寄って
変わっていってるなって感じる。

…なんか、嬉しいですね。

恋する暴君10-5

一緒に温泉に行った時、森永が
服を脱いでいるのを見た先輩は
妙に挙動不審だった。そして今、
いつもならそんなこと気にしない
先輩が、電気を消せって言った。

(「先輩が目をそらす。オレは
見つめる。全部開いて全部暴く。
先輩が眉を寄せて目をふせた。」)

先輩の森永に対する意識が、
前よりずっと濃くなっている。
きっと認めたくないっていう
思いが先輩の思いを無理やり
堰き止めてるだけなのかもな。

…本格的に素直になる先輩
とか全く想像できないけれど、
それでも…こういう気持ちは
これからどんどん強くなって
いくんじゃないかなって思えた。

恋する暴君10-6

今すぐは無理だけど、ちゃんと
行かなきゃなって思いが改めて
芽生えてきた森永に対して、
付き合ってやってもいいと
言ってくれた先輩の言葉。

きっとすごく嬉しかったろう。
そして、先輩と一緒なら覚悟
することが出来るかもしれない
…そう思えたのかもしれないね。

「さっきの一泊…もう少し
預かっといてくれませんか?
オレの覚悟が決まったら…
その時使わせて欲しいです。」

そう伝えると、「ヒマだったら」と
言われたけど、否定はされなかった。
こういう素直に肯定しないのも、
なんだか先輩らしさに思えるこの頃w

森永が覚悟することが出来る日も
そう遠くはないかもしれないね。

~ひとこと~

という感じで、九州旅行の話。
そこからの家族の話他々でした。

ストーリーとして状況が大きく
変化ということはなかったけれど、
心境という意味で変化の多かった
巻だなと感じます。それもいい
意味での変化ばかりでしたね。

これから、どこまで続きを
描いてもらえるのか、楽しみな
反面、そのうち終わってしまうの
だろうかと寂しい気持ちもやや
芽生えつつ…これからも新刊が
発売されるのをのんびりと
待っていこうと思います。

新作、「花と蝶(ひらり)」
の1巻も発売済です。

おまけ

若干ホラー要素ありですが、個人的
にはありです。興味ありましたら
こちらもぜひ読んでみてください!