詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。 第3巻【完】

著:古舘春一 先生

詭弁学派、四ツ谷先輩の怪談。3-1

・本当に狐や狸…狐狗狸さんが
来ていると思わせるための選出

体育館の足元を走り回る
しばらくシャンプーしてない
動物の匂いが濃いくまきち

・精神を乗っ取られると
いう恐怖を煽るための演出

狐の面をつけた小町先生
の変装をしたヒナノ

「狐狗狸さん、お帰りください。」

四ッ谷先輩の演出は大成功。
結果的に工藤先生が起こさせた
事件による悲鳴は、怪談による
恐怖心の悲鳴に書き換えられた。

詭弁学派、四ツ谷先輩の怪談。3-2

やっぱりただの変人らしい。
こういう四ッ谷先輩だから、
こういう真っ直ぐな真だから。

この2人だから今が成り立ってる
んだろうなって改めて思ったw

四ッ谷先輩と真のこの
空気感がなんか好きだな。

詭弁学派、四ツ谷先輩の怪談。3-3

事件は一段落付いたと思われた。
でも、照明を点け直した体育館で
見つかったのは長谷川花子の頭部。

これに関して、四ッ谷先輩は
怪談を創ろうとはしなかった。

「犯人のお望み通り怪談を
創ってやるつもりはない。」

そんなある日、突然の呼び出し。

「生徒の呼び出しをします。
2年A組―四ッ谷君、至急
校長室まで来なさい。」

先輩を呼び出した校長は、場所を
旧校舎に移してこんなことを言う。

「どうして”花子さん”の
怪談を創らないんだい?
材料は揃えたというのに。」

怪談が大好きで、怪談には王道の
花子さんに関する怪談がなくて、
それを四ッ谷先輩に創らせるための
ネタにするための殺人だったのだ。

花子という名前だった…そんな
理由で校長は彼女を殺した。

予想以上に頭がイカれている…
そんな校長先生に、四ッ谷先輩は
怪談を話す…そして最後に言った。

「こういう怪談がお望みですか
…でも俺がこの怪談を―他の
誰にも語らないとしたら?」

…頭のいい工藤先生より余程厄介な
人に興味を持たれたようだよ先輩…

事件…嫌な真相でしたねほんと。
青ちゃんも、花子さんも可哀想。

詭弁学派、四ツ谷先輩の怪談。3-4

四ッ谷先輩の言葉に、校長先生は
校内で知らない者のない怪談の象徴
のような存在である四ッ谷先輩が、
『旧校舎で校長に焼殺される』という
怪談のネタを創ろうと言い出した。

「さァ共に!!怪談になろうじゃないか!!」

手錠で四ッ谷先輩を旧校舎に繋ぎ、
灯油をばらまき、火を放った。

真に逃げるように言う四ッ谷先輩
だったけれど、真は逃げなかった。

「今度はあたしが!!先輩を助けるん
ですっあたしが!!あたしの意思で!!!」

「だって、相棒じゃないっスか!!!」

…結果的には、みんな助かりましたw
真はやっぱり真なんだけれど、なんか
品茂先生は第一印象から随分変わって
すごくいい感じになったなと思いますw

命の危険を感じる場面だったけど、
こんなことになって本気で焦る
四ッ谷先輩を見れて少し嬉しいw

詭弁学派、四ツ谷先輩の怪談。3-5

「”花子さん”は校長の為の
怪談ではない。”本当の
聞き手”は長谷川青太だ。」

そう言って、青ちゃんに向けて
怪談を語り始めた四ッ谷先輩。

「―バラバラにされた身体、
見つからなかった頭部…

それら全てが見つかっても
花子さんにはまだ探している
ものが有りました…それは
弟への最期のことば。」

校長が持っていたレシートの裏には、
青ちゃん・弟に向けた花子さんからの
言葉がびっしりとかかれていました。

それは謝罪であり、後悔であり。
そんな思いを、言葉を…自分が殺される
前に、最期に届けようとしていたんだ。

最期の最期になってしまったけど、
ちゃんと気持ちが繋がれて良かった。

詭弁学派、四ツ谷先輩の怪談。3-6

最後の最後、なんかすごく
ヒヤヒヤしましたよww
恐いとかでなくて、不安で。

でも結果的には…全体的に
なんだか気持ちが暖かく
なってしまうような和やかな
終わり方をしてくれました。

「ただ恐怖をまき散らす
だけが怪談じゃあないんだ。
“怪談”と”ホラー”は必ず
しも同じじゃあない。」

そう話す四ッ谷先輩の怪談は
たまたま事件を解決してその
結果人助けをしているのが常。

たまたま…そういうけれど、
彼の怪談は結果的にはすごく
いい結果を生み出して終わる。

真実を知っている人からしたら
彼の怪談はただのホラーでは
なく感じたかもしれないね。

いろいろあった2年A組だったけど、
今はもう真は卒業して、もうあの
場所に四ッ谷先輩もいないとか…

幻の生徒になってしまった四ッ谷
先輩は…ここあえて伏せます。
伏せて引っ張るほどの内容でも
ないのだけれど、レビューですし、
謎は多いほうがいいかなーとね←

中学校に残された七不思議は、
全て実際に起きた事件の時に
四ッ谷先輩が創った怪談です。
そして四ッ谷先輩も怪談の1つ。

いやー、面白かったです。
すごくおもしろかったです。

~ひとこと~

本編が最終回を迎えた後には、
読み切りが2つと番外編が1つ
描かれておりました。

読み切り1『王様キッド』

2巻に読みきりであった『アソビバ。』
ベースとなった、作品なんだそうです。

読み切り2『詭弁学派、四ッ谷先生の怪談。』

『四ッ谷先輩の怪談。』の前身。
そんな読みきり作品だそうで、
本編に出てきたキャラの名前で
違う設定のキャラ達がおりました。

初の怖い話だったそうですが、
すごくワクワクさせられました。

番外編『最後にして始まりのおはなし』

こちらは本作の番外編です。
四ッ谷先輩があんな性格になり
そして中学での怪談になるまでの
お話が描かれてます…興味深いw

最期までとてもドキドキワクワク
しながら読むことが出来た作品です。

いやーほんと面白かった!!!
3巻で終わってしまったことを
寂しく感じてしまうほどです。