著:ありいめめこ 先生

前日のにゃむにゃむの影響で寝て
起きてもまだ正広は変なスイッチが
入ったまま、ぽやぽやしてる状態で
なんとか学校には来たものの心ここに
あらずというか‥ようやく正気に戻り
昨晩からのいろいろを思い出したことで
大暴れするはめになったのは昼だった 笑
いろいろありつつも幸せそうなのは
いいことだ、いいことなんだけど。
「せたがわは今友情を
おろし大根にしている。」
そんなことを言い出す健介、正しくは
おろし大根ではなくおろそかですね。
‥すり減らしまくってそうだな友情 笑
確かにある意味おろし大根かもね ←
ということで、最近はずっと康介さんと
2人の生活をしていた正広は昔のように
大柴家でみんなで集まることになった。
「康介さん多分仕事で遅くなる
と思いますし泊まりますね。」
と連絡をよこした正広的には、
自分が家で待っていると思ったら
康介さんが仕事に集中できなくなる
だろうから邪魔をしないためにもと
いう気遣いだったが、康介さん的には
帰宅拒否されたと激しく動揺していた。
まあ康介さん的には、帰ったら正広がいる
っていうのが何より安心する部分だろうし
拗ねたくなる気持ちもわからなくはない。
でもそれで正広が不安になったり寂しく
なっても構わないという話ではない。
(オレが安心して仕事するためになって
ねえか。そんなの親父と一緒だ。)
今正広と同棲している日々を通して、
康介さんは大事な時に家族を放って
仕事ばかりしていたと嫌っている父
と自分の姿を重ねてしまっていた。
そういえばお父さん帰ってくるらしい
ですよ、余計に康介さんは情緒不安定。
‥にしてもほんと、恋してるなあって。
好きな子に好かれたい、嫌われたくない、
でも自分が望むことはしたい、でもそれ
以上に好きな子には幸せでいてほしい。
そういう想いをお互いが持ってる
からこそこんなに悩んでるんだ。
そんな恋とか愛とかによるいろんな
葛藤が、当人たちは大変だと思うよ。
でもやっぱ良いなって少し憧れた。

仕事が忙しすぎるのも、父親が帰って
くるというのも、そんないろいろで
ゆっくり正広にかまう時間が作れない
のがきっと康介さんにとって1番の
ストレスや疲労の原因だったろうか。
寂しくてちょっと変なスイッチが
入ったのは正広だけど、相変わらず
不安でいつも心に余裕がないのは
きっと康介さんの方なんだと思う。
正広の帰宅拒‥ではなくお泊り許可
申請に悩みに悩んだ末いいよとは
言えず好きにしろなんて返信した。
そんな矢先、さらに康介さんには
きつい試練が訪れることになる。
康介さんの仕事が休みの日に、
父親を東京まで迎えに行くのを
一緒にと母親に言われたのだ。
「言わなきゃいけない
ことがあるはずよ。」
その内容までは言われてないけど、
康介さんは正広とのことを、正広と
一緒の未来のためにきちんと伝える
時が来たんだと覚悟を決めていた。
その覚悟を決めさせてくれたのは
やはり正広の気持ちだっただろう。
そう簡単なことではないと思うけど
彼らの願いがきちんと届けばいいな。

2人のこの先のこと、未来のこと、
そんな大事な話を康介さん一人に
任せていいんだろうかと考えていた
正広にこんなことを言ったのは弓家。
そこからいろいろあって今に至るわけ
だが‥康介さんは2人の関係が母親には
バレていると思っていたようだけど、
「親父、オレ一緒に
暮らしたいヤツがいんだわ。」
この言葉に誰よりも驚いていたのは
母親、顎外れるレベルで口あいてた 笑
母親が康介さんと父親に話してほしいと
思ってたことは見当違いだったみたい。
ずっと父親を嫌う康介さんと、それに
対して何かしようとするでもない父親に
きちんと仲直りをしてほしかったみたい。
正直仲直りは多分できてないと思う。
でも康介さんの本当の目的は、正広が
想像しなかったであろう状態で父親の
前につれていかれ果たされることに。
正広と弓家、変装してずっと康介さん
たちと同じお店の中にいたんよね 笑
もちろん康介さんにはそのこと伝えて
なかったんだけど見つかったらしい。
てかめっちゃ女装してるのに、化粧
までしてバレないようにしてたのに
康介さんさすがすぎて驚いたけど。
相変わらず父親のことは嫌いだし、
自分の好きな子、未来を共にしたい
大事な子を紹介なんてしたくない
のが康介さんの本心だったけど、
それでも正広が望んでるんだから
伝えなければと思ってくれたんだ。
女装っ子を紹介することになるとは
きっと誰も想像してなかったろうが。
でも個人的に何よりも嬉しかったのが
女装はともかく結婚したい相手だと
目の前に出てきたのがお母さんから
したらよく知る男の子で、それこそ
驚いても仕方ないかもしれないのに‥
「ヘンだなって思ったの。
だって勢多川ちゃんずーっと
先もうちにいる気がして…。」
お母さんからしたら、正広はもう
家族になっていたのかもしれない。
家に康介さんがいて、そこに正広もいて
優しい笑顔で康介さんを見つめてた。
そんな2人がいる光景が彼女の中で
当たり前になってたのかもしれない。
それに今回父親と会うのに康介さんも
一緒に行くって話を正広が知ったのは
彼女がわざわざ教えてくれたからだった。
「だって康ちゃんのことは
勢多川ちゃんに言っておかないと。」
なんて言ってさ、どういう理屈だ 笑
不思議だけど、関係なんて知らなかった
のにそんなふうに感じてもらえたなんて
すごくすごく嬉しいことだろうと思った。

最終的に父親とはまともに話すことが
できないまま仕事だと音無さんて人に
連れて行かれてしまったんだけど‥
いっぱいいっぱいでキャパオーバー
気味な正広、父親の胸ぐらをつかむ
康介さん、と言い合いになる父親。
冷静にその場を鎮めてくれる母親。
改めて母親の存在すごいなと思った。
お母さんの存在がなかったらきっと
大柴家はとっくの昔に崩壊してたよ。
お母さんのおかげで、一応父親から
康介さんと正広のことに反対ではない
という言葉を引き出すことができた。
そしてお母さんも、正広がそう思って
くれたことを嬉しいと言ってくれた。
音無さんが現れてからは、父親の頭は
すっかり仕事の方を向いてしまってて
先程まで息子と言い争っていたのも、
息子が男の子と結婚したいと言ってきた
のも全て頭から抜けているように見えた。
大柴家の父親っていうのはそれ
くらいの仕事人間なんだろうね。
(オレはあれだけ否定してたのに、
ああなりたかったんだな。)
康介さんはずっと父親を嫌いつつも、
そうやって仕事にのめり込んでいる
父親に対して憧れも持っていたみたい。
康介さんの中でずっともやもやしてた
気持ちは今回話して気持ちをぶつける
こともできて、新たに気づけたことも
あって少しすっきりしたんじゃないかな。
あと康介さん、
(親父…こいつ(音無さん)の
せいで帰ってこれないんじゃ。)
とも思ってて、私もそう思うわ。
せっかく有給とってここまで来た
のを連れてっちゃったんだよ 笑
仕事人間なのはそういう人なんだと
しても帰ってこられなかったのは
絶対この人のせいだと思えてきた。
母親はといえばこうなることも予想して
いたのか、ちゃっかり泊まり用に荷物を
用意してきていて、父親が泊まってる
ホテルに一緒に泊まると正広に家の留守を
任せて音無さんと父親と去っていった。
ほんとナチュラルに、目の前に息子が
いるのに息子でなく正広に家の留守を
預けて去ってった‥ほんとすごいな。
でもうん‥ほんと良かった。
一先ず康介さんも正広もお疲れ様。

正広にとって自分の母親と住んで
いた家はきっと心から安心できる
ような場所ではなかっただろう。
康介さんと同棲していた部屋は
一緒にいる時は幸せで安心も
できたかもしれないけど1人だと
寂しくて不安で仕方がなかった。
そして大柴の家は、よく人が集まり
賑やかで集まる友人もここに住む
家族のことも正広は大好きで、
康介さんの両親からのOKが出る
前から正広にとってはきっと1番
安心できる場所だったんだろうな。
そんな場所にずっといていいんだという
許しをもらえたからか、しげおやササは
いても人は自分だけのこの空間にいても
寂しいだなんて少しも感じなかった。
なんかね、ほんと良かったなって。
正広には心から安心できる場所も
ここにいていいんだって思える
場所すらなかったのかもしれない。
やっと見つけられたのかもな。
なんて思っってしまったから、
少しだけ泣きそうになった。

これは康介さんの誕生日のお話。
康介さんからランチデートに誘われて
入ったお店のメニュー表に驚く正広。
今日は康介さんの誕生日、なのに
連れてかれたのは少しお高いお店。
オレの誕生日なんだから何をしても
許される、というのを好きな子に
美味しいご飯を奢るなんて内容が
含まれるのは想像してなかったぞ 笑
でも普段美味しいご飯を作ってくれる
正広がこんな幸せそうな顔してご飯
食べてくれるんなら、自分がお金出して
でも美味しいものを食べさせてあげたい
って気持ちになるのはわかる気がした。
「大人になると誕生日なんて
大したイベントじゃなくなんだよ。
プレゼントに欲しい物なんて実用品ばっか
になってくし、だから―まあ、なんだ、
モノ買うよりお前がメシ食べてる
とこ見るほうがお得ってこった。」
康介さんの誕生日は、康介さんが愛情を
溢れさせても許される日に思えたよ 笑
でもいいね、きっと康介さんも正広も
相手の幸せとか嬉しそうな表情とかが
1番な人たちだろうから‥愛だなあって
ちょっと幸せな気持ちになってしまった。
あと、康介さんはああ言ったけど正広が
用意してくれていたしっかりモノである
プレゼントは大喜びで受け取ってたよ。

こちらは夏生のBARでのお話。
ある時お客さんが夏生にこんな
ことを言ってるのを聞いた弓家。
「子供には見せらんないか
酔うとみだれるもんね。」
最近はあまりお酒を飲まないように
気をつけているらしい夏生、酔うと
子供には見せられないような乱れ方
をするらしいとなったら‥
((((見たい))))
弓家の心の声の主張すごかった 笑
それから夏生が酔ってくれる日を
弓家は待って待って待ち続けた末‥
ついにその日はやってきたようだ。
‥けど、乱れというか少しの奇行 笑
さっさと退散していった飲み仲間さん
たちいわく、耐えたんだろうってさ。
うん、多分そうなんだろうね 笑
夏生最初はともかく今はもう弓家に
対してそんなに壁作ってるふうじゃ
ないし、あえて自分にストップを
かけようと頑張ってるふうに見える。
元々好きな人いても、そういう人に
こそ素直になれない性格じゃん 笑
案外時間の問題なんじゃないかな~
と思う反面、いつかこの物語が終わる
時になってもこの2人はこのままかも
って気も少ししてて、個人的には
どんな展開でもオイシイ2人です。
~ひとこと~
というわけで11巻でした~。
今回1番内容として大きかったのはやはり
ご両親に伝えてお許しを得たということ
でしょうか‥あの時の正広ほんっと完璧に
キャパオーバーでおかしくなっちゃってて
見てて可哀相になるくらいだったけど、
それがきっかけで父親の胸ぐら掴んじゃう
くらい康介さんも余裕なかったんだろうな。
料理を作らせたら危険なお母様だけど、
今回ものすごく心強い存在に感じました。
父親は仕事ばかりで帰ってこない状態で
男子2人育ててきた母はすごい、強いね。
不安になったりひやひやしたりする
場面以外ではちょっとおもしろいとこ
とか可愛らしい萌えポイントだって
ばっちりあったんですけど、個人的
には全てお母様に持ってかれました。
今後、なにか変わるんだろうか‥
いやきっと何も変わらないかな。
ただ気持ちの面では、正広にとって
大きな変化があっただろうと思う。
そのうち正広の母親にも話すだろうし
それには多少不安はあるけど、きっと
大事にはならず済むんじゃないかな。
というかもうそろそろいいんじゃない
かなって、家族と、恋人と、友人との
幸せな時間を満喫する時間があっても
いいんじゃないかって思うわけですよ。
いろいろ頑張りすぎてるからさ、
正広も康介さんもメンタル的に
たっぷり甘やかしたいわけです。
ありい先生甘々展開期待してます←
というわけで、また続刊をのんびり
待とうと思うので良かったらまた
お付き合い頂けたら嬉しいです。