著:ありいめめこ 先生

確かにそうなのかもしれないと思った。
正広はすぐ1人で悩んで、康介さんに
相談を持ちかけたりも出来ないだろう。
だからこそ、康介さんの方からこれ
でもかってくらいの愛情表現をして、
それに対して正広が止めに入るくらい
でちょうどいいのかもしれないよね。
でも…それだけなのかどうなのか。
康介さん自身はどうしたいんだろう。

余裕なふりしたって、康介さんも
結構いっぱいいっぱいなのかも。
それを見せまいと、正広の憧れの
ままでありたいと頑張るけれど…
大切な人に恋する気持ちが本気なら
そんな余裕なんてなくなってくよ。
まだまだお互いに不器用だけど、少し
ずつお互いに歩み寄ってけばいいね。

康介さんにとって、正広の最初の
印象は”要保護観察児童”だった。
それが、少しずつか正広の抱える
ものや思いを知って、でも自分や
健介がそばにいるのに泣き言や
愚痴を言ったりすることもない。
そんな正広をそばでずーっと
見守ってきて、康介さんの中に
少しずつ何とかしてやりたいって
感情が芽生えたのかもしれない。
それが恋に近いものに変わるのも
時間の問題だったのかもだね。
「君はきっとこう思ってる。
自分といることで彼から他の
人間と心を通わせる可能性を
奪ってるんじゃないか…ってね。」
これは‥康介さんの学生時代からの
友人かな?支倉の姉・彩香の旦那で
ある宝城に言われた言葉だった。
正広を大事に思えば思うほど、
このままじゃいけないって思いが
大きくなっていったのかもしれない。

そんなことしたくないくせに…
でも、それでも康介さんがそう
決めたなら…揺るがないなら従う。
きっとたくさん悩んでそういう
答えを出したのなら従うしか
自分にできることはない…きっと
そういう考えなんだろうと思う。
きっとそれが正広の最大限の強がりで
迷惑をかけたくないという願いだろう。
でも本当にそうなったら…そんな
強がりなんて言えないくらいに
ツラいし苦しくなると思うよ。

「もう、もう終わるか…。」
なんて突然言い出したのは康介さん
だった。ここ最近は康介さんの方から
構ってくることが随分と減っていた。
もしかしたら、宝城の言葉も関係
していたのかもしれないね。自分
以外との時間、自分以外への関心を
もっと持たせなければ…っていうさ。
そんな状態からのこの言葉だ。
正広はフラれたんだと思った。
受け入れるつもりだった…でもね、
やっぱりそんなこと出来なかった。
これでもかってくらいすがりつく。
「違う、さっきのは無しって話だ。」
…???
別れ話だと思って必死になって
いた正広に・・・なんというw
でもずっと、康介さんだって
どうしたらいいのか不安だった
のかもしれない…一回りも年下の
正広相手にすがりたくなるくらい
もしかしたらずっと不安抱えてた。
いろいろ不安はあるかもしれない。
きっとこれから先、増えていく
ものかもしれない。でもそのたび
お互いに不足を補い合って支えて
いけばいい、乗り越えればいい。
「康介さんと青春は両立しますんで!」
正広は、最近は康介さんのおかげで
随分涙もろくなったけど、弱くない。
きっと、この2人なら大丈夫よ。

正広のことを思うが故だったけど、
その結果正広を遠ざけるような
態度をとってしまっていた康介さん。
でももうそんなことはしない。そう
いうのも込めてだったろう、正広に
宛てて手紙のような念書のような
ものを渡した康介さん…封筒の中
には指輪が入っていた。そして
康介さんのズボンのポケットには
もう一つ指輪が…いつかずっと遠い
未来には、どちらかが先に死んで
しまう日が来るかもしれないけど、
それまでずーっとずっと一緒にいる。
そういう気持ちの現れだったかもね。
康介さんの方が先に死ぬ…みたいな
ことをぼそっと口にしてしまった
せいで大泣きするはめになった正広
だったけど…大丈夫だからね、まだ
随分と先の話だよwそれまでずっと
一緒に、そばにいつづければいい。
~ひとこと~
2巻でした~!!アニメを先に見た
んですが、大分お話変わってました。
ので、アニメを見た方でもまた
違った感じに楽しめるかもです。
何と言っていいのか、イマイチ説明
ベタで申し訳ないところですが、
彼らの恋愛…お互い少々めんどくさい
性格してますからね、きっと問題も
絶えないんだろうなって思います。
でもそれでもこんな彼らが本気で
恋をした相手だから…幸せになって
ほしい…ほんと心からそう思います。