
こんな、不良達のパシリをやって
過ごすような中学時代。こんなでも、
家に帰るよりましだと思っていた。
その頃不良達の中で話題になって
いたのが『熊殺し』と呼ばれる男。
(大勢にケンカ売って
勝つ…爽快だろうなぁ。
『夜な夜なろくでなしどもを
ちぎって捨てて消えていく。
それってなんかヒーローっぽい。』)
そんなことを思っていた矢先のことだ。
不良達が噂の熊殺しに遭ったという。
その日、不良達はボロボロで集まれる
ような状況ではなく、仕方なく家に
帰れば、水商売の母親が客を連れ
込んでいて帰るに帰れない状況。
そんな時に偶然再会したのが健介。
随分と衰弱気味の捨て猫を見つけて
どうして良いか困っていた所に正広に
助言をもらい、猫を飼って元気にする
ために正広を自分の家に連れて行った
のが…正広と熊殺しの出会いだった。
まさか噂の熊殺しが、同級生の
兄だなんて誰も思うまいに…w
この後、正広は熊殺しと呼ばれて
いる康介さんの舎弟になった。

そんな出会いから数年。正広達は
高校生になった。いろいろと解決
しないままの問題もあったろうが、
少なくともあの不良達のパシリとして
居場所を確保していた頃に比べたら
随分と正広は楽しそうに思えた。
バイトを始め、学校とバイト以外の
時には健介の家に行く。高校では
数人の友人も出来、彼らも含めて
集まる健介宅ではおかんのような
ポジション…料理番をしていた。
充実だってしてきてただろう。
それでも消えないツラい現実にも
自分で立ち向かって何とかしよう
としていたのかもしれなかった。
康介さんに会って、この人のそばに
いれば自分は何でも出来る気が
した…正広はそう話していた。
そんな正広に、突然康介さんは
こんな言葉を投げつけてくる。
…正広の心にそんな思いがあるのか
まだよくわからない。ただの舎弟
という以上に何かあるのかどうか。
なんだかんだと平和だった日常に
波乱の幕開けの予感ですねぇ…。

康介さんとの件は、未だに何も解決
していない。そんな気持ちはないと
否定しようとするも、どうしてか…
「『応えられない』とは言った。
が、生徒のためと思えば
寝れないことはない。」
そんなことを言ってついにはキス
してきた。動揺するばかりの正広。
康介さんからあんなことを言われた
からいろいろ意識してしまうことも
あるが、自分はそんなふうに彼を
見ていたわけじゃない、康介さんの
勘違いなんだ…とそう考えるのに、
本当のところは自分の気持ちすら
よく分かっていないのかも知れない。
そんな戸惑いの中、事件は起こる。
中学時代の不良達、当時は康介さんの
手により警察や学校に引き渡された
彼らも、もう自由の身ってことか?
未だに不良達はあの頃のようなこと
を続けていて、正広のバイト先まで
つきとめてやってきたのだった。
熊殺しに脅されてそばにいるんだろう
などと言われ、一見友好的に見える
状況だったけど、事実を口にして
しまえば事態は一変する…自分が
上手くやれば…正広はまた、1人で
解決しようとして、また不良達の
パシリに戻ることになってしまう。

どこか様子のおかしくなった正広。
健介の家に行くことを避けたり、
学校でも健介達を避けているよう
にすら思えた。そんな様子に気付き
ながらもこれまでは何も行動に出て
こなかった康介さんだったが…
「ねぇ、何やってんの?
とっとと何とかしてやれば。」
そんなふうに口を挟んできた
のはまさかの支倉だった。
「腹が立つんだよ--他人のこと
ばっか考えて自分の問題は耐えるだけ。
欲しいものは欲しいって言えばいい。」
正広が弱音を吐いてくれれば、
自分に助けを求めてくれれば、
きっとすぐにでも康介さんは
行動に出ていたんだと思う。
でもいい加減、康介さんも覚悟を
決めて動くことにしたのかもしれない。
そうして家に押しかけ…電話にも
出ないし玄関も明けてくれない
正広に対して窓を割って…なんて
不法侵入をしてきたわけだが…w
全てを話させようと、助けを
求めさせようとするも正広は
迷惑をかけたくない一心で強がる。
そんな正広に対して康介さん…
ほんっと無茶苦茶だなぁ…w
でも、愛情の裏返しみたいな
ものだったわけですかあれは。

康介さんとの会話もそこそこに、
部屋にやってきたのは不良達。
その場で乱闘が始まってしまう。
(だってオレなんかがあんたを
独占していいわけがない。)
そんな理由で、康介さんの気持ちを
拒み続けるしか出来ない正広だが…
最終的には、康介さんと舎弟である
ことを話し…康介さん1人に対して
大人数相手なのに全く歯が立たない
様子の不良達はその場をあとにした。
…そうして、ようやく弱音を吐く正広。
もしかしたら康介さんは、いつも
何でも1人で解決しようとする正広が
こんなふうに正広が弱音を吐ける場所に
なりたかっただけなのかもしれないね。

正広が健介の家に通わなかった間、
みんなは料理できない系女子の健介
ママの料理で死にそうになってたw
そこで、メシ要因として新しく増えた
弓家(ゆげ)。これからはキッチンも
正広と弓家で賑やかになりそうね☆w
そんなある日、やっと両想いになれて
舎弟から内縁の妻…なんて変化もあり
つつ、今日は1日2人だけで過ごせる。
そんな中、康介さんsideの正広への
思いがわかる一面があったのだけど…
正広が中学生だった頃、康介さんの
舎弟になりたいと言い出した時だ。
正広は自分には何も出来ないなんて
いつも思ってしまいがちだけど、
康介さんからすれば正広の自分への
憧れとか尊敬とか…そんなまっすぐ
すぎる思いこそが救いだったようだ。
そんな2人と、そこに集う愉快な
仲間たちのお話はまだまだこれから。
~ひとこと~
アニメ化されたことで読み出した
作品です。前から少し興味はあったん
ですが、やっと手を出しましたww
アニメではね、結構泣けまして。
漫画で読むとかなり印象も変化
してるところですが、それでも
やっぱりおもしろいと思います。
エロ要素ももちろんあるんですが、
それ以外の部分でもいい話が
結構ぎっしりなので…そういう所
中心で紹介していけたらなぁと
思っております。既刊分で6巻。
良かったらお付き合い
いただけるとうれしいです。