不機嫌なモノノケ庵 第8巻

著:ワザワキリ 先生

不機嫌なモノノケ庵8-1

盗みの罪で司法のもとまで
連れ去られてしまったモジャ。
でも実際司法の元へ辿り着いて
みると、真相は全く違った。

行政に言われて芦屋を攫おうと
企てたのがこの司法らしかった。

人間嫌いの行政…このあと、
司法の元へ来るらしい。
…どうなるんだか、一体何を
されると言うんだろうか。

不機嫌なモノノケ庵8-2

行政さんがやってきた。

「芦屋花繪の存在を知って
からずっと…生かすか殺すか
考えあぐねていました。」

「妖怪が見え…我々妖怪の住む縄張り
に入り込んだ危険な人間…殺すべきか
…物怪庵の奉公人として生かしておく
べきか…その結論が出るまで白州獄に
幽閉しておきたかったんです。」

初めは人型の彼だったが、妖怪に
姿を変えると…芦屋は強烈な金縛り
にあい、呼吸もままならない状態に。

呼吸すら出来ず死にかけている
芦屋のすがるような目…それを
見て晴齋は行政に手を出した。

芦屋を殺すべきだと話す行政。
さすがにそこで司法が止めに
入ってくれたけれど…ほんと、
どうなってしまうんだろう。

行政はなぜそんなにも人間を
嫌うのか…司法が間に入って
この話を上手くまとめようと
してくれてるけど…心配です。

にしても、司法さんいい妖怪だw

不機嫌なモノノケ庵8-3

「芦屋花繪を隠世へ
立ち入れんでほしいん。」

妖怪たちが安心して住めるはずの
隠世に人間が出入りするというのは
その平穏を脅かすことになってしまう。

それを防ぐために、司法が出した
妥協案というところだったろうか。

芦屋は隠世へ出入り禁止。
守れば行政は手出ししない。

そんな条件を告げられた芦屋。
先程晴齋が止めに入らなければ
本当に死んでしまっていた芦屋は
今日のもあり、それを了承した。

まだまだ不安は多く残る。
今は問題ないけど、芦屋が
隠世に来られないことで何か
大きな問題が起きないだろうか。
例えば晴齋の身に何かあった時。

…でもまあ、一先ずは一件落着
ってことでいいんだろうかね。

不機嫌なモノノケ庵8-4

行政の一件以来、人間嫌いの
妖怪にまた殺されそうになる
かもしれない…なんて恐怖を
覚えつつもバイトを休むこと
だけは絶対にしなかった芦屋。

同じくその頃からか、芦屋には
前より妖怪の気配を感じることが
出来るようになった…とはいえ、
目を閉じ呼吸を止めて、しっかり
集中しきってないとダメだけど。

それも、そんなことをし続けると
立ちくらみを起こすようになった。

そんな状態の芦屋を見て、晴齋は
強化合宿と言って、芦屋と晴齋を
誘ってくれた写真部の合宿に参加。

気配を消すのが上手いヤヒコも
ついてきて、特訓をしていた。

疲れ切って動けなくなっている
芦屋に、少し驚かせてやろうと
ヤヒコが大きい状態に化けると…
その強烈な気配に行政を思い出す。

疲れ切っていた芦屋には、
大きなヤヒコが行政に見えた。

殺される―

そう思った芦屋の手からは、
以前初めて隠世に言った時に
カピバラ妖怪に対して出た光。

威光(いこう)というらしい。

行政に会った時に晴齋が芦屋を
守るために使ったものと同じ力。

それを使われたヤヒコはひどく
怯えた様子。疲れ切っていた
芦屋は半分寝ぼけての行動のよう
だったけど‥ヤヒコは怖がった。

(こわい…この人間は
こわい……この人間に従わ
ないと…ボクは…ころされる…)

晴齋が戻ってきたから大丈夫
だったけど…この時晴齋が戻って
こなかったら、芦屋はヤヒコを
殺してしまっていたかもしれない。

不機嫌なモノノケ庵8-5

「今後それを使いこなせる
ようになっても”威光”に
頼るな。それは諸刃の剣だ。」

行政のような強力な妖怪をも
抑えつけることが出来る力。

妖怪の意志や思考を”威光”で
ねじ伏せて強制的に服従させる
ことからなし得ることであって、
力加減や使い方を間違えれば
妖怪を殺してしまうこともある。

『威光』とはそんな力らしい。
芦屋はこの力を自分の意志では
コントロールできないでいた。

でもやっぱ…血筋だろうな。
芦屋家の血筋…だろうと思う。

晴齋は芦屋に、必要な時は
躊躇わずに使えと言った。
妖怪から自分の身を守るため。
物怪庵の奉公人を辞めたら…と。

まだ随分先のことだろうと
思ってたけど…この先芦屋が
辞めてしまう日が来るのかな。

不機嫌なモノノケ庵8-6

行政の一件から、ずーっと気を
張りすぎていたのかもしれない。
だから、妖怪の気配を察知しよう
とするにも気を張りすぎて目眩
を起こしてしまっていたのかもね。

偶然出会った河童。仲間とはぐれて
ケガもしてしまって動けないという。

そんな河童に、目眩を起こした
芦屋は心配されて…緊張の糸が
とけたんだろうか…大泣きした。

でもひとしきり泣くと随分
気持ちがスッキリしたようで、
とてもリラックスした状態で
妖怪の気配を察知できるように。

これで…目眩も解決するかな?

~ひとこと~

いろいろあったけど、一先ずは
いつもの芦屋みたいに笑顔を
見ることが出来て安心してます。

でもきっと問題は山積みだろう。
最後の方にちょろっとあった話。

行政のところで行政に手荒なこと
をした晴齋には、何のお咎めも
なく終わっていたんだろうか…

それもまた次巻ですね。
芦屋の威光、察知能力。
少しずついろんな変化が出る。
その中で、きっと様々な変化も
起きてくるんじゃないだろうか。

…続き気になりますわ。
次巻はまた大分先になります。
それでは物怪庵、また9巻で!