不機嫌なモノノケ庵 第7巻

著:ワザワキリ 先生

不機嫌なモノノケ庵7-1

隠世から、現世の視察として
やってきたエゲンという妖怪。

目的は学校を作るためらしい。
なるほど、だからわざわざ
学校を見学しにきてるわけ。

突然やってきたエゲンさん。
こっからどういう話になる
というんだろうか…妙なこと
とか起きなければ別にいいがw

とても熱心に学校の様子や授業
を観察しメモを取っていた彼。
ほんとにただ学校を学びに来た
だけなのかもしれないな…。
そんなふうに思っていた矢先。

初めて隠り世に行った時にも
忠告されていたことだった。

人間であることをバレないようにと。
これ…大丈夫?エゲンさん…実は
いろいろ危険な妖怪だったりする?

ここで芦屋を庇った晴齋。
人間だとバレるというのは、
本当どれほどのことなんだろう。
恐ろしくて知るの怖いけども。

不機嫌なモノノケ庵7-2

「取り引きされませんでした?現世
での視察を許可する代わりに『物怪庵
(俺達)を査察してこい』…と、行政に。
特に、『芦屋を見てこい』…って?」

ごまかしたエゲンさんだったけど、
ごまかし方は下手すぎて結局は
認めるハメになってしまったw

学校作りのことで世話になって
その恩返しのつもりで引き受けた
査察で、行政は悪くないと言う。

エゲンさんの言い分を一通り聞き
終え、最後に晴齋はこう告げた。

「査察のこと、芦屋は知りません。
あなたに対して無警戒で、狙って
媚びるようなこともしていない。
今日見たままを報告すればいい…ただ
芦屋が人間だということは行政以外
には他言無用でお願いします。」

昔の彼からは考えられないな。
人間の芦屋を守ろうとしてる。
でも妖怪を大切に思っている
気持ちも決して変わってない。

(安倍殿は査察に気付きながら
私の学校視察に協力して下さって
いたんだ。もし初日に査察のことを
忠告されていたら私は3日間安倍殿
に頼ることを遠慮してしまっていた
だろうな…だから黙っていてくれた
のかもしれない、妖怪(私)のために)

妖怪を思い、人間も大切に思えるように
なってきた晴齋。今回の査察に関して
きっと彼は正直に行政さんに伝える。
でも、晴齋の言葉もちゃんと届いてる。

そう、信じたいね。
エゲンさん、きっとすごく
心の綺麗な人に思えるから。

不機嫌なモノノケ庵7-3

ヤヒコが翁様と一緒に山で遊んで
いたときに見つけたのがこのキナコ。
キナコって名前はヤヒコが付けた。

最初は自分より大分大きなヤヒコに
怯えていたキナコだったけれど、
少ししたら随分と懐きすぎたようだw

でもこんなに小さくて力のない妖怪が
ずっと現世にいるのはやはり随分力を
消耗するのかもしれないね。突然
倒れてしまったキナコ。その体は
透けていき触れることも出来なくなる。

晴齋に祓ってもらうにも、触れる
ことも出来ないから連れていけない。

…ヤヒコのこんなつらそうな表情
初めて見たかもしれない。それ程
仲良くなりすぎちゃったのかもな。

不機嫌なモノノケ庵7-4

突然倒れたキナコは…まあ結果的
には無事だったのだけれど、力を
使いすぎてお腹が空いていたらしいw

でもこのまま現世にい続けたら
いつかは本当に消えてしまう。
そうなるくらいなら…すぐにでも
祓ってあげてほしい…そんなヤヒコの
思いも知らず、キナコは繰り返す。

「キナコ、1人はヤダけど、
ヤヒコと一緒なら隠世行く。」

しつこくそう叫ぶキナコに対して、
ヤヒコは悲痛な叫びを上げた。

行きたくないじゃなくて行けないと。
行けない…?何か理由があるのかな。

不機嫌なモノノケ庵7-5

結局ヤヒコが行けない理由は
判わからない。行けない理由を、
「寺(禅子の)を手伝え」と
言われてるからだと告げたw

そういうことにしてそこは話が進む。
そんな理由でも納得しないキナコ。

「まだワガママ言う
ならキライになるよ?」

そんなふうに言ったヤヒコに、
さすがのキナコも大人しくなる。

「それはもっとヤダ。
だったらキナコ1人で隠世行く。」

それでも渋々と言った様子の
キナコに、芦屋がある提案をする。

「祓うの、明日にしよう!」

自分の体調よりヤヒコといたいという
気持ちの強いキナコを思ったんだろう。
これがきっと今できる妥協案だと。

それを渋々了承した晴齋。それから
1日2人は遊んで遊んで遊び倒した。

次の日になってキナコの気持ちが
揺らいだら…なんて心配もあった。
それでもキナコの意志はしっかり
していて一人で帰ると主張した。

真っ直ぐ過ぎるキナコ。ヤヒコ
だってすごくすごく寂しかった。
でも、寂しいも、さよならも口に
することが出来ないでいたヤヒコ。

芦屋に背中を押され、最後に泣くのを
我慢するかのように言葉を絞り出した。

「ヤダよ…ヤダけど。
けど…ばいばい。」

(もう行っちゃうなんて…もっと…
もっと一緒に遊びたいのに。明日も
現世にいて欲しい。いなくならないで
欲しい。でも消えるのはもっとヤダ。)

そんな思いも込めて、サヨナラを告げた。
ヤヒコもキナコも、笑顔でお別れ出来た。
もし、いつかまた会える時があれば、
また笑顔で再会できたらいいな…。

ヤヒコ、こんな優しい顔するんだな。
この時背中を押してくれた芦屋を、
ヤヒコは少しだけよく思ったみたい。

「役立たずだと思ってた
けど……そうでもないかも。
そんなにキライじゃないよ。」

そう、小声で晴齋に伝えたw

不機嫌なモノノケ庵7-6

モジャが誘拐された。
その原因になっているのが、
もしかしたら芦屋が初めて
隠世に行った時に遭遇した
果物を盗んでいたモジャモドキ。
…ほんとの名前は知らないけどw

そしてあの時いたカピバラの
ような妖怪…モジャに怪我を
追わせた彼ですね。その時の
ことが頭によぎった芦屋だが、
これはもう推測でしかない。

事実確認も含めて、司法さんの
もとへ、向かうことになった。

その頃隠世では、行政さんから

「行政に言われた通り、物怪
庵の奉公人を捕まえたんよ。」

そう言っていたのは司法さん。
行政に言われた通り…ですって。

(どんな人間か…早く会ってみたい。
物怪庵の奉公人・芦屋花繪。)

本当の狙いは芦屋ってことか。
またまた厄介な感じに…。

~ひとこと~

キナコとヤヒコのお話でしんみり
して、査察の件地味に忘れてた。

おそらくその報告の影響だろう。
モジャが誘拐されていった理由。
…8巻、不安だねいろいろと。