著:ワザワキリ 先生

今回の依頼は人間からの依頼。
家の中で怪奇現象が起こる部屋。
それをお祓いしてほしいとのこと。
そこの娘は心霊マニアなのか、
お祓いを見たいなどと面白がる。
そこの母親は物怪庵での仕事を
疑い訝しげな表情で見てくる。
お祓いは滞りなく完了したものの、
母親からの言葉は厳しいものだった。
「キミ達本当に”お祓い”なんてできるの?」
「こんな仕事してあんな人と一緒
にいると人生を踏み外すわよ?」
それでお祓いを終えてもずっと
落ち込んだりイライラしたり
している様子の芦屋だった。
一見平気そうにしている晴齋も、
そういうものに納得している
わけではない。それでも、彼の
石はどこまでもハッキリしていた。
「…俺はもういいんだよ、妖怪のために
祓えればそれで…俺はそれでいい。」
晴齋は正真正銘の人間だ。
そんな彼にそこまで思わせる、
そんな覚悟をさせるようなことが
過去に何かあったのだろうか。

ある時、突然ヤヒコが巨大化して
しまい元に戻らなくて大変だと禅子
に助けを求められた芦屋と晴齋。
だが、禅子の家(寺?)まで行くと
そこには激怒りの親父さんww
特に芦屋に対してだろうか、
明らかに敵意を向けていた。
そんな態度を申し訳なく思う
禅子だったけど、2人はそんな
ことは気にしてないようだった。
芦屋はちょっと怯えていたけどw
そんな芦屋と晴齋を見て、禅子は
安心したように微笑みを見せた。
(良かった、お父さんも早く二人の
ことを好きになってくれるといいな。)
大事なお父さん、そして大事な友達。
だからこそ、片方でも嫌ってるよう
な状態のままなのは悲しいものね。
ほんとそうなるといいね、禅子。

ヤヒコの巨大化の原因はヤヒコが
盗み食いをしたじゃがいもを育てて
いる畑の土であることが判明した。
その土の畑…酷い異臭がする
らしく、多分それは妖怪の匂い。
晴齋が1番、芦屋が2番目に
臭いに敏感なところを見ると
そういう力の強い人にしか
わからない臭いなんだろうね。
畑は泥まみれでモヤもかかって
いて、実際奥に向かってみる
しか原因追求する方法はない。
臭いと闘いながら奥に行くと
そこにいたのは『ノボウ』と
言う妖怪がいた…。隠世に祓って
ほしいけどこの場所から動けない。
そんなふうに言っていた。酷い
臭いのせいでこの場所では隠世
の扉を出せない…と話した晴齋。
…ほんとにかなり酷い臭いなのねw
ノボウさんを連れて一緒にモヤの
外へ連れ出そうとする2人だが、
突然走馬灯のようなものが見えて
元の場所に戻ってきてしまった。
昔、人間の不注意で火事が起こり
ノボウさんが友人と呼んでいた
かかしが燃えてしまったらしい。
突然見える走馬灯のような
ものは、その時の光景だった。

自分がこの場所から出られない
のは友人に恨まれているからだ。
ずっとそんなふうに思っていた。
でもこの泥や煙…本当の原因は
友人に対する強すぎる後悔の念。
ノボウさん本人がこの場所に
自分を縛り付けていたようだ。
そんなノボウさんに晴齋は言う。
「ノボウ殿、”離れる
覚悟”をして下さい。」
今までどう頑張っても出られ
なかった。また抜け出せなかったら…
そう話すノボウさんだったけど、
それに対する言葉は揺るがなかった。
「「待ちます(よ)。」」
「あなた方は待ち惚けを食う
かもしれませんよ!…それ
でも待っていてくれますか?」
「はい。」
「うん。」
それでも待つと言ってくれた2人。
ノボウさんは自分の後悔と友人に
別れを告げることを覚悟したようだ。
頑張れ、ノボウさん!!

ノボウさんがあの泥と煙の中
から抜けてこられたのは、周りが
暗くなってからのことだった。
随分と時間はかかったけど、
泥に阻まれる道、辛い走馬灯、
自分の後悔と闘ってようやく
抜けてくることができたんだ。
友人にもちゃんとお別れを
告げた。芦屋と晴齋の言葉を
ただただ信じて来てくれた。
ノボウさんほんと良く頑張ったね!
この後隠世に祓われたノボウさん。
これからは、きっと幸せな気持ち
で生きていけるんじゃないかな?

帰りの遅い禅子を心配して、
親父さんが迎えにやって来た。
…とそこに、無事もとのサイズに
戻ったヤヒコもやってきていて
親父さんの背中に乗っかる…w
そんなヤヒコを背中から抱き
上げ、普通に会話する芦屋。
・・・親父さんの目の前でw
だが思い返してみれば、笑い面
の時も今も芦屋のお陰で体調が
治っていることに気がついたw
そんな芦屋のことを、禅子は
芦屋は霊感があるから今は
背中に憑いた幽霊を取って
くれたんだよと説明した。
ほんとは背中に乗った妖怪だがw
でもそれで親父さんは納得して
くれたようで…酷く怯えてたけどw
なんか仲良くなったみたいです。
笑い面の時の第一印象から、娘に
まとわりつく悪い虫のような目で
見られていた芦屋、そしてそれに
対して怯える様子の芦屋だったが
今回のことで少しは良好に…なる?w

次の依頼主は猪柄嶽夕日滝翁神…という、
現世では神様として祀られている方。
名前難しいので翁様。彼の依頼は、
祓ってほしい妖怪がいるとのことだ。
その祓ってほしい妖怪というのが
目が見えない妖怪なのだそうだ。
妖怪を見ることが出来る人の目を
借りることでしか見えないという。
それも、たった2.3日のことで
その人間の視力もすぐ戻ると
いうことらしいのだけれど。
この、トモリという妖怪。
以前見たことのある現世の
景色が大好きだと話した。
「隠世へ行く前にもう一度…
現世がみたい?…ですか?」
芦屋の言葉に甘え視力を
貸すことにしたのだった。
でも問題は此処から先…
2.3日で戻るという話だったのに
5日経っても視力は戻らない。
そんな芦屋に晴齋は告げた。
「もういい。別のバイト
雇うからお前は辞めろ。」
~ひとこと~
5巻でした。ノボウさんのお話は
少しウルっとさせられたお話です。
最後はとんでもない感じで終わり
ました…芦屋はどうなるんだろう?
早いとこ次巻読みましょうかね !!