著:青桐ナツ 先生

「君が許さなくても
友が許しているのだよ。」
そんな言葉を先生に言われて、
自分は不要な怒りを平介に
向けていたのだろうかと考える。
そんな時、平介が友達を理解
してるからこそ何かがあっても
そこまで動揺しないのかもしれない
と思える状況に遭遇した海藤。
全てがそうではないかもしれない。
でも、きっとそういう一面もある。
だからと言って、薄情だとか、
愛がないとか、そういうふうに
感じることは相変わらずで…
「いっぺん全部なくして
みればいいんですよ!」
そんなことを口走った。
その直後平介は偶然の事故で
階段から転げ落ちて怪我をした。

ある時、階段から落ちそうに
なった佐藤を、平介が助けた。
結果、ケガをした足の痛みが
悪化したわけだったのだが…w
それを見た海藤が言った。
「先輩も人並みだったのですね。」
褒めてるのか貶してるのか、
イマイチわからない言葉だけど
今回に関しては褒めてるだろう。
今まで他と比べて劣っている
ようなことを散々感じていた
平介に大して、そんなことは
なかったのかもと思ったんだ。
友達の危機を平気で見捨てる
程薄情な奴じゃない。そういう
一面を見て、安心できたのかも。
そのまま、海藤は帰っていった。

そしてそのころ平介は…
自分が階段から落ちた時に
心配して来てくれた友人達を、
今回はおしるこにつられて
家まで来たのだと思っていた
のになくても来るよと言って
くれた友人を、いい人達だと。
彼らが自分に向けてくれる
思いを改めて実感した平介。
「(言いたいことが、なんと
なくわかった気がする。)
なるほど、こういうことかあ。」
海藤が伝えたかったことがずっと
イマイチ理解できなかった平介が、
やっと少しわかった気がした時。
これからは、もう少し穏やかな
関係を築けるのかもしれないね。

お菓子を作りすぎて、親に
お菓子禁止令を出された平介。
もう消え入りそうな勢いで
沈む自分に、昔もこんなこと
あったと思い出す中学時代。
そうして、秋なんかはいろんな
経験をしてどんどん成長してく
のに、自分は何も変わんないな
なんて感じてしまった平介。
そんな時、昔=中学時代の
その時を共に過ごした鈴木が
昔を思い出してしみじみ言う。
「いつのまにかできる
ようになってたんだな。」
昔の禁止令は、ロールケーキを
作って作って、上手く出来なくて
上手く出来るように何度も何度も…
と繰り返した結果の禁止令だった。
お菓子の材料費って馬鹿にならんw
そうなんだよね、変わってない
なんて思っても、自分ではあまり
気付けないようなことでも、少し
ずつ、でも着実に成長してる。
きっとそういうものなんだろうな。
幼い子は、そりゃあ高校生に
比べてものすごいスピードで成長
してくだろうけど、高校生だって、
ましてやいい年した大人だって
いろんな経験で少しずつ変化、
成長しながら生きてんだろう。
なんか改めて、そんなことを
思わされたシーンでした。

かまってもらいたくて、でも
中々かまってもらえなくて
悪さばかりしてしまう虎太郎。
そのうち、あんまり悪いこと
ばかりする虎太郎に佐藤は…
こたは橋の下で拾われた子だから、
あまり悪さばかりしてると橋の
下に戻されちゃうんだぞー。
なんてことを話した。もちろん
嘘なのだけれど、それを聞いて
悪さを辞めて欲しかったんだろう。
でもそれを信じて、自分は佐藤家
の本当の子供じゃないんだって、
お兄ちゃんやお姉ちゃんたちは
本当の兄弟じゃないんだって、
悪い方向に考えてしまった虎太郎。
それでも、兄弟達のことちゃんと
大好きなんだろうね虎太郎は。
いつもわがままで横暴で、そんな
ところの目立つこだけれど、
そんな虎太郎もこの先いろんな
ことを知って少しずつ大人に
なっていくんだろうなと思う。

家庭科部に勧誘された平介。
仮入部は何度かしてみるも…
中々決心を決められない。
部活の雰囲気としては、
お菓子もお茶も出てくるし
色々なお菓子を作れるし、
平介には魅力が多かった。
でも実際、部活というものは
自分には向いていないと感じる。
「きもちーほー。」
悩む平介に、そう言った秋。
そうだね、どちらでもいいなら
自分が本当に気持ちのいい方を
選べばいいだろうって思うよ。
で、出した答えが…保留ww
平介らしいよ、とってもね。
~ひとこと~
私は今まで、漫画やアニメで
この人はすごいなって思える
ヒロインやヒーローに憧れ
ながら見ていることが多かった。
でも、flatではまた違うことを
感じながら、今まで考えなかった
ようなことを、改めて考えるいい
機会になってると感じています。
フツウ…なんてのは結構人それぞれ
で、ある人から見れば劣ってると
思われてしまうようなものも実は
フツウだったりするわけだけれど、
そんなフツウの中でも、人は多くを
経験して変化や成長をしていく。
その中には友達や家族、自分を
大切に思ってくれる人もいて、
それを嬉しく感じられるのは
とても幸せなことだなーとか。
あと2巻でflatは完結ですが、
一体どんな終わり方になるか。
最後までお付き合い
いただけたら嬉しいです。